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冒険スタート


何やら機嫌の悪いアキラいわく、ふわふわした狐のようなものはキュウビという非常に珍しい魔物らしい。

どう見ても4尾だろと思ってシビと読んでみた。名前はあった方がいい。

屈んだ私のまわりをクルリと回ったあと、膝の上に前足をおいて、見ていてくれとばかりにとんとんと膝を叩いたかと思ったら、ボン、という音をたてて小さくなった。

膝の上にちょこんとのったシビを見ると尻尾が1本になっている。なるほど尻尾の数で大きさが変わるのか。

そうなるとシビで良かったのかとの疑問が出てくるが、一応シビ、と呼ぶと今度は私の肩に登って頬に擦り寄ってきたのでシビで良い、との事だろう。

それにしても賢い。あの大きさのままだとこれから私達が向かう街に一緒に行くことがお互いに危険であることを察して小さくなってくれたのだろう。私達に自分の能力を見せて褒められたかったのもあるだろうけど。

よしよしとシビと戯れていたら、今度はシビの変化に驚いていたアキラが、おい、オレも勇者のパーティに加わるぞ!と声を上げた。

パーティ?とサーシャを見たら頷いたので、恐らく一緒に行くぞ!という事かな?と解釈して立ち上がり、アキラに手を差し出す。


「よろしく、アキラ。」


「お、おう。」


サーシャもよろしく、お願いします。と挨拶していたのでこれで良いのだろう。こちらの世界の味方は早く多く作った方がいいみたいだし。

そんなこんなでアキラの案内の元、特に何事もなく近くの街に辿り着き、持ってきた物を道具屋で少し換金して宿代を作り、宿をとるため宿屋に。


「サーシャ、話があるから2人部屋でいい?」


「もちろん。」


「アキラはどうする?」


「え?…え?いや、さすがに女と同室は…」


「違うわよ、宿代!私達まだ余裕ある訳じゃないからあなたの分まで払えないけど、ここに泊まる?ってこと。」


「あ、ああ、なるほど。まあ、そうだよな、サーシャ達がここに泊まるならオレもここに泊まるよ。」


「わかった、ならシビをよろしくね。」


「は!?」


何故だ!という顔をしたのはアキラのみではなく、シビもだったが、こっそりと、アキラの事見張っててね、と伝えたら任せろ、と耳をたてた後、アキラの肩に飛び乗り、頬に擦り寄っていた。本当は昔自分を殺したモンスターと寝るのは辛いかもとサーシャを気にしたからだけど、言葉も正確に理解出来るんだなとまた感心してしまった。

愛嬌を振りまかれてるアキラは、まあ、お前がオレと一緒がいいなら…と既に絆されていた。彼も正直単純で扱い易いし、それを見抜いたシビやはり賢い。

昼食をとった後、もう少し街を見てくる、と言ったアキラとちゃんと使命は果たすとばかりにこちらを見たシビを見送り、サーシャと2人部屋に入って、一応部屋に防音の魔法をかけて、部屋の木の机をはさんだ椅子に向き合って座った。


「今のは…?」


「一応、防音をしておいたわ。」


「すごい…そんなことも出来るんだ。」


「まあ、難しい魔法ではないかな。とりあえずこの世界にお互い無事に来れておめでとう。ここに来る途中でいくつか試したけど、私も問題なく魔法を使えたわ。」


「え?」


向こうで使えたものがこちらでも問題なく使えるか一応こっそり試していたのだ。私の使える中で1番難しいのは時間を操作するタイプの魔法なので、街が近いとアキラに聞いたあと、時の流れを遅くしたり早くしたりしてみた。これは試すだけで少し疲れるから早々と宿をとらせて貰ったのだ。しかし、その魔法を使うとどうやら魔物も寄ってこないらしい事をサーシャに共有しておいた。


「さっき道具屋を見て気づいたんだけど、魔物の爪とか皮とか色々売れそうだし、いざと言う時以外使わない方が良さそうね。」


幸い、仲間になってくれたアキラは狩人だというし、その辺任せられるだろう。

サーシャの目がカレン!すごいわ!と伝えてきてるので、その視線嫌いじゃないと微笑んで本題にうつることにした。


「魔王ってどこにいるのかサーシャは知ってる?」


「魔王城からこちらに魔物を送っているらしいんだけど、そこに行くまでにいくつかアイテムが必要なの。」


「なるほど、じゃあ、まずそのアイテムを探すのね?」


「各地にいる魔王の手下が持っているらしいんだけど、ごめんなさい、実は私、ひとつしか手に入れたことなくて、他のは知らないの。」


過去3回の旅で1番長く行けたのがそこなのだろう。しかし、ひとつめがわかればなんてことない。ひとつめをもっているという手下に聞けばいい。


「そこまでわかっているのならありがたいわ。それにひとつ見れば自分で作れるかもしれないし。とりあえず、今の目的はそのアイテムね。」


「カレン…!」


ひとつしか知らないといった所で私が怒るとでも思ったのだろうか。

むしろひとりで飛ばされてよくそこまでたどり着けたと思うけど…と、涙ぐみながら頷くサーシャの頭を撫でた。


「で、サーシャの魔力の事だけど。」


「!」


「私の物とは違うのよねって話はしたっけ?上手く言えないんだけどなんだかキラキラした感じ?こっちの世界に来たら何か分かるかなとも思ったんだけど、やっぱりよくわからない。」


「キラキラ…」


「けど、使い方の基礎は一緒だと思うから教えるわ。まずは自分の魔力を自分で感じられるようになる所から。そうすればサーシャが自分でどう使えばいいのかわかるかもしれないし。」


「うん、がんばる。」


とりあえず自分の魔力を意識すること、つまり瞑想のようなものかな、それをして貰うしかないのだけど、まあ、サーシャならすぐに手に入れられるだろうとなんとなく思って、私は夕食まで少し休むことにした。

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