未確認生物は最先端と踊る
なんかながくなった・・・
仕事の関係もあり、更新間隔が空きます。申し訳ないです・・・
幾つか持っている《瞬影》の名前が付くスキル、実は僕のスタイルと一番噛み合っている。攻撃性スキルではないけれど、狩りに出るなら必須的なアレだ。どれか一つ起動しておけば高レベルモンスターでもサクサクと狩れるし、危ない場面も滅多に無い。時折相性ジャンケンに負けるけど、そこは目をつぶろう。
そもそもこのマイワールド、所謂レベル制ではなく完全にスキル制ゲームだ。レベルアップでステータス増なんかはあるけれど、何よりスキルの組み合わせが物を言う。例を挙げるなら、僕の《気配探知》と《投擲術》だ。
投擲武器は《投擲の極意》でほぼ確実に当たるし、大体クリティカルが発生する。《気配探知》で正確な位置と距離が測れるから、目を瞑っていても投げれば当たる。そこで初めてステータス差が関与する訳で、力押しで片付くのは余程レベル差があるか初見殺しのスキルを持っている相手位しかいない。このゲームでは見た事が無いけれど、遠距離攻撃無効とか完全反射とかが該当するかな?
相当ステータスに差があったとしても、スキル次第では逆転する事だって出来る。今のプレイヤー最大レベルは60で、確認されているモンスターの最高レベルは110だ。ほぼ2倍というレベル差があるけれど、絶対勝てないというモンスターではない。ステータスで決まるっていうなら、プレイヤーはいつまで経っても最高レベルモンスターは倒せない事になるんだから。
「どんなに硬い鎧でも隙はある、ってね」
全身フルプレート?関節まで覆ってたらカカシじゃない?剣を刺し込む隙間さえあれば、僕のスキルが通用する。そう、やっと習得し始めたマスターアサシン専用スキルが。
今、カインの注意は完全に分身体の方に移っている。実は霞月の起動と同時に、本体である僕は《隠形》と《ブラボーズ》で姿を隠していた。多分だけれど、分身の中に本体がいると思い込んでいるはずだ。
「《アナイアレートポイズン》、重ねて《テンダースラスト》!」
後はスニーキングして近付き、短剣で突くだけの簡単なお仕事です。但しアサシンに限る。未経験者歓迎、ってね!鎧の隙間に、短剣が入り込んだ感触がする。同時に、肉を突くような感触がした。いやほら、ブロック肉とかそういうのの。
《ブラボーズ》
・姿を透明化させる。発動中は30秒毎にMPが1減少。MPが0になるか任意で解除。
・透明化中は他のスキルは使用不可、移動速度が30%減少する。
・スキル解除後、1秒間スキル使用不可。
《アナイアレートポイズン》
・1分間、武器に『猛毒』属性を付与する。時間経過若しくは武器変更で解除。
・与えた『猛毒』状態は5分で解除、若しくは蓄積判定。最大3回蓄積。
・蓄積した『猛毒』は回数分継続ダメージが増加。蓄積分は5分で一段階低下。
・『猛毒』状態が解除されるまでに追加して与えた場合、蓄積判定の確率が上昇。最大50%まで。
《テンダースラスト》
・使用者が敵意を向けられていない場合、クリティカルヒット判定が向上。
・クリティカルヒット時に200%の追加ダメージ。
《テンダースラスト》の追加ダメージは、命中時とは別判定になる。つまり、猛毒判定も二回稼げるというわけで。おまけで猛毒時は防御力が低下するという、マスクデータ───隠し効果───がある。攻略サイトには記載が無かったけれど、モンスター五十匹で検証したから間違いない。実験台のご冥福をお祈りします。いや、データの海に還っただけなんだけど。
「馬鹿な、何故・・・?」
「厚い装甲でも死角は存在する、ってね。こいつはおまけ、遠慮せずどうぞ!」
《ディフェクトスライス》を起動、《テンダースラスト》のクリティカル発生時のみに使えるスキルで、高倍率スキルだったりもする。いや、最大三百倍とか頭おかしいって。
「くっ、だがまだ・・・!」
大剣が枝分かれして宙を舞い、雨のように降り注ぐ。あー、なんだっけ、何処かで見た覚えがある。って、考えてる場合じゃない!
《イナーシャルムーブ》、《ドリフトステップ》を連続使用。どっちも機動力関連のスキルで、適当に走り回ったら生えていたスキルだ。多分飛んだり跳ねたり、急に方向転換したりを繰り返せば誰でも取れるんだろう。・・・そんな事する奴自体が希少?それは言わないお約束だよ。
通り抜けた後に、剣の森が出来た。走り抜けた通りに夥しい数の剣が刺さっていて、もし命中してたら跡形もなくなっていただろうと思う。まあ、当たらなければどうということもないけど。