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帰り道


「疲れた〜」


そういうホテルから出た

ホテルの門を通っているとき美鈴は伸びをしながらそう言った


時刻は午後5時あたりになっていた

カラオケをやったあとも食べ物を注文してそれを食べながら映画を見たり、置いてある対戦ゲームで遊んだり、充実した一日だったと思う


「また来ようね」


あまり友達のいない俺は休日にこんな遊び回ったのは初めてだった

こんな体験なら何回しても良いと思った


「いいね、また来よう」


「あ!次はそういうこともしようね」


美鈴はちょこっと舌を出しながらそう言う


「そういうのはかんべんしてください」


俺がそう言うと


「えぇ〜、まぁ付き合ったらここじゃなくてもできるからね」


美鈴少し気分が落ちたような声色でそう答えた


「そろそろ帰ろ〜」


夏前で日が長いということもあるがもう早くはない時間帯なのでお開きにする


「送ってくよ」


「本当!やった」


俺が家まで送るということを伝えると美鈴は今にもジャンプでもするのかというほど嬉しそうに答えた

幼馴染なので家はとても近い、こんなことで喜んでくれるならいくらでもして良いと思った



特にこれといって話すこともなく、帰り道は二人共無言だった、別に喧嘩をしたというわけではない

現にあまり隙間をつくらず隣に並んで歩いている


「あのさ、」


もうそろそろ着くというところで沈黙を破ったのは美鈴だった


「どうしたの?」


なにかあったのかと思い質問する


「ちょっとこっち向いて」


「うん」


困惑しながらも美鈴の方に向いた


「ちょっと目瞑ってて」


「わかった」


俺は言われた通りに目を瞑った

その瞬間


「んっ」


美鈴が俺の唇に自分の唇を重ねてきた

俺はびっくりして一歩離れてしまう


「うわ〜意気地無し〜でもそういうところが好きだけどね」


俺が美鈴から離れると美鈴は責めるような煽るようなけど好意も含まれている、そういうどう捉えたら良いかわからないことを言ってきた 


「別に、無いわけじゃ」


俺も負けじと答える


「でも、離れたじゃん」


たしかに、その事実は変わらない


「いや、びっくりしただけだから」


ここで言い負かされるのは嫌だったので答える


「ふ~ん、でも次はもっとすごいことするからね」


美鈴はそう言うと俺の目を見て微笑んできた

俺はその笑顔に一瞬ドキッとした


「じゃあね」


美鈴はそう言うと残りあと少しの距離だった家まで走って帰ってしまった

俺はその後ろ姿を眺め少し寂しい気持ちになった

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