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幕間2 シャルネの受難~胃世界国家レクアにおける贈答の風習にまつわる一つの物語~

幕間2 シャルネの受難~胃世界国家レクアにおける贈答の風習にまつわる一つの物語~


「あ、明日、モ、モーリ様のお屋敷にですか!?」

 鬼王の一件が片付き、ようやく事件の収拾に目安がついたある日、僕は英士隊の駐屯所に赴いた。彼女たちには本当にお世話になった。鬼王のアジトに突入した時はもちろんだけど、その後の政情不安になったレクアの治安維持……不穏鬼族の取り締まりとか動揺した魔族のつなぎとめとか人族への安心アピールとかに連日使い回してしまった。まるで僕がブラック企業の経営者になった気分だ。

「お屋敷なんてイヤだなあ。シャルネさん、以前にも来て、僕んチが普通の家だって知ってるじゃないですか。だから特別なお構いもできないんですけど、大事なお話がありまして」

「だ、だいじなおはなし!」

 仮にも僕が魔王になったせいだろうか?奇妙なくらいに緊張してるシャルネさんだ。そしてその背後にいる、英士の魔族っ子たち。

「隊長!これって、アレですよ!」

「チャンスですぅ!」

「ラストチャンスかも!」

「逃がしちゃいけません!」

「頑張ってください!」

「わたしたち応援してます!」

 ……なにを応援するんだろう?そんなに僕の家に来るのって危険なことなんだろうか?歴代魔王にそういう故事でもあったんだろうか?まさか、自宅に招いて暗殺するとか?「走兎死して狡狗煮らる」って?いやいや、漢の高祖とかじゃあるまいし、シャルネさんみたいに忠義に厚く優秀な人材の芽を摘めるほど僕の治世は盤石じゃありませんよ。

「あ~英士隊の皆さんにはささやかですけど、これを」

「は、はい!全員、整列!」

 一瞬で並んだ英士隊は、さすがは軍人さんの鏡だね。

 僕は柄に宝玉を飾ったオリハルコン製の短剣を、一人一人に手渡していった。

「先日渡した部隊の支給品ではなく、あなた方個人へ、僕のささやかなお礼です。あと、明日から交代で休日をとってください」

 過重な労働をさせてしまった、お礼というよりお詫びに近い。

「このような貴重な品を下賜していただくなど!しかも休日なんて、このレクアの現状では到底いただくわけには参りません!」

 固いっていうか、生真面目っていうか、さすがはシャルネさん。ブラックに染まりすぎだけど。

「大丈夫です。明日から数日の間、エルダさんとエムリアさんが」

 なんでもしばらく鬼王の元で封印みたいな扱いだったせいか肩慣らししたいんだって。ウサばらしじゃないかって不安に思ったけど、まあ、受けることにした。

「……国妖精様と街妖精様がそう仰せであれば、我らの出番なぞないのでしょうけれど」

「なに言ってるんです。あなた方はあなた方にしかできない任務を連日連夜にわたり成し遂げたんですよ」

 強力すぎてうかつに戦ったら国を滅ぼしかねないエルダさんに、怪獣退治をライブ配信するエムリアさんだ。あんな子たちに治安維持なんてデリケートな仕事が勤まるわけがない。だから政情が安定するまでは英士隊を働かせっぱなしだったわけで、だからせめて手当と休日で報いるべきだ。

 そんなこんなの僕の説得で、ようやくシャルネさんにも短剣を押しつけることができた。「あ、ですがシャルネさんには、もう一つお渡ししたいものがあるんですけど、それは明日、僕の話の後でお渡ししますね」

 カラン、カラン……渡した短剣が床に転がった?あれれ?シャルネさんがさっき以上に真っ赤になってるけど?

「きゃあー」

「もう間違いないわ」

「隊長~おしわせに~」

 なんて黄色い声に隠れて

「……モーリの野郎、いつの間に……」

「ジナ?」

「大丈夫だよ~魔王なら一人や二人くらいいたっていいじゃない」

 少々不穏な声まで聞こえるけど。なんの相談だろ?

 魔族っ子の盛り上がりは意味不明だ。それでなくても十代半ばから後半の子が多い英士隊は、前世で言えば女子中高生の集まりに似てる。普段はキビキビした軍人さんたちなのに隊長のシャルネさんがちょっとスキをみせちゃうと、すぐこうなる。僕、こういうの、昔から苦手なんだよね。しかもジナさんたちに至っては周りとの温度差がすごい。あ~彼女たちは僕の警護役だったから、贈り物は他の子と少し差別化した方がよかったかなあ?贈答品って難しいね。そういう専門の書物妖精でも召喚して勉強しなきゃ。


「エスリー、どうしたんだい、さっきからむくれて?」

 いつもなら一仕事終える度に僕に甘えるように魔力供給ハグをせがむのに。鬼王との一件があってからはその頻度はマシマシで、まるで経年劣化したバッテリーを抱えたロボット掃除機が少し動いては給電スポットに直行するみたいだ。かわいいから許すけど。

「……旦那様とエスリーの、甘い蜜でできた愛の巣に侵入者が来るの」

「あー明日シャルネさんを呼んだこと?だって、ここ以外に内密の話ができる場所、僕知らないし、まさか僕がシャルネさんの家に行くのもも迷惑だろうし」

「ぷん、なの」

 困ったな。エスリーは僕を守護しお世話してくれる家妖精で、メイド服姿の少女なんだけど、英士の魔族っ子たちよりさらに幼い。いや、実年齢なら相当なんだけど。

「ぷんぷんなの」

 焼きモチ焼きだ。それもかなりの。僕を縁日で買ったひよこか、タマ○ッチを育ててる、ひたすら過保護で過干渉の母親役みたいだ。

「旦那様がエスリーとの愛の巣に他の女を連れ込むの。裏切りなの」

 念のために言っておくけど、僕たちはそういう関係じゃない。そもそも僕には少女趣味も妖精趣味もない!ないったらない!

「だから今日は一緒に寝てあげないの」

「ええ!?」

 でもそれは困る!だって僕はエスリーと一緒じゃないと悪霊が怖くて眠れない!

「あと、今日は月に二回のお耳掃除の日だったけど、してあげないの」

「そんなぁ~!」

 エスリーの膝枕で耳かきしてもらう、あの至福のひとときが失われる?ようやくできた屋上露天風呂を除けば、この暗くて臭くて窮屈な3K世界での唯一の癒やしなのに!もう膝から崩れ落ちる僕を誰が責められようか!(いや、誰もいない!)

「もうお休みのキスもおはようのキスもしてあげないの」

「ごめん!僕が悪かった!だから許して!」

 もう、土下座して許しを請うしかない僕です。僕が魔王とか彼女の主とか、別に浮気してる訳でもなんでもないとか、それはこの際関係ありません。

「ねえ、エスリー!機嫌直してよ~何でも言うこと聞くからさあ」

 できることがほとんどない僕の「なんでも」だけど。

「ふう、なの。旦那様はおズルいの。だからこれで許してあげるの」

「…………いつにもまして近くない?」

「これでいいの。旦那様の魔力は全身からいただくのが一番おいしいの」

 古風な椅子に腰掛けた僕の、膝に乗って向かい合わせでだきつくエスリー。抵抗する気はもう僕には全然ない。すっかり飼い慣らされた?うん、自覚はある。


「しししし、しっつれいいたします!」

 で、次の日の約束の時間。

「失礼なら帰っていいの」

「エスリー!」

 玄関の前で力一杯緊張してるシャルネさんに、塩辛対応の家妖精だ。客室メイドなら失格モノだね。

「シャルネさん、いらっしゃい。どうぞ、入ってください、格別のおもてなしもできませんけど」

「エスリーは忙しいの。暇な客人の相手なんかしないの」

「あーもう、いいから。普段通り家事でもしておくれ」

「まさか旦那様。エスリーを追い払って、その後、お客と」

「変なことなんかしないって。大事な話があるだけだってば!」

 過去140年以上にわたって12人の魔王に使えてきたエスリーだけど、今までの魔王さんが全員女性かつみなさん優秀で強かったわけで、僕みたいに弱くて危なっかしい主には大いに過保護になってしまった。それを思えば彼女の過干渉も怒ったりはできないし、できるだけ安心させてあげたいんだけど……まあ、エスリーが管理する家の中で、彼女に内緒の話なんてできるわけもないか。

「すみません。エスリーがなんだか機嫌悪くて」

「いえ!魔王様にお仕えする守護妖精様ですから、わたくしなどにはおかまいなく!」

 なんで直立不動なんです?それに、その妖精様が使える魔王が僕なんですけどね。


「どうぞ」

「……これは白湯ではありませんね。それにこの器……なんと精妙な」

 狭い客間の卓上に置いた、ガラスの器。そこに入った琥珀色の液体が湯気を上げる。ちなみにお湯はエスリーが働かないから僕が自分の精霊に淹れてもらった。

「茶の実です」

 僕はお湯にプカプカ浮かんだ茶色い物体を指さした。

「茶?」

「まあ、僕がそう呼んでるだけなんですけどね。グラスは僕の手製の品です」

 資源調査で見つけた木の実の一つで、乾燥した実をお湯に淹れると、前世のお茶に似た風味になる。ガラスの器は僕の手製で自慢の逸品だ。

「慣れないと少しだけ苦みと渋みを感じるかもしれませんので、これはお好みで」

 小さな陶器に入った蜂蜜を添える。調査で発見した島の一つに生息する単眼の蜂が集めたものだ。調査で発見した生物や資源の、その一つ。

「資源調査ですね。モーリ様自ら出むかれたのに、同行したジナたちからゆっくりと報告を聞く間もなく、すみません」

「いいえ。なにしろ帰ったらもう下剋上されてたから報告もなにも」

 廃嫡されたとはいえ元王太子が起こした反乱を下剋上と言うべきかどうか悩むところだけど、細かいことはそのうちレクアの学者さんたちが勝手に指摘してくれるだろう。

 渋みが気になったのか、やはり女性は甘い物に目がないのか。シャルネさんは茶湯を一口すすり、その後遠慮がちに、でも小分けに蜂蜜を入れ始めた。で、満足げに息をつく。

「……おいしいです。それに、この器は美しいですね」

「ボヘミアン風のカットをいれてみたんです」

「ぼへ?」

 そこで切っちゃうとちょっとオマヌケっていうか、生真面目な美人さんに似つかわしくないかわいさが出てしまう。シャルネさん、いいなあ。魔族の中では見た目と実年齢が変わらない若手なのに、英士隊の隊長さん。まさに才色兼備。

「江戸切子風にカットしたヤツもありますけど、ここに出入りしてくれる御用聞きの人にはこっちの方がレクアじゃ受けそうだって」

 やや鋭角的な切り子より丸みを帯びたボヘミアン風の方がレクアの好みに合うらしい。

「なるほど?……手になじむ感じがわたくしには好ましく思います」

 シャルネさんはグラスをなでながら目を細くする。まあ、背筋は伸びたままなんだけど。

「よろしければお持ち帰りになってください。お茶の実と蜂蜜も」

「いえ、このような贅沢な品をいただくわけには……」

「いいんですよ、後で感想とか聞かせてくれれば。近い将来、レクアに広めるに当たって市場調査の一環になりますし」

「しじょう、ですか?……モーリ様のお言葉は無学なわたくしには難しいです」

 別に彼女が無学な訳じゃない。この閉鎖された世界で、商業が発達しなかったのは当たり前だ。

「そ、それに……」

「それに?」

 なんだか、また力が入ってきたな。昨日から随分緊張してるなあ。あ?あれか?

「言っときますけど」

「はい!」

 ここでなんの食いつき?

「……健康に害はないことはオネエサンにも確認してもらいましたから安心してください」

 まさかシャルネさんが僕に毒殺される心配をしてるとも思わないけど、僕はここでの歴史やら習慣に疎い。どういう誤解を持たれるかは配慮しておかないといけないよね。

「モーリ様のくだされるものにそのような心配なぞ、しておりません!」

 だけど反応が固いままだ。あーなんか話す度に誤解が増えてく気がする。

「ただ、そのう……今日は重大なお話があって、その後、わたくしになにかくださるとか……」

 そっちか。そうだよね、

「あ、でもこれは無心しているとかでなく!」

 せっかく家に招いておいて、試供品だけ渡して、はい終わりじゃああんまりだよ。さすがに僕もそこまでバカでもなければ無配慮でもないぞ。

「そうでした。あまりお待たせしてもいけません。では早速」

「は、はい!」

 ……今日一番の気合いだな?なんなんだろう?


「実はシャルネさんに、これを受け取ってほしいんです」

 僕は用意した小箱を卓上にそっと置く。箱は5センチ四方もないけど、最近覚えた、色合いを抑えた製法のオリハルコン製で、しかもシャルネさんに似合いそうな青い塗料を重ねて、それに贈り物だから白いリボンで結んでみた。見かけからして清楚で上品でどこか凜として、シャルネさんにピッタリだ。

 カタカタカタカタ……?なんだろ?音が気になって見回すと、シャルネさんが震えてる?え?僕、なにかやらかしてる?

 まさかこの箱の贈り方って、アレなのか?魏の曹操が家臣に空の菓子箱を贈って自死を促したっていう故事に近いのか?僕、やらかした?

「シャルネさん、これは別に……」

「こ、これをわたくしめに!?」

 ヤバイ。シャルネさんの目が怖い。なんか泣きそうになってるし、絶対誤解されてるね。

「あのですね、まず話を聞いてもらいますか?」

「いいえ!話など聞かなくとも、わたくしの気持ちは決まっております!」

 シャルネさんは、つり上がった目で半ば強引に僕の前から箱を奪う。

「いや、これはそういうんじゃないんです!ちゃんと説明させてください!」

「いいえ、モーリ様のくださるものであれば、いかなるモノでもわたくしの家宝です!」

 大きく震える指でリボンをほどこうと苦戦するシャルネさんをどうやって落ち着かせるか、僕はしばらく悩みまくった。あ-でも、こういうのにリボンは違ったかな。もっとワンタッチで開く細工をするべきだったか。レクアでは紐を結ぶ習慣は前世の母国ほどには浸透してない。

「えーとですねー」

「しばしお待ちください!」

「ほどくのが大変なら切っちゃっても」

「いけません!このような大切な品を、しかも切るなど、縁起の悪いことはできません!」

 縁を切るってヤツか。そういうところは前世の母国と似てるんだよな。

「大切な品になるかどうかはシャルネさんの返事次第ですし、イヤならムリに受け取らなくても」

「いいえ!このシャルネが、モーリ様の仰せに否と答えることなぞ決してありませぬ!」

 シャルネさん、顔真っ赤……。彼女、どういう覚悟してるんだろ?異世界の軍人さんの死生観は難しいね。その後、シャルネさんの猛攻撃にリボンはついに屈し、その優雅な姿を宙にひらひら~ってひらめかせた。そして、またも大きく震えだしたシャルネさん。

「あの……大丈夫ですか?」

「はい!このシャルネ、万全の準備ができております!覚悟に不足はございません!」

 だめだこりゃ。僕は昭和特撮泣かせの、土曜夜の伝説の裏番組を思い出した。


 ばかっ!半ば投げ槍になった僕を置いてぼりに、シャルネさんはものすごい力で小箱を開けた!その勢いに、オリハルコンでつくっておいてよかったって思ったのは内緒だ。

「…………」

 あ、なんか白い。シャルネさんが急速に白くなって煙があがっていくみたいだ。ふう、ようやく僕が贈ったものが毒でも自死を暗喩するものでもないってわかってくれたみたいだ。

「シャルネさん。それを見ていただければおわりかと思いますけど、僕はあなたを元老の一員に任命したいんです」

 箱の中身は元老院の証、レクアの紋章を少しアレンジした小さな徽章だ。元老院9席の中に魔族は4席を占めているけど、明らかに僕を支持してくれたウーシュさんやオーマークさんを除けば、あの幼女元老と存在感なし元老しか思い出せない。さらには鬼族の背信もあり元老院のメンバーを一新するちょうどいい機会だ。

「ですから、この度の乱で英士を率い戦勲著しく、かつ僕が一番信頼できるシャルネさんを元老に任命したいって考えました。シャルネさんはお母さんも元老だったそうですし、おばあさんは8代魔王のアルビエラ母さんです。血筋の面からも何の問題もないと……シャルネさん?」

 なんか僕が話す度、ますますシャルネさんが白く、いや、透明になっていく……。やっぱり贈り物って鬼門だ。レクアにおける有職故実をもっと調べないと、いろいろ誤解させちゃうね。善意の贈り物が原因で反乱でも起きたらたまらない。

「ハハハハハ……このシャルネ……モーリ様の仰せに否と唱えることはございません……ハハハハ~」

 うつろに笑うシャルネさんが返答してくれるまで、けっこうな時間がかった。

 なんか、いろいろすみません。


 ちなみに。

「英士隊の新隊長はジナに任せたいと思います」

「ジナさんですか?」

 人事面は任せるつもりだったけど、ジナさんか~。十代後半の、僕には少しあたりがキツイジナさんは、部隊じゃ中堅って思ってたけど。

「経験不足は、リュイシアがなんとかしてくれるでしょう。わたくしもそうでしたし、ジナはもともと金魔族で素質も高く、さらにはモーリ様の警護を通して見聞を広めました」

 副隊長にクラシアさんとシアラさん。あと、人員を拡充する方向で話を進める。

 すっかり自分を取り戻したシャルネさんに、僕は改めて説明をした。今回、シャルネさんを元老に栄転させるにあたって、彼女には魔族の英士隊、鬼族の雄士隊、人族の防衛隊の指揮権を全て預けたいって。つまりレクア防衛の司令官だ。あと、治安任務なんかも。

「それは大任です。わたくしなぞで務まるかどうか」

「シャルネさんしかいないんです。この国の防衛体制を効率的なものに組み直して、かつ僕が信頼できる最高の人物ですから」

「ぐっ」

 この後、シャルネさんの表情がめまぐるしく変わる。更にはお行儀よく膝の上に置かれてた拳がワナワナって開いたり閉じたり。でも、最終的にはまた透明になって。

「……非才なこの身ではありますが、モーリ様のご信頼に応えてみせます!」

 なんか泣き笑いのシャルネさん。今日は感情の振れ幅が大きすぎて心配だな。結局最後まで拳を、特に左拳を閉じたり開いたりしてた。

「それって精神集中とかのルーティンですか?」

「……ハハハハハハハハハハハハハハ…………ハハ」

 シャルネさんは虚ろな笑いに戻ってしまった。

 帰り際、なんだか寂しそうに自分の手を見てるのは、結局なんの誤解だったんだろう?早速、レクアにおける贈答の風習や故事を勉強しなきゃいけないね。

「旦那様……アレはさすがにひどいの。エスリーのエスはシンパシーのエスなの」

 って言われちゃったし。

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