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第2話「ホームルームは戦場です」

 「ハマちゃん!」

 「何だ?」

 「私とハマちゃんの相思相愛ぶりに皆が驚いています!」

 「違うだろ、叱られていないことに驚いているんだろう」

 「ぇ…ハマちゃんは私を愛していないんですか!(よよよ」

 「なんでそうなる」

 「あの夜のことは遊びだったんですか!本気で愛してくれたんじゃ…ふべらっ!」


 女子には厳しいゲンコツが頭に振り下ろされる。気心知れた人間でなければ気まずくなるほど力が込められていそうだ。 


 「冗談は程々にしろ、さっさと席につけ」

 「暴力反対!この暴力教師!」

 「2発目の拳骨はいるか?」

 「要りません!ごめんなさい!すいません;;」


 担任に無礼な物言いをしてゲンコツをもらったのは先ほど体育館で眠っていた女子だ。担任も本気で手を挙げたわけではなく、ふざけ合っているだけなのは担任の顔色を一目みただけでもわかる。

 無礼を働いた女子の身長は女子としては大きい方に入りそうだ。目測で165~170cm。活発で親しみやすそうな雰囲気で溢れている。取り繕わないはっきりとした男っぽい性格のようだ。表情が良く変わり感情に富んでいるせいか中性的にも見える。黙ってさえいれば美人…かもしれない。先ほどのやり取りとショートカットも相まって悪ガキな顔にしか今は見えないが。


 ~「むっ…、そこの君。人の顔をじろじろ見るとは失礼じゃないかね」~


 ハマちゃんに降伏の白旗を振って、そそくさと自分の座席に逃げるように座った。席に座れば、先ほど私のことを凝視してた人が丁度横になる。ジロジロと人を見るという不躾な視線を送り付けてきた彼。ピキーン!


 (私、気になりますっ!)


ファーストコンタクトに挑戦。手段は悪徳社長が肥えた顎肉を揺らし部下に横柄な態度を取る感じをイメージ。何事も最初が肝心です。


 「あ、ああ…すまなかった。入学式で寝ている同じクラスの女子ってことで気になってたんだ。ほかのクラスメイトも似たようなものじゃないか?注目してたんだよ。あの担任に叱られる最初の犠牲者ということで」


 ふむー。なるほどなと一人合点する。この男子生徒だけが不躾な対応を取ったわけではないらしい。私も当事者でなければ、野次馬をして登場を今かと待ち構えてるだろう。にしては、この男子生徒以外のほかの生徒はどこ吹く風。焦点(ピント)がどこにもあっていない様子だ。


 「にしては皆、腑抜けたような顔しておる。話題の主が現れてやったというのに。まぁいい、失礼な君。君だけは唯一関心を持って私を見つづけていたな。名前を言うといい。わしに名を聞かれるのは光栄なことだぞ」


 謎キャラを継続しつつ、隣の彼の名前を聞く。友達付き合いは名前から、始まるような、始まらないような。


 「そのお偉いさんみたいな話し方は何だよ…。まぁいいか。俺の名前は高藤雄貴だ。ここまでの対応を見て理解したよ。お前は変なやつだが、なんだか仲良くやれそうだ、これから1年よろしく頼む」

 「ぬぅ…おぬし態度も悪ければ、口も悪いと申すか」

 「それは社長というよりも武士だろ…」

 「む…。面倒だからやめだ。ヤメ!にしても失礼だなー高藤君は」


 高藤と名乗った男子生徒は目つきが悪いほかは特に特徴はない。ヤクザ映画だったら親分に報告しに来るチンピラ…よりマシだけど、偉くはない。幹部か用心棒程度。他に特徴を探そうにも見当たらない。身長も私と同じくらいだし。体重は…きっと65㎏。私の体重を1.2~1.5倍にしてみたぞ(乙女のサバ読み)。それは男子の平均体重。無難な予想だけども仕方あるまい。総評すると、高藤は「目つきが悪いだけの普通の人」そんな風に見えた。


 「お前も大概だろう?」

 「お前じゃなくて早瀬!早瀬遥ですぅー、べーっと」

 

 舌を出して名前を言ってやる。頑張って馬鹿にしてみる。舌を出すのは案外疲れる。効果あるのか、このやり口。実践したのは小学校以来な気もする。


 「社長みたいな話し方をして、名前を名乗り忘れる方が悪い」

 「……言う前にお前って呼ばれたからノーカン!」

 「忘れてたな」 

 「忘れてるはずがない」

 「はいはい、そうですね。早瀬さんが忘れるわけないですからね」


 ムギィ…腹が立つ煽り敬語に加えて、肩をすくめてやれやれと溜息を吐く合わせ技。普通の人がやるよりチンピラ風の高藤だからこそむかっ腹がたつのは…何故っ!


 「人のことを舐めまわす様に見る人には言われたくない!」

 「落ち着け、誰もそこまでお前に興味はない」

 「キィィッ!」

 

 何と失礼な男なのか。初対面でこんな対応取られたのは初めてだよ。失礼しちゃう。ま、二回目以降や素性の知られている方々からはこんな対応ばっかりですがっ。悔しくなんてないやい。


 「お前じゃないですぅー!早瀬だから関係ないですっ!」

 「そこまで早瀬に興味ないから心配するなよ(あきれ顔)」

 「言い直されたっ!」

 「早瀬。高藤。周りがうるさそうにしてるぞ?話すならもう少し声を小さくして話せ」

 「む、ハマちゃんが言うなら仕方ない。高藤よ。文句があるなら小さい声でいいやがれ」

 「一人で熱くなるのも大変だな、努力は認めるよ」

 「慰められたっ!」 


 その後、黙って首を横に振る高藤。(頭が既に)手遅れみたいな扱いされて私の怒りのボルテージがMAXになる。高まる怒りは静めねばならぬ。こんな時はふて寝に限る。机に突っ伏して寝る姿勢を取ると、高藤が子供の成長を見守るお袋のような優しい目をこちらに向けていたのが視界に入った。今日一番心に来た。

 私がふて寝に入ると教室も静かになる。委員会に入るつもりもないため、机に伏せて本睡眠へ移行する。最前列で教卓の目の前というポジションではあるが顔を机に伏せた。



 ~「ということで、保健委員は霧崎と早瀬だ」~


 野比氏よろしく3秒快眠というわけにはいかず、寝るには至らずに机へ顔を伏せているだけであった。おかげで保健委員に指名されたことで跳ね起きることに成功する。


 「ハマちゃん。寝てる人を委員にするなんて酷いと思います」

 「早瀬。悪いが何かしらの委員に所属しなきゃいけない決まりなんでな。保健委員の人数が足りないから任命した」

 「…ぐ、それならば仕方ない」

 (まぁ、全員がなにかしらの委員に所属する必要はないんだがな)


 私は保健委員となったらしい。同じ保健委員は誰だろう。霧崎…いったい何者なんだ。バランス的に男子だろう。委員二人とも女子は何かが間違っている。と、世間一般の感性で自己解決する。

 ホームルームの間、机に伏していた代償は高くついてしまった。油断大敵であった。次回からは寝ているときも聞き耳を立てることを心に誓う。


 だが、この私を陥れた―保健委員をするよう仕向けた―人間がこのクラスにはいるようだ。これは見逃せない。菩薩の遥と呼ばれた(累計1回)私でも罪は罰せねばならない。

 つつがなく進行してゆくホームルームの最中、五感―主に聴覚―を研ぎ澄ましてクラス内の気配を探れば、高藤が保険委員を私にやらせようと発言したのがきっかけだったらしい。それにハマちゃんが便乗してめでたく決定したようだ。やはり高藤であったか、許すまじ。菩薩の裁きが貴様を襲うであろう。ハマちゃんには勝てないからね、その分もついでに受けてもらおう。


 高藤が諸悪の根源だとしても、採用されたのは他にも熱烈な支持者がいたためらしい。ハマちゃんと高藤と霧崎と元担任(テラダ)。寺田め…確実に去年の意趣返しをしてきている。だが、それよりも霧崎という人間が私を陥れたことが許せない。誰だ…霧崎ぃぃ、私はだらだらしたいんだっ!

 教室の後ろへ振り向き、睨み付ける様にして霧崎を探す。私の怒りと恨みのこもった目を向けられると視線と外へ向けたり、廊下へ向けたりして目を見ようとしない。全員がその調子で視線をそらす中、一人だけ嬉々としてこちらに視線を向けている者がいた。

 

 (女子…?それになんかちっこい)


 しかも物凄くカワイイ。ニコニコしてる。浄化される気がする。あんな妹ほしい。可愛い。喜び方も何処か子供っぽい。癒し系カワイイ。裏表がない純粋な笑顔をこちらに向けている。天使みたいに可愛い。釣られて私も笑顔になる。見てるだけで負の感情が浄化される、そんな笑顔だった。可愛い過ぎる。

 

 (でも、誰か分からないなぁ)


 そうなのだ。今まで一度も会ったことがない。小さいころに会ったのを相手が覚えている…なんてことがあるのかもしれないが、こちらは一切記憶にない。そんなことあるだろうか。こんな可愛いのに。

 もし、こんな可愛い子がいたら通り過ぎた瞬間二度見する‐ちなみに、今も2度見した‐そんな子を忘れるような気がしない。なにせ男子が見ても保護欲が沸くような愛らしさだ。邪な劣情よりも先に父性が湧いてしまったのだろう。

 現に彼女に向ける視線が私のほかにもいくつかあって、目を細めて口元は緩み、キュンキュンしているように見える。愛娘をみてデレデレになった頑固親父のそれよりも蕩けてる。


 (アイドル体質だなぁ。あの子)


 本人に自覚はなくとも、周りが勝手に騒ぐ。何気ない動作でファンを着実に増やしていく。親衛隊だってできるかもしれない。そんな未来を妄想したところで視線を黒板へともどす。結局、霧崎ってのが誰だか分からなかった。「顔を見ただけで相手の名前が分かるような能力」なんて持ち合わせていないので当然のことだった。


 「これで委員会は決まったな。後はクラス委員だが…やりたい奴はいるか?」


 霧崎探しを終えたあたりで、後はクラス委員を決めるだけとなっていた。クラス委員(生贄)が決まれば、すぐ帰宅となる。早く帰りたい、その一心であったが、我、ここで天啓を得たり。即座に錆びついた頭脳が最適解を導き出す。


 (高藤への報復にぴったりではないか)


 気づけば、それを行動へと変えるだけ。


 「高藤君がいいと思います」


 先ほどの仕返しとばかりに、手を上げて、クラス中に聞こえる大きめの声でクラス委員長に推薦する。周りのクラスメイトも文句はないようだ。用は自分以外で誰かがやれば困らない。そうとしか考えていない。と、なれば文句を言うのは一人だけだ。


 「おい…勝手に推薦するなよ。俺はやる気ないぜ。俺には向かないしな」


 高藤が当然のように推薦を拒む。それにやる気がないことをアピールしてくる。そんなこと想定済みだ。


 「高藤君はクラス委員長にむいています。先ほどもこの目つきの悪さからでは、想像できないほどのまともで真面目で一般的な生徒の意見を私に説いてましたし、性格・適性ともに問題ありません。近くの方は話していた内容も良く聞こえてたと思います」

 「仮に、適性に問題がなくとも、クラス委員長になることを強要できないだろ?」

 「ええ、できません。でも、寝ていて伏せている私をわざわざ保健委員に推薦してくださったので、私も高藤君に何かを推薦して向いた仕事をしてもらわなければ、私を指名して推薦してもらったのに悪いと思いました。ですから、クラス委員長に推薦しただけですよ」


 出来る限り丁寧な口調で、先ほどの仕返しであることをクラスメイトに言って聞かせる。周りのクラスメイトも察したのか、高藤がクラス委員長になるのが筋だということを主張する。裏には私を保健委員に推薦した責任と代償を払うべきだ、という意味合いが込められている。クラスメイトの支援は保身と打算を元に行われた行為ではあったけれどもありがたかった。


 「クラスのみんなも言ってるし、やったらどうだ?高藤」

 「推薦もいただきましたし、クラスメイトの総意であるなら、是非やらさせてもらいます」


 ハマちゃんの鶴の一声で事態は決した。常識人の高藤がここで断れるはずもなかった。内心苦りきっているのを顔に出さずに、快諾の旨を伝えるところがなんとも出来た人間だと密かながら感心した。満足そうにしている私にお礼を言いに来るあたりの演技もすばらしかった。おまけさえなければ。


 「早瀬さんありがとうございます」

 「いいえ、どういたしまして」

 

 お互いにおかしなほど丁寧語に力が篭った声での感謝。お互い背中越しに効果音がつくほどどす黒いオーラを背負っている。本音が言語外でぶつかり合う。

 

 (クラス委員長おめでとう、ざまぁみろい!これが因果応報ですよ)

 (素直に寝てればいいものを余計なことしてくれたなぁ、アホのくせに…)


 お互いを称えあって握手をする。

 それはもう、相手の手を握りつぶすほど強くである。顔には引きつって入るものの笑顔を浮かべ、友好的な雰囲気を崩さない。最初の十秒は互角だった。時間とともに優劣がはっきりしはじめる。


 (あ、無理だこれ)


 負けを自覚した時には、既に右手は犠牲になっていた。30秒の短い人生だった。後に続くのは激痛、男子のくせに優しk…


 「ぎゃああああ、ギブギブ!ギブだって!」

 「(微笑)」

 「ごめんごめんってえええええ、痛いっ!痛いぃぃ!」

 「許さん」

 「折れる折れる!手が折れる!もうしないからあああああ」

 「二度とか?」

 「(全力で首を縦に振る+叫び声)」


 高藤は謝罪と言質をとったことで満足そうな笑みを浮かべその場を去ろうとする。

 

 (負けん…このまま終わらせてたまるものか)

 

 私は全力で高藤を相手取ることにした。持てる力を全て、お前を倒すために使う!卑怯だって言われても構わない。だが女の……


 (女の涙は……武器なんだよ。卑怯なくらいにっ!)


 悪い顔が見えないよう両手で顔を隠し、肩を震わせ、嗚咽をもらさないように唇をかみ締めて堪える風を装う。それでも見えてしまうのが女の涙。汚い。卑怯だね。でも手は抜かない。それがプロの定義だからね(ゲス顔)


 (悪いね。高藤。後でアイスでもおごろうかな)


 私は落ち着きを取り戻し、手を擦りながら泣いたことを何とか隠そうとしてるけれど、やっぱり手が痛くて涙が上手く止まらない風に演技を変える。そこらへんの違いはあれだね、涙の流し方。表情筋肉の微妙な使い分け。色々、ドラマ見て勉強した甲斐がありました。


 演技を続けるうちに先ほどのうるささと打って変わって、急に静かになった女子―名女優こと私―を心配する雰囲気が出てくる。高藤も少し気まずそうにし始める。ハマちゃんは薄ら笑いを浮かべている。


 (ハマちゃんは分かってるけど、口出ししなさそうな感じかな)


 流れが変わったのを確認したら、グッと右手を突き上げてもいい。脳内でUCが流れる。ここで涙声を使う。大げさにならない程度だが、クラス中の人間が聞き取れる程度の声量でだ。時々、しゃくりあげて聞こえやすいようにしてみる。周りの注目が集まり切ったあたりでポツポツと語りだす。

 

 「ひっく…うっ……酷いよ…ホントに手が痛くて折れるかと思ったのに……」

 「いや…その…悪かった。お前が泣くとは思わなくて本気になりすぎた。すまん」


 いやー。流石常識人の高藤さんだ。すぐに謝罪をする。クラスメイトの非難を浴びる前にすばやく自分の非を詫びる。そのタイミングが完璧だった。誰よりも早く変化に気づき、真っ先に行動する。その後、背中を擦って心配してくれたのも高得点だね。見た目と紳士的な対応のギャップも相まって高藤の評価が上がっている気がする。

 ……これはまずい。下手に引き延ばすと私が追いつめられてしまう。作戦変更、今回は見逃してやるぞ、高藤。か、感謝するんだな(負け犬の遠吠え)


 「こっちもごめん。自分でもこんなに痛いと思わなくて、思わず泣いたけど、今は落ち着いたからもう平気」

 「そうか…悪かった。お前は女子なのに男同士のノリで加減するの忘れてた」

 「気にすることないよ。変に女子扱いされると私らしさが、損なわれるし!」

 「そうなのか?」

 「そうだよ。初めは勝って泣かしてやるってつもりだったんだよ?結構惜しかった。あと少しだったね、くっ、次は負けん」


 涙を手でぬぐい、笑顔に変えてそう告げる。ひと段落し、痛すぎて思わず泣いたとの言葉通り、調子を取り戻した私を見て一安心したのか。席を立っていた生徒は自分の席へと帰っていく。

 高藤は落ち着いて元のふてぶてしい性格で話はじめたことに安心したのか、差し出していた手を引っ込める。ぐずるようだったら、手を引っ張って引き起こすつもりだったらしい。素直に高藤を評価しようと思う。目つきは悪いが、性格は気の利くいいやつという評価を追加した。


 「なんだ。手を引っ張って起こしてくれないのかー」

 「大丈夫そうだしな。それに、差し出した手を引っ張って転ばさせようとしてたみたいだしな」

 「ありゃ、ばれてたか。それじゃ、立ちますか。あー、あと、クラスの皆さん申し訳ない。高藤が迷惑をかけましたよっと」


 音のするようなハンドスプリング(のようなもの)でスタッと立ち上がる。やる意味はないけど、なんとなくアピール。


 「おい、俺のせいなのかよ」

 「そうだとも。女の子を泣かせた高藤君のせい以外になにがあるのか」


 あきれ顔で高藤に言ってやると、溜息をつかれた。おまけで首を横に振ると、席へともどってしまう。その顔にどこか安心したようなものが見えた。私の勘違いではないだろう。根拠はないけれども。


 「それじゃあ、早瀬。このあとで職員室まで来るようにな?」

 「なにっ。さっきまで泣いてた生徒ですよ?さっきまで泣いてた!」

 「色々と聞きたいことがあるからな。主に、入学式で寝てたことについてだがな」


 ハマちゃんが無情な宣告をする。どうやら、入学式のことは水に流してくれなかったらしい。助けを求めてクラスを見回しても、助けてくれる人も居ないようだ。逃げられないことを認識する。ホームルームは終わり、もう帰宅するだけだと意気揚々と鞄を横に置き準備をしていただけに、落ち込む度合いは大きい。無駄だと分かっていても、聞いてみることにする。


 「明日に回すことは出来ませんか?」

 「無理だな」

 「…そうですか…」


 …ホームルームを終えた後、みんなが思い思い帰宅してゆく中、私だけは職員室へ向かうのだった 。

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