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激闘の後

僕がライダーを倒した後は戦局は一気に傾いた。ミトとエリーゼが連携してもう1匹のライダーを撃破し、全員で残りのゴブリンを掃討した。


しかし全員がかつてない苦戦でかなり消耗していた。

魔石を拾ってすぐに森外まで移動した。




<<経験値を獲得しました。シリウスのレベルがレベル3からレベル5に上がりました>>


<<指揮官レベル5に上がりました>>

<<神官レベル4に上がりました>>

<<修行僧レベル1を獲得しました>>


<<思考加速レベル4に上がりました>>

<<マップレベル5に上がりました>>

<<鑑定レベル5に上がりました>>

<<治癒魔法レベル4に上がりました>>

<<並列思考レベル1を獲得しました>>

<<アイテムBOXレベル1を獲得しました>>



移動中に聞こえていたレベルアップの内容を確認するために全員がステータスを開いている。


やっぱり格上との戦闘は経験値が稼げるんだなぁ。しかも2匹同時だったし。

皆と同じように期待しながらステータスを開いた。



シリウス

レベル3→5

HP :19/19 →41/41

MP :23/23 →52/52

筋力 :8 →21

耐久 :9 →25

敏捷 :10 →41

器用 :15 →51


職業 :神官レベル4、指揮官レベル5、修行僧レベル1


スキル:治癒魔法レベル4、状態異常回復魔法レベル3、マップレベル5、鑑定レベル5、思考加速レベル4、並列思考レベル1、アイテムBOXレベル1



うぉっっ!!

なんじゃこりゃ!


ステータスが軒並み爆上がり。

倍どころじゃないなこりゃ。


とは言いつつも実はちょっと期待していた。


レベルが1つ上がるごとのステータスアップには差があるらしい。

具体的に言うと5、10、15など5の倍数でレベルアップの時に格段に上がる。

今回はレベル5なので最初の大きな階段だったのだ。


ゴブリンの森の卒業目安がレベル5なのもこれに由来する。

レベル5になり最初の大幅ステータスアップを経験することで、初めて「駆け出し冒険者」から「駆け出し」がとれて「冒険者」を名乗ることが出来る。



僕はステータスを見てニマニマしていた。

多分気持ち悪かったろうが、皆も自身のステータスに食い入るように集中しているから見られてないだろう。



あれ?指揮官の項目が点滅している。

なんだこれ、と思ってタップしてみた。


<<職業:指揮官レベル5

パーティー最大30人に対しての指揮権。指揮下パーティーのステータス向上。パーティーの獲得経験値増加>>



な……なんだと?

経験値獲得増加?

しかもパーティー全体に?


まじで?

つまりレベルアップが速くなるってこと?


いいよっしゃぁぁぁあーーーー!

成長促進キターーーーー!


これでガンガンレベルアップできる!!

将来的にはチート出来るかも!


僕は歓喜で心の中でガッツポーズをした。




各々のステータスを確認して、森からギルドに向かって歩いていた。

どうやら全員がレベル5まで上がったらしい。

ステータスの内容は本人にしか見えないため、明日の朝に集まって各々のステータスを整理することにした。今後の冒険の方針もそこで決める。




「アタシ達すごくない?すごくない?普通は2週間かかるんでしょ?それを2日だよ?」

「ライダーを倒したのが良かったんだろうな。格上でしかも2匹同時だ」

「…あの…でも…危なかったです。死ぬかも思いました」

「ええ。本当に。全員生きているのは奇跡ですね」


皆が盛り上がっている中、シルビアだけ何も言わない。こちらをチラチラと見ては目を逸らしている。


「シルビア、どうかしましたか?まだ傷が痛みますか?」

「ふぇぇっ?いえ、なんでもないわ。傷も平気よ」


そう言ってぷいと顔を逸らしてします。

顔が真っ赤なのは夕陽のせいだろうか。



僕は今日の戦いを振り返る。

本当にギリギリの死闘だった。

なにか一つでも歯車が狂えば誰かが死んでいてもおかしくなかった。

レベルは上がっても油断はできない。

一層気を引き締めないと!


僕は勇者を導く者になるんだ。

常に冷静でいて、仲間を勝たせる指揮官。

そうならなければいけない。


もっとレベルを上げて、強くなって、指揮官としての経験を積もう。


勇者はどこにいるのか分からない。

ひょっとしたらこのパーティーにいるかもしれない。

まだ出会っていないかもしれない。


だけど、いつか魔王と戦うその時に、せめて少しでも勇者を導けるように。これから頑張ろう。


シリウスは心の中でそう決意した。


------------


シルビアは慌てていた。

大丈夫かしら。

変だと思われてないかしら。

恥ずかしくてシリウスを直視出来ない。


(あの時、ダメージを受けて、治癒してもらった。そして抱きしめられた。手を握った。

その後のシリウスといったらーーー)


普段からは考えられないほどの速度。

格上の魔物の攻撃を躱す、神官とは思えない体捌き。

そして絶妙のタイミングでの攻撃の指示と機転。


素晴らしかった!格好良かった!

所々の荒い口調も普段とのギャップのせいか、心惹かれるものがあった。


(ち、違うわ!これはそういうのじゃなくて!

戦いで助けられたのだから感謝するのは当たり前よ!

そう!これは仲間への友情!友情なのよ!)


そのように自分に言い聞かせて頭を振る。

顔の火照りは消えなかった。


(何を考えているのかしら。

私にはそんな余裕は無いというのに……)


先程見た自身のステータスを開く。

こればっかりはシリウスにも見せられない。



------------


カデットは満足していた。

先程の戦いにだ。

自分はライダーと直接戦えなかったが、それでも死者0で乗り切った。

このパーティーは優秀だ!きっとすぐに上まで行ける!


(俺はもっと強くならなきゃならねぇ。この世界のために。そして俺自身のためにも)


カデットは自身のステータスをもう一度見る。



------------


エリーゼは安心していた。全員が生きて帰れることに。

先程の戦いは本当に危なかった。

神官のシリウスに戦わせるなど今後あってはならない。治癒役はパーティーの生命線だ。


(私がもっと強ければ、そんなことにはならなかったんだろうな)


エリーゼの視線は下を向く。私が強ければシリウスは私に1人でライダーを倒せと、命令してくれただろう。そうならなかったのは自分が弱いからだ。自分の無力が情けない。

このパーティーは私を受け入れてくれた。シリウスは私を助けてくれた。

その恩に報いるためにも!


(きっといつかみんなを助けることができるように。強くなろう)


そうきっといつか。

このスキルに見合う自分になるために。

そう決意してエリーゼは自身のステータスを見た。



------------


ミトはご機嫌だった。

今日の戦いは心踊った!

強敵とのギリギリの死闘。それに勝利する喜び!

それに勝るものはない!あるはずかない!

戦いこそがアマゾネスの喜びであった。


(これからももっと戦おう!戦って戦って戦って!そしていつか死のう)


ミトは満面の笑みを浮かべて夜に染まりつつある空を見上げる。

それは無垢な子供のようだった。


(アタシはそういう運命にいる。戦いこそがアタシの人生。最高の人生だ。だってきっと女神様もそれを望んでいるから、この能力をアタシに授けたんでしょう)


ミトは自身のステータスを開く。



----------------



シルビア、カデット、エリーゼ、ミト

シリウス以外のパーティー全員のステータスに共通するスキルがあった。


それは戦いを世界に宿命づけられた者がもつスキル。

限られた者しか与えられない天賦のスキル。



<<特殊スキル:勇者の卵>>




シリウス以外の全員が勇者になる資格を持っていた。

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