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第5章 脱出編 その11 急ぐときほど信号は赤になる

第5章 脱出編 その11 急ぐときほど信号は赤になる


 5年間進めていた胃世界脱出計画だったけど、実行間近になって改善が必要になって、

「延期したら」って言われた途端に、この騒動だ。

 つまり、世界竜の体内に生息する寄生生物……ってかサイズ的にはもう怪獣……たちが次々とこの国を襲ってきた訳だ。その中には、この魔法都市国家レクアの天敵ともいえる魔力吸収生物がいる。で、そんな生物がなんで急にって考えた結果がこれだ。

「この胃世界の本体、世界竜そのものに異常が発生してる。最悪、胃世界滅亡?だったら今すぐ脱出だ!」

 で、5年かけて準備してた脱出計画を思いっきり前倒しすることにした。僕の最良の理解者オネエサンにも「泥縄」とか言われそうだけど、まあ、最悪の事態を考えれば仕方ないんじゃないだろうか?

そして、元老院に胃世界脱出計画の緊急動議をはかってしばらく。

「弟クン」

 そのオネエサン、こと練成魔術師グルグルグールル師からの思念伝達だ。オネエサンと僕は、露悪的な言い方をすれば同じ生体部品を使った姉妹機だから、思念伝達が苦手な僕とでも思念が共振しやすい。

「オネエサン?どうしたんです?」

 僕は今、レクアに近づく天敵サナダグンを引きつける囮として、ロケット推進水中翼船で絶賛逃走中だ。操船そのものは契約妖精エルダに任せてるけど、けっこう忙しい。とはいえ、その手を止めて思念に集中した。

「……弟クン、主推進機関の点検は終了したよ」

「不機嫌そうな思念こえですね。なにか不具合でも?」

「そうじゃない。ただ……キミがさっき送ってきた、脱出計画改なんだが」

「なにか問題が?」

「問題しかない!なんだこの泥縄は?」

 やっぱり言われたか。しかも苦情はまだ続く。

「なんで、いきなり今すぐ脱出しようになるんだ?失敗したらどうする気なんだ!?そもそも世界竜の異常ってどういうことなんだ!もし推測が外れて脱出に失敗したら、レクアを泥船にして沈めるだけじゃないか!こんな曖昧な根拠で危険な提案が元老院で通るわけがない!弟クン、キミは最悪またまた下剋上されるんじゃないか?」

 オネエサンの思念が頭に鳴り響いてすごく痛い!のたうちまわりたいくらいに痛い!しかもまた下剋上なんて冗談でもやめて!

「そ、それはその通りなんですけど!でも最悪の場合を考えると」

「って言おうとしてたんだけどね」

 思念のトーンが急に下がる。すごいなオネエサン。思念のトーンなんて変えられるんだ?

「実は、ボクが以前派遣した偵察精霊が異常を観測したんだ」

 偵察精霊。風精霊の一種でレクア国外へ偵察やら観測やらに派遣する、なかなか上位の精霊だ。まあ、単独ではそこまで遠距離にはいけないけど、そんな精霊を使役できるんだから、さすがオネエサンだね。

「異常ですか」

「ああ……脱出路の選定のために派遣したって話したろ」

「そういえばそうでした」

 随分手回しいいなって思ってた。残念ながら脱出経路の選定はなくなっちゃったけど。

「だが、キミの今回の推測を裏付ける現象を観測したようだ。いろんな意味で残念だよ」

 世界竜の胃の脈動が止まり、その胃液であるところの竜酸海の海流に異常が発生だって。

「ええっと、つまり、その結果、今まで遭遇したこともないような寄生生物が次々襲ってきた?」

「それだけならいいんだけどね」

 それだけって、いやいや、充分ひどい目に遭ってますけど。

「脈動が止まったということは、世界竜の生命活動に異常が起きた、ということだ」

「あー……そうなりますね」

 エルダも否定しなかったな。今は世界竜の意識そのものと接触できないとも。

「キミの最悪の推測が当たりそうだ。それなら泥縄でも泥船でも仕方がない。キミは脱出計画改を進めるべきだ。ボクも元老院へそう報告する。だから作業を急いでくれたまえ」

「……はい。報告ありがとうございます」

「弟クンには悪いが、ボクはこんな推測、外れて欲しかったよ」

 オネエサンの思念を最後に、僕たちの会話は途切れた。

 とはいえ、僕は幸せ者だ。何しろ転生して以来、ここでは僕の意見を理解してくれる人がたくさんいる。オネエサン、オーマークさんにウーシュさんもだ。それに、シャルネさん。そしてオネエサンたちは一度理解したら、愚痴やら質問やら取引やらはあっても最後にはちゃんと納得してくれる。少なくとも前世の会社ように、最初からまともに相手してもらえないってことはなかった。だからかな?こんな僕でも魔王になって、一つの世界を救おうなんて考えられたんだって思う。まあ、世界の危機なんでないにこしたことはないんだけどね。


「旦那様、白いヒモがしつこいの。ピロリもバチャバチャうるさいの」

 いけない。アイツらをなんとかしないと、燃料精製もオリハルコン・ラム取り付けも進まないんだった。しかし、空中を飛ぶサナダグンから逃げようとすれば水中を進むピロリを引き離してしまう。速度差のある両方を引きつけて囮を続けるのは難しい。だいたいあいつら同士はなんで戦わないんだ?行動範囲が違ってても同じエサを狙うんなら……。

 くいくい。考え中の僕の袖をひっぱるのはエスリーだ。

「旦那様、考えすぎはいけないの。だいたい今日はお仕事のしすぎなの。お疲れなの」

 エスリーが言うには、仕事は一日一時間だ。そんなホワイトな生活に憧れつつもこの5年間、ひた走ってきた。今日なんか、元老院に始まって、謎のイベント、それから敵、敵、敵、敵で、最後はオネエサンの報告だ。なんか疲れを意識したら、頭が痛いことに気づいてしまった。

「主よ、疲労はわかるが、今、休んでは全てを失う。あなたの全てではない」

 レクアの全て、だ。エルダは意外に僕のことがわかってる。僕は僕のことだけじゃ、必死になれない。

「ありがとう、エルダ。エスリーも。後でゆっくり休むよ」

 後、か、後があればいいな。目の前に見える暗い竜酸の海に、行く手を遮られてる。なんか暗示的だな。大きな竜酸の波がエスリーの光壁に弾けて蒸散する。じゅわ~って。

「……待てよ?」

 竜酸の海。……ピロリとサナダグンはかなり接近してるのに互いの存在を無視してる。水中を進むピロリはともかく、サナダグンはピロリを吸収できないのか?サナダグンは……水中に潜れない?ってか、この水って……。一瞬遅れて、僕の脳内で結論が導き出される。

「エルダ。ロケットピロリだけなら極小化ミニマムできる?」

「それはたやすいことだ」

 何匹かとっ捕まえて補助推進機関に流用できないかなとも考えたんだけど、操縦方法が浮かばない。低脳過ぎて魔術的な使役もムリらしいし時間もない。だからエルダに瞬殺してもらうことにした。

 100m級のロケットピロリは一瞬で1m以下になり、エルダの魔力で消滅したんだ。

普通の怪獣相手ならこんなに強いのになあ。

「すまない。こんなことができてもサナダグンにはわたしは無力だ」

 あ、心読まれた。

「エルダが謝ることじゃないって。あのサナダグンが非常識なだけだよ」

 そう。ピロリとサナダグンの相殺を狙ってたから面倒くさかっただけで、ピロリだけなら一瞬だった。逆に言えば魔力を吸収するサナダグンがエルダたちにとってどれだけ相性が悪いのか。

「だけど……まあ、反撃はここからさ」

 僕は船の針路をレクアに向けた。

「主?それでは囮の意味がなくなるのでは」

「エルダ、旦那様が決めたのなら大丈夫なの」

 かすかに不安そうなエルダを幼いエスリーが自信に満ちてたしなめる。

「あんまり過信されるのも怖いけど、まあ、大丈夫かな……エルダ、しばらく船を任せる」

 僕は作業に専念したい。まあ、下準備はできてるから、たいした手間じゃないんだけど。

「あ、サナダグンに追いつかれそうになったら、飛んでいいから……うげっ?」

 そう言った端から点火するのはやめて。エルダは無敵過ぎて僕の虚弱さをわかってない。

「旦那様はエスリーがお守りするの」

 急加速でひっくり返りそうな僕はエスリーに抱きかかえられる。これもどうなんだろ?見た目十代初めの女の子に、過保護なまでに守られる魔王というのも問題だね。


 その後しばらくして、元老院の決議が通ったって連絡だ。

「すごくモメモメだったの~オーオーもウシュウシュも頑張ってやっとだったの~グルグルの報告が間に合ってよかったの~」

 ちなみに中継役はエマだ。オーマークさんが脅し、ウーシュさんがすかしてようやく通ったらしい。オネエサンの報告がなければムリだったかもしれない。やれやれだ。

「しかし魔王。グルグルグールル師の報告を信じるならばすぐに作業を始めないと脱出も間に合わないのではありませんか?」

「それなのにモーリはんときたら、今もサナダグンに追われてる言います?」

 結局そこに戻る。僕が作業に集中しないと、泥縄の脱出計画すら進められない。なにしろ僕は脱出計画の立案者で実行者で、一応、最高責任者の魔王なんだから。

「あ、でもそれは大丈夫です」

「……あの厄介な敵をそんなに軽く対処できるのですか?」

「またあの、ろけっととやらで燃やすんです?」

 それも考えたんだけど、燃料がもったいないし、今度こそ主推進機関やこの船が損傷する可能性がないわけじゃない。確実に行こう。急ぐときほど慎重にならないといけないしね。

「ご安心ください、アイツはもうレクアの天敵なんかじゃありません。それより、シャルネさんに連絡をお願いします」

 だから僕は一番信用できる人に頼ろうと思った。


 レクア上空を大きく周回した形で、その西海岸にある僕の作業場に向かう。で、サナダグンは、魔力の高い僕とエルダが操るこの船を追いかけてくる。まあ、世界竜の魔力が危うい今、僕の魔力はごちそうなんだろう。次のサナダグンが来る前になんとかしよう。

「エマ、南端の戦況はどうなってる?」

「マオマオ様~!エマエマのライブが盛り上がってるの~」

 そんなのはどうでもいい!エマは、なぜかこういう心の声は読まない。不思議だね。

「あと、オニオニたちがイッタンモメンをやっつけたの~今一緒に踊ってるの~」

 空中で謎ダンスをしてるエマとその下で踊り狂う鬼族の姿が一瞬頭に浮かぶ。頭が痛いのは、魔力欠乏症じゃないと思う。

「……エマ。今からサナダグンが近くを通るけど、光壁を張らないで」

「え~?また来たの~?勝利のダンス中だったのに、空気を読んで欲しいの~」

 僕の心は読めるくせに空気は読めないエマがそれを言う?あ、いけない。頭痛が激しい。

「マオマオ様~なんだかフオンなことを考えてるの~?」

「……それはいいから、エマも僕のところに転移して」

「マオマオ様、エマエマに会えなくて寂しいの~?エマエマも寂しかったの~」

 僕は脳内血管が動くのをはっきり自覚した。さっきまでの疲れがふっ飛んだな。

「エマがそこにいればサナダグンが襲うかもしれないだろう?だから急いで」

「そんなにエマエマが心配なの~?マオマオ様、かわいいの~」

 次の瞬間、船室でソファに座る僕の膝の上にエマが転移してきた。

「マオマオ様~エマエマ踊り疲れたの~ライブも頑張ったの~マリョマリョ欲しいの~」

 僕の頭痛は魔力欠乏症じゃないとは思う。思うけど、今、魔力をあげるのは、なんかものすごく抵抗がある。そんな僕を見かねたんだろう。

「エマ。旦那様はお疲れなの。魔力なんか、後にするの」

 エスリーはエマの腕を引っ張って膝の上から離そうとする。

「そうだな。緊急なら住民の魔力をもらえばよかろう」

 操舵輪を握ったままのエルダも、僕の心情を察したらしい。

「今がいいの~マオマオ様のマリョでなきゃイヤなの~」

 なのに、エマは子どもか!


 レクアの西海岸には、僕の第二作業場がある。ちなみに第一作業場は僕んの地下にあるけど家も小さいから作業場も小さい。だから小物くらいしか作れない。でも、ここは昔この船をつくった場所でもあり、それなりに広い。今、辺りには、ツバメ株竜酸菌の死体が散乱にしてる。さすがシャルネさんだ。風精霊たちの伝令も間に合って、もう退治してくれたらしい。潰れてるのはロックゴーレムやストーンゴーレムがやったんだろう。周囲では働き者の土精霊たちが怪獣の死体をかたづけてくれてる。ありがたいね。ゴーレムたちにも手伝わせよう。

 その前に僕は船から下りてシャルネさんの元に急いだ。でも、僕が話しかける前に敬礼された。

「モーリ様、元老院魔族第4位シャルネ、ご命令に従ってツバメ株竜酸菌を殲滅いたしました」

 生真面目なシャルネさんは国防軍司令官みたいな重職になっても、固く初々しいままだ。

「南に向かわせたり西に行かせたりで、本当にすみません」

「頭をおあげてださい、モーリ様。仕方ないことだと理解しておりますから」

 ってシャルネさんは言ってくれたけど。

「俺たちをなんだと思ってやがる!」

「魔王、横暴」

「さんざん走り回された挙げ句、鬼族に手柄を奪われて、その後は竜酸菌退治だよ~」

「隊長も副隊長たちも、魔王様に失礼ですよ~戦況は常に変化してるんですから~」

 ジナさんたちがやさぐれてる。僕は、それをたしなめてくれるリュイシアさんにも頭を下げた。

「あ、でも、これからがみなさんの見せ場です!みなさんがサナダグンを退治するんですから!」

 英士たちの機嫌をとる、じゃない、士気をあげるために、力一杯力説したんだけど……おかしいな。さんざん文句言ってたジナさんたちが黙りこくったぞ?

 シャルネさんまで、なんだか悲愴な顔をしてる?

「え~と、英士隊のみなさん?どうしたんでしょう?」

「モーリ様……サナダグンの本体とは、さきほど戦った、あの討滅妖精エルダ様すら捕縛する怪獣ですよね」

「ええ。さっき戦ったヤツと同類です。あの時はエマも捕まってましたけど」

「……さきほどは大型兵器の支援がありましたからなんとかなりましたけれど……」

 シャルネさんの声が沈痛だ。

「モーリ様、若い隊員だけでも任務から外すことをお許しください」

「……なんでです?」

「モーリ様の仰せとあれば、このシャルネ、どのような敵に対しても戦って死んでごらんにいれます!しかし未熟な隊員までともに死なせるわけには」

「僕がシャルネさんたちに死ねなんて言うはずないでしょう!」

 それは僕が特攻でも命じたってことか?思わず大きな声を出しちゃうくらい、心外だ!

「し、しかしここではさきほどのような防衛隊の支援もなく、わたくしたちの魔術も通用しません。まして連戦で疲労も」

 連戦については心から申し訳ないんだけど、他に信頼できる人たちがいない。

「シャルネさん、いいですか?サナダグンはもはやレクアの天敵なんかじゃなくて、むしろ楽勝……」

「体格差の大きい敵との戦いでは一瞬の集中力の欠如が死を招きます。モーリ様、もしも死して時を稼げと仰せならせめて犠牲を最小限にとどめたいのです」

「だから、あの……」

 この世界で一番最初に出会って、ずっと信頼されてたと思ってたシャルネさんに、僕は部隊ごと特攻を命じるようなひどいヤツって思われてたんだな。前世のブラックな会社だって、そこまで言わないぞ。なんかすごいショックです。

 ブラックな会社で酷使されて過労死した僕が、信頼するシャルネさんを使い潰すなんて思われてた?そう思うと、なんか足元ガラガラ。もう一回くらい死んでもいいかなって感じ。

 僕のメンタルはすごく弱い。今すぐエスリーの膝で慰められたい!全力で慰められたい!思わず船に戻りかけたくらい。いや、待て。なにかの誤解かしれない。

「……モーリ様、もしもわたくしがお邪魔になったのならそうおっしゃってください。その時はこの不肖シャルネ、潔く死んでみせます」

「……なんでそうなってるんです?僕がシャルネさんをジャマ?死んで欲しいなんて思うわけないじゃないですか」

 むしろ死なれたら、すごいショックだ。むしろ僕の方が死にそうですけど。

「だって……わたくしが留守の間に元老院を召集して、緊急動議を……モーリ様に自ら老に抜擢されたわたくしなのに、やはりお役に立てないと思われたのでは」

「役立たずな分けないでしょう?シャルネさんが最前線で指揮したから最初のサナダグンも撃退できたんじゃないですか!元老院を召集したのだってシャルネさんが前線に必要だからであって」

 なんでこんな当たり前のことがわかってもらえないんだ?いつものシャルネさんはどこにいった?誤解が解けるどころか、ますますこじれてる……。

「それに、ジナから聞きました」

「なにをです?」

 シャルネさんの表情が歪んでる。こんな顔、見たことない。見たくなかった。

「わ、わたくしに内密で、あのようなイベントを元老院に命じていたなど……」

「イベント?」

「デ、デモンズラバーコンテスト……」

 それ、僕にも無断でオーマークさんとウーシュさんが主催したヤツですけど。でも僕を見るシャルネさんが泣きそうだ。なんで?泣きたいのは僕なんだけど。

「なにやら、若い魔族の露出した胸を見せる催しもあって、モーリ様もご満足だったとか」

 ジナさんたち、なにを吹き込んだんだ?いくら非番がイベント会場の警護で潰れたからって、それは僕の指示じゃないぞ。

「どうせわたくしはもう賞味期限切れです!モーリ様には新たな出会いをお求めなのも当然のこと!ならばこれ以上お仕えするわけには参りません!」

 なんでそうなるんだ?僕はシャルネさんをこのうえなく信頼してるのに?だいたい賞味期限切れってなんだ?新たな出会いの意味が分からなすぎる!

「あの、魔王様~シャルネ司令は少々混乱しておりまして~」

 棒立ちになった僕に、取りなすように話しかけたのは、リュイシアさんだ。

「これもジナ隊長たちが例のイベントの悪態をおおげさに騒ぎすぎたせいでして~」

「俺のせいかよ!」

 そうですよって言いたい!あんな理知的で、その上真面目で初々しくて、優秀なシャルネさんがこうも取り乱すなんて吹き込みすぎ!

「真実」

「若い子の胸ガン見してたし~魔王もオスビトだったんだね~」

 魔族の精鋭、英士隊がどうやら僕に反旗を翻したのか?また下剋上なのか?まあ、僕だって無知で無力な僕なんかよりシャルネさんを押し立てたいのはわかるけど、今はまずい。まずいけど……いつも僕を信じてくれてるシャルネさんが、何度も守ってくれたジナさんたちが、今は僕を信じてくれない。僕をパワハラでセクハラ上司だって、ブラック魔王だって決めつけてる。なんかすごい傷ついた。

 わかってる。こんなことしてる場合じゃないって。でも、なんか気力が尽きた感じ。

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