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殺し殺し殺し
「的を撃つだけでいい」
簡単なことだよ。そう言われた。
「いいかい?」
スーツ姿に眼鏡の男が無理やりわたしの手に冷たい何かを握らせた。
「大丈夫、撃つだけでいい」
的。そう言って男が指差した先には両腕両足を固定された死体のような人間が吊るされていた。
「…………」
死体が何か言った。
聞き取れなかったけど、生きていた。
「あれは罪人だ、さぁ早く」
少し強く焦ったような口調で言って、男はわたしの手を握り。
引き金を引いた。
「ころさないで」
今度はしっかりと聞き取れた。
もう、遅かったけれど……
「ご苦労様」
殺した。事実に唖然とし動けないわたしに男が不気味に笑う。
……どうしてこんな風になったんだろう。
「いやだ、殺したくない」
わたしが言う度にわたしの手は命を奪い続けた。
少しずつ涙は枯れて。
感情も無くなった。




