ギルティレポート
「彼は?」
偉そうにスーツを着込んだ男が低い声で言った。
「問題ありません」
男に習うようにスーツ姿の女が、無感情に応えた。
「6人」
「了解」
会話はそれだけ。
たったそれだけだが、たったそれだけで、罪は連鎖していく。
「またか」
罪の始まりは怠そうに言った。
「いやだ、殺したくない」
か弱い少女は無力に命を奪い。
「わたしをころして」
唯一その願いだけが叶えられた。……最も、残酷な形で。
「最後くらい本当の願いごとを言っていいよ……」
感情亡き少女にそう告げて、彼女も罪を受けた。
「……もっと君を愛したかったよ」
叶えられぬ願いの先、愛する者に罪を与え、彼女も死した。
「俺を殺すのはお前か?」
彼は少年に聞いた、無論、罪人に答えなど与えられぬが。
「なぁ、俺はまだ死にたくねぇよ」
そんな罪人は器用に、願いを叶えた。
「…………」
少年は何も言わなかった、しかし。
「いやだ、死にたくない」
単純に願ってしまった、真逆に叶う願いごとを。
「殺してくれないか?」
願いを含むのか、単純な問か、彼は言った。
「なら、明日も君に同じことを言うよ」
それが願いごとか、会話の一説か、どちらにせよ罪人は裁かれた。
「ゆるして……」
そして、今回最後の彼女はその言葉ばかり繰り返した。
願わず、真逆すら不明のその言葉、しかし罪人。裁きが必要だ。
しかし、生きたいのか?
はたして、死にたいのか?
罪人の願いを叶えてはいけない……
どうやって裁きを下そうか?
「彼女は殺したんだ、殺すべきだ」
「しかし、死を望むモノを殺すなど救いだ」
……しかたない
壊してしまおう……
「そうだ、それがいい」
罪は罪で償い、償いは罪を生む。
連鎖する罪は計画的に、今もどこかで「死」か「生」を、あるいは「破」を待つであろう。




