表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

追放?だと!? 第1話

「クルア!お前は追放だ!!」


「うん?もう一度いいかな?今、追放って聞こえたのだけれど?」


 俺は,驚愕の表情を浮かべて、目の前のパーティーメンバー達を見た。


「追放だと言ったんだ。無能というレッテルがお似合いだよ。お前は勇者として、相応しくはない。理由としては、戦闘の時も魔王と戦っている時も、お前は一才魔力も使わず、転生者でありながら一つのスキルも使用せずに魔王を倒した。

 魔王を倒し平和を取り戻してくれたことには、まあ、ありがとうと言っておこう。ありがとうという言葉すらお前には勿体無い。しかしだ。これからは違うこれからは、無能勇者として活躍してくれ。これは我々からお願いでもある」


「どうして、追放なんだよ。 なんだよ?無能勇者っておかしいだろう!? 俺はお前達を仲間だと信じていたのに、一緒に頑張ってきたじゃないか‥‥‥。どうして、なんでだよ!?」


 最初に追放宣言をしてきた金髪の青年は、後方支援特化の回復術師クルトだ。


 パーティメンバーでは、リーダーの役割を受け持っている。


「それはあんたは無能で使えないのだから、魔王に勝てたのは私達がいたから勝てたの。わかる?私達という存在にありがたく思いなさい。勇者として相応しいのは私達だけ、あなたは、お荷物でしかなかった。どんな時も」


 回復術師よりも前に出た同じ後方支援の青髪の魔法術師の少女リースは、

 苛立ちを隠せずにこちらを強く睨んでいるのがわかった。


「お、おれは、お荷物なんかじゃなくて、先頭で戦っていたじゃないか?そ、」


「おいおい、それは大きな勘違いだろ。お前さ俺より弱いじゃないか。その自覚はある?それと、そんなにせめてやるなって可哀想だろうよ。無能に何をいっても無能なのにさ」


 遮るように前衛で共に戦ってきた黒髪の剣士カルは、はぁー、やれやれやめてほしいなという顔をしていた。


「カル。お前だけは、俺の味方であって欲しかった。どうやら仲間だと思っていたのは俺だけのようだな。すまない、本当に」


「本当にすまないと思っているのならばこの場から一刻も早く消えてくれ。そして二度と俺たちの前に現れるな」


「じゃあね」

「まあ、精々がんばれや、無能勇者」

「じゃあ」


「俺が無能だと‥‥‥」


 異世界転生をした。俺は、魔王を倒す勇者として、

 数々の戦場に出て功績を上げてきた。魔王を倒すために集った仲間達とともに。しかし、俺は一才の魔力も使わず、神から授かったスキルも使っていない。

 それがバレてしまったようだ。

 はぁー。お前らといると疲れるわもう、疲れたわ、もういい。こんな固い喋り方はやめました。はい。足手纏いはお前らのほうなんだけどな。ゴブリンからの奇襲されそうな時とか、

いち早く気づいたの俺だし。魔王倒したのは俺のおかげだし。

 正直言って、スキルとか魔法なんて俺には必要ない。


 だって勝てるもん。


 スキルも魔法も俺には関係ないものだ。

 前世の名前を捨てた代わりに得た力だ。

 今の俺はクルア。

 追放されたのでもう勇者ではない。

 ハーレムを作りたいと思うのだけれどいくあてもない。どうするかと情けとしてパーティが置いていった荷物を確認してみた。地図にはバツ印が書いてあるところがある。


 ここから近いようだな。

 宝の地図だろうか?あいつらが入れてくれたのには俺にお似合いの場所だということだろう。

 他には、乾パンひとつ。えっ!カビ生えてね。水袋もあるが、匂いを嗅いでみると鼻が曲がりそうなくらい臭い、飲んだら腹を下しそうだ。


 装備品は全て回収されたので、魔物に襲われた時には武器が必要になるが、武器を買う金もない。


 俺の懐は空の状態だ。


 心は、もう誰も信じられないくらい壊れかけている。


 全てがどうでもよくなってきた。


 俺は、街を出て地図上に書いてあるバツ印があるところに向かうことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ