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言い訳


「あれ?私寝てた?」


美鈴が目を冷まして、少し経ち意識がはっきりしてきたのだろうか、


「うん、一時間ぐらい寝てたよ」


「そっか〜、私のこと好きになった?」


「なんでそうなる」


「いや〜かわいい幼馴染の寝顔見たら好きになるかな〜って」


「別に、なってないよ」


「残念だな〜好きになってくれてよかったのに」


「……」


俺が好きなのは渚だから

とは言えず黙ってしまった


「そっか、そっか、湊が好きなのは今は私じゃないもんね」


「、、うん」


「大丈夫、絶対文化祭までに好きにならせて見せるから」


「わかった」


なんて返事をしたら良いか分からなかったのでとりあえず理解した旨を伝えた





そこからは順番にお風呂に入った

特に何もなくゆっくりすることができた




「寝るところどうしようか、」


「前布団は?」


昔美鈴の家に泊まったときは確か美鈴のお母さんが来客用の布団を出してくれた


「あれね、あれ、あるけど出したくない」


「めんどくさいとかなら場所さえ教えてくれれば俺自分で出せるよ」


「え、別にめんどくさくはないよ?ただこのまま布団を出さなければ一緒に寝れるかな〜って」


「えっ、」


またしてもなんて答えたら良いかわからない発言が飛んでくる


「まぁまぁ、そんなことは置いといて、ちょっとこっち来て、」


美鈴に手を引っ張られる


「どこ行くの?」


「着いてからのお楽しみ」




「ここって、寝室?」


「そう!私の寝室です!」


「あ〜、俺ソファーで寝るので大丈夫です」


美鈴の部屋から出ようとする


「だめ!」


美鈴がそう言い、再び俺の手を引っ張った

その後美鈴は俺のことをベッドに押し倒した


「こういうの憧れてたんだよね、私達高校生だし、いいよね」


「ちょっと、」


恥ずかしい話、ずっとスポーツをやっていた美鈴と万年文化部だった俺とでは力の差は歴然だった


「湊は私のこと嫌い?」


嫌いかどうか?

そんなの嫌いなわけない

小さい頃からずっと一緒にいる幼馴染を嫌いになんてなれるわけない


「嫌いなわけないじゃん」


「じゃあいいよね、こういうことしても」


美鈴は服を脱ごうとしている


「嫌いじゃないからこそだめなんだよ、」


「なんで?嫌いじゃないならいいじゃん、私は湊のこと好きだよ、ずっと」


「美鈴は大切な幼馴染だからこそ、自分のことを大切にしてほしい、もし俺が美鈴のことを好きになって、付き合っても、そういうことは軽くしたくないんだ、」


俺は美鈴に思っていることをぶつけた

美鈴は大切だ

小さい頃からずっと一緒にいる

少し疎遠になってしまったときもあった

そんなときも美鈴のことは考えていた

だからこそ、だからこそなのだ、

美鈴は俺の大切な友達であり、大切な幼馴染だ

だから軽い気持ちでそういうことはしたくなかった


「そっか〜、少しショックだな〜、いや〜男子高校生は押せばいけると思ったんだけどな〜既成事実作りたかったな〜」


美鈴の目から涙がこぼれた


「あれ?私泣いてる?

これどっちの涙だろう、拒否されてショックの涙かな?それとも大切にされたことが嬉しくての涙かな?」


美鈴はどっちだろう、えへへと力なく笑う


今まで通りのただの幼馴染だったら

気軽に頭を撫でたりできたのかもしれない

だけど、今はそれができない、

多分それができないってことは俺自身少し美鈴を意識し始めてるのかもそれなかった


「じゃあそういうことしないから今日は一緒に寝よ?」


「それだけなら」


美鈴は嘘をつかない

ただ一緒に寝るだけ

何もやましいことはない

そう自分に言い訳をして美鈴と同じベッドで寝ることになった



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