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湯船の香り

作者: ヤマン

この作品は、知識が無いボク個人の主観で捉え、考えて書きました。

おかしい点があっても、そのまま暖かく楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。

『ぷはあぁ~』

2畳位の風呂場

体を洗い終わり湯船の両端に両肩を掛ける。

何を思ったか、鼻をつまみ、空気を思い切り吸い湯船に息を沈める。

ブクブク...

目をゆっくり開け自分に浸っていく...

あれは、入道雲がキャンパスに描いた様にキレイで、額に汗がにじみ出る暑い真夏。

小学生だった僕はいつも友達と遊ぶことが大好きな少年だった。

夏休み真っ最中、朝早く起き学校でプールがある為、学校から買った青の袋に母がプール用具をキレイにたたみ、入れてくれる姿が見える。

寝起きさっぱりな僕は、すでに用意されている朝食を済ませ、最近できるようになった自分自身の着替えをダラダラ行いながら今日友達とプールで何しようか考えていた。

台所近くから外へ出られる所で靴を履き、プール用具を肩に掛け、

『よしっ』行こうと歩き出した瞬間、後ろから『待って』と母の声がする。

クルッと母の方へ顔を向け、肩に手を掛けられ『気をつけていってらっしゃい』と心配そうな顔で言われた。

『うん』と返事を返しトコトコ学校へ行く。

途中、忘れ物が無いか心配に思い、せっかく綺麗に入れてあるプール用具をグチャグチャにし、確認した。

母が物忘れを今までしたことは無い。なので、大丈夫と自分に言い聞かせて、

まあ、いっかとそっちのけで楽しい事ばかり考えていた。

学校のプール場隣の体育館に着き、男子は壇上で着替えをする為、大きいカーテン脇にある階段を二段飛びで素早く上がり、降ろされているカーテンをバッとまくり『おはようっ』と元気よく友達に挨拶する。

いつの間にか、時間に余裕を持ってきたはずが、もう友達が着替えを終わらせようとしていた。

ヤバい、そう思い袋の中身を乱雑に全て出しとっとと着替えた。

プールへ繋がる体育館の通路の前に何列か整列して待っている。

その中の、親しい友達がいる列の最後尾に並ぶ。

先生が、『まず、プールカード持ってる人は最初に集めまーす』『無い人は、入れませんからねー』そう言っている。

『あっ』

先生に、『袋見に行っていいですか?』と言い戻って確認した。

だが、いくら見てもどこにも無い。

『あーあ』

ここまで来て、やるせない気持ちに追い込まれた僕は、全てが嫌になった。

先生に事情を話し、すぐ着替えてプール袋を肩に担ぎ、背中をダンゴムシのように丸くし、体育館を出ていった。

出てすぐ号泣した。

母の悪い所ばかりを口にしてボソボソ言いながら家に帰った。

ブクブク...

そんな思い出もあったな。


人生山あり谷ありといいますが、僕は楽しい、嬉しいことが人生の一番を締めていると思います。



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