設定資料集
今まで出した設定を纏めました。
新情報は基本的に後半に集中しています。
興味のある方だけ読んで下さい。
・神術師について
大昔、初めて“神意召喚の儀”に成功した祈祷師たちがその始まりである。現在のファルゼン王国の貴族は彼らの子孫であり、王族は彼らの代表者の子孫に当たる。
神術師は神力を宿して生まれ、“名奉じの儀”を経ることで神術を使えるようになる。ただし、この“名奉じの儀”に参加出来るのは貴族だけのため、貴族の血を引く平民は、神力を宿していても神術を使えない。
だが、稀に“名奉じの儀”を経ずに神術が使えるようになる平民がおり、彼らは呪術師と呼ばれ、迫害の対象となる。ただ、これは貴族がそう呼んでいるだけであり、彼らが神術師と何が違うかといわれると、本質的には何も違わない。中には貴族に取り入って養子縁組をする者や、使用人として雇われる者もいるが、それは少数派である。彼らは基本的にはぐれ神術師として傭兵ギルドに保護され、独自の神術体系を作り上げている。
・神術について
自らの名を宣言して神への祈願を行うことで、奇跡を顕現させる技術だと一般的には思われている。だが、実際は自らの意志で世界を改変する技術であり、意志の力さえあれば本当は詠唱すら必要ない。
その技量は大きく分けて神力量、想像力、意志力で決まる。それぞれ、“どれ程の規模の神術を使えるか”、“どれだけ大きく複雑な現象をイメージ出来るか”、“構築した神術でどれだけ世界を改変出来るか”に関わる。ただし、血筋などによって適性があるため、適性がない神術はどう足掻いても使えない。
種類としては、大きく分けて汎用神術と固有神術(秘術とも呼ばれる)の2種類がある。
前者は火、水、風、土、雷、光の基本属性に加え、聖と魔の特殊属性がある。聖属性は加護や治癒など、魔属性は呪いや精神に干渉する神術などがある。“名奉じの儀”は加護に分類され、聖属性最上級神術になる。汎用神術は詠唱などの発動手順が確立されているので、適性と技量があれば誰でも使える。
難易度は下から、初級、下級、中級、上級、最上級があり、基本的に中級が問題なく扱えれば一人前とされる。上級となると伯爵以上でなければほとんど使えず、最上級が使えるのは侯爵以上でも一握りだけである。ただし、特殊属性は基本属性に比べると全体的に難易度が高い。
固有神術、または秘術は一般に発動手順が公開されていないものを言う。身も蓋もない言い方をすれば、汎用神術にない特徴があり、発動手順を秘匿すればそれはもう秘術となる。どの貴族家も1つや2つは秘術を継承している。“神意召喚の儀”は王家の秘術になるが、王家だけでは発動できないので、高位貴族には公開されている。梨沙の今世の生家であるレーヴェン侯爵家の秘術は“不屈の聖軍”である。
梨沙が覚醒後に編み出した神術は本当の意味で固有神術である。ただ、実は飛行の神術は過去にも一定数成功者がいる。しかし、それらと梨沙の飛行神術の違いは“神術による行動阻害無効化能力”が付与されていること。
・神術の触媒について
大きく分けて神術の発動を補助する補助触媒と、神術を維持する付与触媒の2種類がある。
前者は詠唱や儀式と同じで、それに神力を通すことで特定属性の神術が発動しやすくなったり、効果が強化されたりする。梨沙にとっては一部を除いてほとんど無用の長物。
後者は神力を馴染ませることで、神術の効果を維持するもの。一般的には特殊な植物や鉱物を用いる。最も有名なのはケウィートという植物で、その繊維を加工して呪符に用いる紙が作られる。術者の髪や血も、その本人に限って術を維持するのに使える。
・神具について
前述の付与触媒に神術を込めた特殊な道具。
呪符も広義的には神具になる。一番普及しているのは光属性初級神術が込められたクリスタルで、照明代わりに使われる。
ただ、これらの神具は基本的にオン・オフの切り替えが出来ない。照明は光りっ放しになるし、炎を纏う剣なども作れないことはないが、燃えっ放しなのでまず使い物にならない。というか熱過ぎて持てない。なので武器としての神具は、聖属性神術で加護や浄化を付与し、強度を上げ、切れ味が落ちないようにするのが一般的となる。作中で虹の傭兵団チーム“紅”のリーダーであるロイが持っている剣もこのタイプ。
神具の中でも特に強力な力を宿しているものは神器とも呼ばれ、その多くが聖人や聖女が遺した聖遺物である。梨沙のローブも間違いなく神器になる。剣聖アーサーの固有神術“不壊”と“絶対切断”が込められた聖剣ゼクセリアは最上級の神器である。
・聖人について
一般的な神術師とは一線を画す量の神力を有し、超級と言われる最上級すらも上回る神術を使うことが出来る神術師たちのこと。また、特定の適性を持つ聖人は汎用神術でも比類ない威力を発揮出来るため、火属性に適性を持つ聖人なら最上級神術で1つの町を焦土に変えられるし、聖属性に適性を持つ聖人なら最上級神術で瀕死の重傷を負った人間ですら一瞬で完治させられる。彼らはもれなく前世持ちだが、前世持ちの人間が全員聖人になる訳ではない。聖人は各地に様々な伝説を残しており、大陸各地にその遺跡が遺されている。
・国家について
主人公の今世での母国であるファルゼン王国は、南北に広い領土を持つ大陸最大の国家である。東側で2つの国家と隣接しており、さらにその向こうに3つの国家が存在している。そして、南から西を通って北にかけては、害獣の縄張りと隣接した国境地帯となっている。
ファルゼン王国以外の国家は全て聖人によって建国された国であり、それぞれの国の一部の貴族は神術師である。ただ、その人数はファルゼン王国とは比べ物にならないくらい少ない。
・傭兵について
国を越えて存在する組織である傭兵ギルドに登録して、様々な依頼をこなし、報酬を得る者たちのこと。その依頼は多岐にわたるが、その中でも多いのは害獣退治や貴重な素材の採集である。
彼らはその多くが有名な傭兵団に入り、チームを結成する。中には傭兵団に所属しないチームや、1人で行動する所謂流しの傭兵もいるが、少数派である。というのも、傭兵ギルドにはランクのようなものは存在しないが、実績や信頼がないと大きな依頼は受けられないからである。若者ばかりのベンチャー企業よりも大手企業の方が依頼を取りやすいのは当然のことである。
当然と言えば当然だが、女性はほとんどいない。いるとすれば数少ないはぐれ神術師だが、はぐれ神術師はただでさえ引く手数多なので、基本的にどこかの有名な傭兵団の庇護下に入る。その他には雑用専門の女性のみの傭兵団などもあるが、やはり人数は少ない。えっ?ギルドの受付嬢?いないよそんなもん。
・害獣について
馬が存在していることから分かるように、一応この世界にも普通の動物は存在する。ならば動物と害獣の違いは何かと言うと、生物学的に決定的な違いがある訳ではない。要は人間と共存可能かどうかが基準で、身も蓋もない言い方をすれば人間に飼い慣らせるのが動物で、人間に飼い慣らせないのが害獣である。と言ってもそれは飽くまで一般人の話なので、過去の聖人の中には竜を飼い慣らした聖人だっている。
・貨幣について
一般的に流通しているのは下から鉄貨、銅貨、銀貨、金貨。これらはそれぞれ複数種類あるが、硬貨が同じなら価値に大きな差はない。金貨の上の聖銀貨はアーサー聖銀貨の1種類のみで、大商人か有力貴族しか使わない。硬貨の名称は表面に彫られている人物名がそのまま名前として用いられる。
現在最も流通している硬貨を上から並べると、アーサー聖銀貨がクロード金貨約80枚分、クロード金貨がリオン銀貨約50枚分、リオン銀貨がフェルーン銅貨約20枚分、フェルーン銅貨がノッド鉄貨約50枚分になる。
(それほど重要でもないので覚えなくて問題なし)
・梨沙が開発した固有神術について(開発順)
“飛行” 属性外最上級神術 空間を自在に移動出来るようになる。また、その際他の神術による移動阻害を無効化する。
“物質変形” 属性外最上級神術 あらゆる物体を自在に変形させる。
“空間接続” 属性外超級神術 “扉”という構造物を触媒に、離れた空間と今いる空間を接続する。ただし、接続先の空間を詳細にイメージ出来ないと発動しない。
“記憶消去” 魔属性上級神術 対象の頭部に物理攻撃を叩き込むことで、対象の記憶を消去する。ただし、まだ狙った記憶のみを消すことは出来ず、現在から過去に掛けての記憶を丸ごと消すことしか出来ない模様。
“空間拡張” 属性外超級神術 指定した空間を拡張する。ただし、何もない限られた大きさの、境界が明確に区切られた空間にしか使えない。
“重力遮断” 属性外上級神術 指定した空間において重力を遮断し、無重力状態にする。
“念動” 属性外中級神術 対象物の指定した場所に任意のベクトルの運動エネルギーを発生させる。。
“隠密” 属性外中級神術 術者の存在感をなくすと共に、術者が発するあらゆる振動を抑えることで気配を消す。
“透明化” 光属性上級神術 術者の身体を光が透過するようにする。ただし、必然的に発動中は盲目になる。
“翻訳” 属性外上級神術 書かれている文字の意味を理解出来るようになる。ただし、術者がそれを文字と認識出来ないと発動しない。
“殺虫” 属性外上級神術 範囲内の昆虫の神経系に作用し、神経伝達物質を異常蓄積させることで、やがて死に至らしめる。霧は梨沙のイメージによって生じた視覚効果。
一応ざっと纏めたつもりですが、何か要望があれば情報は追加します。
この後すぐ人物紹介①を更新します。




