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残酷に願いを叶えて
「マダシニタクナイ」
感情ない機械的な声で私と同い年くらいの少女は言った。
「イキテイタイ」
感情を殺しているようで、そうじゃなかった。
少女にはもう感情がなかった。
「聞イテルデショ?」
「死ニタクナイって言ッテルンダヨ」
少女は知っているからそればかり繰り返す。
罪人は死にたい時生きたいって言う。
だってこの世界では罪人の願いは叶わないから。
でも、私は。
私は目の前の罪人の願いを叶えてしまう。
「もういいから、最後くらい本当の願いごとを言っていいよ。それを叶えてあげるから」
無駄だと思ったけれど。
少女は始めて痛いくらいの笑顔を浮かべて言った。
「わたしをころして」
あぁ、私は本当に酷いね。
せっかく、笑ってくれたのに……
約束だからね……
こんなだから不器用なんて言われるのかな。
……また、迷惑かけちゃうな。




