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生贄の罪人
「だめだよ、撃っちゃだめ」
手足は動かない。
きっと声も届いてない。
「殺しちゃいけない、それは罪だよ」
こちらに銃を向けるのは少女だった。
スーツの男が荒く銃を握らせている。
「逃げて……」
聞こえたのか少し少女の様子が変わった。
それでも少女の意思など問わず。
引き金は引かれた。
「ころさないで」
最後の声は届いただろうか。
既に手遅れな願いは叶わないだろうけど。
いつもの無意味な償いはやっぱり今度も無意味で「罪」の連鎖を始める。
此処に吊るされる限り罪の連鎖は終わらない。




