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たべものがたり  作者: 有桜 彩生
2/10

初めての戦い(2)

※残虐な描写あり

 ↑海老を剝くので念のため…

 伊勢海老というものは

 テレビCMの中納言でばしゃっ!と尻尾をはねる程度しか見たことがない。


 それが目の前にいる。


 まず車エビ同様頭を落とす…おと…

 つなぎ目が硬くて包丁が入らない。

 更に伊勢海老が抵抗する力が半端ない。


 このままでは私の手がやばい(包丁で切りそう)


 包丁を一度洗って収納し、引き出しから調理ばさみを取り出す。


 布巾で尻尾を抑えつけてつなぎ目にはさみを刺す。

 ガンっと衝撃があったあとその下の少し柔らかいものの感触が伝わってきた。


 刺した

 刺した

 刺した


 頭の中にはそれしか浮かんでいなかった。


 時間にして数秒だったと思うけれど達成感とかそういうものではなく

『刺した』

 という事実だけが残音のように頭に張り付いていた。


 現実に戻ったのは刺した伊勢海老の尻尾攻撃だった。


 ああそうだ。まだ始まったばかりだ。

 この堅い殻を全部むしり取るまでは終わってはいけない。


 刺したままだったはさみを抜き取り、今度は切りやすいようにつなぎ目にはさみを入れる。


 チョキ(バン)チョキ(ガン)チョキ(タン)チョキ…


 伊勢海老は苦痛なのか足や尻尾をまな板にぶつけているけれど、無心で切る。

 早く終わらせたい。

 それしか思いつかなかった。


 はさみが一周した。

 布巾を頭と尻尾に置きそっと力をいれて二つに折る。


 白い身がちぎれるのが見えた。

昔の記憶を掘り起こしながらなので時間がかかりました。

平成初期なのでつべどころかWEBサイトすらまともにありませんでした。

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