第拾陸話 仲間は人を変える
遅くなりました。
最近のスケジュールは、5時に出社して昼に休憩と言う名の放置プレイ4時間(帰れない)その後20時まで黙々と書類作りと本社への連絡などをやると言う物です。4時間の休憩を入れたとしても11時間労働、しかも休憩とは言え、来客やメンテナンスには対応せねばならずに、ほとんど休めないときています。一日12~3時間は働いて残業時間0っておかしくないですか?www
確かに異動で給料はちょっと上がった。でも仕事量は倍以上になってます。
第拾陸話 仲間は人を変える
布団で寝るのは久しぶりだった。考えれば、ナカハランドでも床で寝ていたし、それ以降は公園のベンチや橋脚のコンクリ、遊覧船の中など布団とは無縁だった真澄と土倉光だった。温泉で汗を流し石鹸の香りを纏いながらふかふかの布団に包まれ、幸せな気持ちでまどろむ2人だったが、まだ危険は去っていない。一応この山荘の出入り口は全て板で塞いだしゾンビの姿は無かったが、それでも奴らは人の匂いに誘われて集まってくる。一箇所に留まる事はあまり感心しない行為であることは分かっている。それでも2人は束の間の休息を思う存分貪ることにした。やはり目の前の安息は是が非でも味わいたい。2Fの客室で布団を並べて横になっていたが、何も考えずに眠りにつける喜びは計り知れない。お陰で、翌日は他の3人も含めて皆が昼近くまで惰眠を貪ったのだった。
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真澄はぼんやりと外を眺めながら煙草を吹かす。まだ寝起きで頭はハッキリしていなかった。外はまるでゾンビなどこの世から消えてしまったように静まり返り、波の音と潮の香りだけ風に乗って届けられた。
(静かだな・・・。まるでこの世から隔絶されたみたいだ。ここは何処なんだろう?)
涼風山荘と書かれた看板を見ながら、真澄は首を傾げる。明らかに海の近くだ。確かに林の中に立っているが、ここは民宿などの方が名前としてしっくりくる。なぜ山荘なのだろうかと考え込んでいると、土倉光が目を覚ました。髪は肩の辺りでくるんと巻き上がり、変な寝癖が付いていた。普段は後ろで纏めたりお団子にしているので、こうやって下ろしている姿は新鮮だ。ポーっとした顔もどこか色気を感じる。普段と違うだけでこうも違って見えるものなのかと、感心しながら見ていた真澄の視線にじろりと細目を向けながら、土倉光はゆっくりと立ち上がり伸びをした。服装は普段と変わらない。これはゾンビが襲撃してきてもすぐ逃げられるような準備だ。
「おはよう桜井。よく眠れた?」
「おはようございます先輩。お陰様でぐっすり眠れました。」
「そう?それは何よりね。」
そう言いながら土倉光は歯ブラシとコップを持って部屋の外に出て行く。それを見届けると、真澄はまた外に視線を戻した。海はよく晴れ渡り、水平線までよく見渡せたが、船影のような物は確認出来ない。煙草の火が根元のフィルターまで達したので、真澄は空き缶にフィルターを落として廊下に出る。ここは鶯の間、女子高生2人はファルコンの間、銭型のとっつぁんは白鷺の間と言う部屋に泊まっている。鳥で統一したいのは分かるが、何故ファルコンなのかこれまた疑問だ。洋室でベッド作りなのがその所以だとしたら単純すぎる。ここの主人の頭の中をかち割って見てみたいと思ったが、昨日実際に見ていたのを思い出し気分が悪くなる。自分が模造刀で頭をかち割ったのだ。色々な物が飛び出ていた。モザイクが必要な画像が頭に浮かぶ。吐き気を我慢しながら廊下の端にある手洗いに行くと、光ととっつぁんが話をしていた。
(そう言えば今日は坂の上がどうなってるか調べる予定だったな。)
「お、兄ちゃん遅かったな。今ご出勤かい?」
「ええ、銭形さんもおはようございます。」
「もうこんにちはの時間だぜっ!俺なんか鍵まで見つけてきたよ。」
そう言いながら、銭形はキーホルダーの付いた鍵束を見せる。相変わらず仕事の早い人だ。
「おおっ!さすがですね。」
素直に感心した真澄に光の冷たい声が飛んだ。
「騙されたら駄目よ桜井、それは昨日の内に見つけてたんだから。このオッサンもさっき起きたのよ。」
「姉さん、それを言っちゃあおしめえよぅ。」
「大体それを見つけたの私よ・・・。」
2人の会話はまだ続き、昨日鍵束を見つけた光が銭形に預かってもらっていたと言うのが真相らしい。
(このオッサンも空気の様に嘘を吐くなぁ・・・。)
真澄は苦笑いしながら2人の会話を聞いていたが、銭形は予想以上に適当な性格だと分かってきた。こういう細かい性格分析もしておかなければ、いざと言う時に命取りになる。
★
まだ起きてこない女子高生2人を起こすため、光がファルコンの間の扉をノックする。この部屋は洋室なのもあって、横引きの襖ではなくドアが付いていた。ファルコンの間と書かれた看板をグーでガンガン殴る光。どことなく気に入らない看板だったようだ。真澄も何となく分かる気がした。程なくして、2人の少女が目を擦りながらドアを開く。この異常な状況を生き抜いてきて、久しぶりの安眠にまだ未練のありそうな様子だったが、すっかり着替えて準備を整えている大人達を見ると顔が引き締まった。
「早く準備しなさい。10分後に2階の階段まで着てね。」
光の言葉に2人は頷くと部屋の中に引っ込んだ。真澄と光は部屋に戻って武器などを装備して階段へ向かう。1階は出入り口を全て塞いでいるために、不気味な暗闇を醸し出していた。もうゾンビが居ないことは分かっているが、やはり気持ちのいいものではない。階段の横手にある窓から屋根へ上がり、そこに用意した梯子で外へ出入りできるように昨日の内に準備されていた。銭形はもう外に出て車が動くか確認しているはずである。今日はこれから、この山荘の周辺を探るのが目的だ。山の上に伸びる林道の先がどうなっているかは知っておく必要がある。装備は模造刀にクロスボウ、大小のサバイバルナイフに鉄パイプ、接近戦用の武器が主体となった。日本では銃器などを容易に手に入れられないのが難点だ。警官や自衛隊員のゾンビを見つけたら最優先で倒して身剥ぎをやらなければならないだろう。音でゾンビをおびき寄せてしまうが、殺傷力においては今の武器の比ではない。非常用に何点か確保しておきたかった。武器を装備して屋根に出ると、銭形が下から手を振っていた。
「車動いたぞ~。ゾンビも居ないみたいだ。そっちは準備出来たのか?」
「ええ、あとは女の子達が来れば大丈夫です。」
「そうか、じゃあ車を移動させとくわ。」
「お願いします。俺達もすぐに下に行きますんで。」
その言葉に銭形は軽く手を上げると去っていった。その直後に準備を終えた2人の少女も合流し、4人とも下に降りる。そこに銭形が四駆を運転して戻ってきた。
「とっつぁんっ!軽トラックは動いたのっ!?」
光が銭形に質問すると、銭形は親指を立てる。動いたらしい。
「桜井、私達は軽トラで移動しましょう。あんた達は四駆に乗りなさい。先導はそっちにお願いするわ。」
光は少女達にそう言って背中をポンと叩く。
「はぁ~い。」
光の言葉に未来と優は軽い返事をしながら四駆の後部座席に乗り込む。真澄と光は銭形からキーを受け取ると軽トラックに乗り込んだ。武器は後部に置き、ナイフだけ持つ。座席は狭く、長い刀や大きなクロスボウは動けなくなる可能性があった。
「銭形さん、準備オッケーっすよっ!」
真澄の合図で四駆が力強いエンジン音を立てながら坂道を登る。真澄達の軽トラックも軽いエンジン音を軽快に唸らせて四駆を追随した。
★
林道はなだらかにカーブを描きながら蛇行するように山頂へ伸びている。周りは森林が生い茂り、舗装はされていたが所々が剥がれたり草が突き出ていたりで決して綺麗とは言えなかった。そんな道を5分も進むと、急に辺りが開け、対面通行の一本道に出る。ここが頂上付近らしい。T字路になっており、涼風山荘入り口と看板が出ている。これで戻れなくなることは無いだろう。周囲はまだ森林が生い茂り、ゾンビの気配は無い。当然だが全く車も通らないので、2台を並べて中央線に停める。助手席の光が窓を開けるとどちらに向かうか相談した。銭形はこの道を知っているらしく、今まで居た街方面に行くか、それとも隣の市まで10数キロの道を行くか考えあぐねていた。
「とっつぁん、街の方には何があった?」
「ん~、こっからだと多分、街のかなり近くになるがスーパーがあったな。隣の市まで帰る連中を狙ったそれなりにでかいやつだ。反対はコンビニが一軒あったかどうかだ。でもスタンドもあったし、途中に小さな集落や交番なんかもあったな。タバコ屋や農協くらいあるかもしれない。どうすっかね?」
「街近くは危険よ。スーパーは余程のことが無い限り避けましょう。無事に残ってるとも思えないし。集落は規模次第ね。民家が疎らにあるくらいなら食料なんか探していいかもしれない。とりあえず、ガソリンの補給もしたいし、軽油も欲しいわ。集落方面を目指してみましょう。」
それから2台は集落方面を目指して走り出し、10分もすると民家が疎らに建つ地区に着いた。ゾンビが数体動き回っていたが、このくらいなら簡単に殺せると判断し、真澄と光と銭形の3人で1体ずつ撃破していく。3人ともそれなりに駆除に慣れてきていた。10体も転がすと、ゾンビは現れなくなった。5人は車を置くと、キーを抜いて近くの民家に入る。キーを抜くのは、もし生き残りが居た場合に車を盗まれないようにだ。民家には人の気配は無く、台所を重点的に調べてカップ麺や缶詰、米などを根こそぎ頂く。冷蔵庫内部は電気が供給されていないため、生臭いゴミばかりになっていた。同じように他の民家にも足を運び、食料をあるだけ運び出した。ゾンビはちょこちょこと出現したが、脅威になるほど居るわけではない。真澄もそうだが銭形の活躍は目覚しく、金槌一本で確実に頭を打ち抜いていく。それにいつの間にか、釘を電動で打つノッカーのような物も手に入れていた。
「銭形さん、何すかそれ?」
「ネイルガンだよ。知らないんか?」
「ええ・・・、電気屋じゃ無いっすから・・・。」
「電気屋じゃなくても普通は知ってるぞっ!桜井もまだまだだなっ!」
「うっす・・・。」
つまらない冗談のようなやり取りをしながらも、銭形はネイルガンを撃って使い方を教えてくれた。これはなかなか使える武器だ。釘が凄まじい勢いで飛び出し、木製の柱に見事に突き立つ。ゾンビも頭に当てれば殺せるほどの威力だそうだ。実際に頭に釘がめり込んで死んでいるゾンビも居た。
「こいつら骨が脆くなってんだよ。だから普通はこんなに簡単に頭蓋を貫通しねえんだが、ゾンビ相手なら5mも近付けば簡単にこうなるって寸法だ。連射も出来るし、なかなか高性能だよ。」
銭形はそう言って、ネイルガンを構えて片目を閉じるとニヤリとした。
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一通り民家を物色し、ネイルガンの他にも、農具にあった小さなツルハシやフォークを持ち出し、軽トラックに積み込んでいく。ネイルガンは電動で、簡単に充電が出来るようだった。車のバッテリーから直接充電する方法を銭形が知っていたので、しばらくは問題なく使える武器になる。10件ほどの民家を回ると軽トラックに積み込めないくらい米や食料を入手することが出来た。田舎の家には備蓄が多い。
「大収穫でしたね。今日はこの辺にしますか?」
未来がそう言うと、光も「そうね。」と頷いて涼風山荘に引き返す。四駆と軽トラの燃料は、まだしばらく大丈夫だった。5人はひとまず戻ると、一週間ほど食いつなげる食料を山荘へ、残りを全てスワンボートで遊覧船へ運び込む。いつ襲われるか分からないので、脱出経路に備蓄しておくに限る。これは骨の折れる作業だったが、皆は文句も言わずに黙々と作業し、辺りが薄暗くなったころ、少女2人は炊飯の準備、真澄と光はスワンボートから釣竿を垂れ、銭形はバリケードの強化をしていた。釣果は主に光が上げ、フッコと呼ばれるスズキの小さいのを5尾ほど釣り上げてから山荘に戻り、全員が夕飯を口にしたのは20時を回ってからだった。新鮮な焼き魚とホクホクのご飯、銭形が発見した山菜のお浸しなど、豪華な食事に舌鼓を打つと、温泉で疲れを癒し22時には全員が寝付いた。夕飯時には、冗談を言い合いながら雑談し、5人で仲良くテーブルを囲む。前だと信じられないような光景だ。遊覧船での脱出から、光のキツイ性格はいつの間にか影が薄くなり、柔らかい笑顔が覗くことが多くなっていった。
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翌日も、5人は2台の車で集落を目指す。今日は昨日に物色した10件の民家の先を散策する予定だ。昨日の場所を通り過ぎ5分も行くと今度は少し大きな集落を発見する。道には信号もあり、放置車両もあった。しかし、昨日の集落に比べ、ゾンビが1体も居ない。少し異様な風景だ。メインストリートのような交差点には、小さいながらも様々な商店が立ち並んでいる。
「おかしくないですか?これだけの規模の集落にゾンビが居ないなんて・・・。」
優がそう漏らしたが、皆が同じ疑問を持っていた。何故ここにはゾンビが居ないのか。
「とりあえず調べようぜ。ゾンビが居ないことはいいことだろ?」
銭形はそう言うと金槌とネイルガンを両手に持ち、さっさと大きな民家に入っていく。ここも食料や武器になりそうな物がそのままの形で放置されていた。近くにあった小さな商店もそのままの形で残っている。街では食物系の店は例外なく略奪に会っていたが、ここはそうではないらしい。真澄と光も注意しながら民家を物色する。米や保存の利く缶詰、乾物の類は重要なのであるだけ運び出した。少女たちは駄菓子屋を嬉々として物色し、大量のお菓子を大きなビニール袋に放り込んで持ってきた。これは夜に皆を楽しませるに違いない。銭形も酒屋に入るとウイスキーや焼酎、日本酒などをケースで軽トラックに運ぶ。あっという間に車は荷物でいっぱいになり、5人は正午を前にして一度山荘へ帰ることになった。午後になっても集落での物色は進み、食べきれないほどの食料と調味料、酒、ジュース、お菓子などを確保する。うまく行き過ぎて少し気持ちが悪いくらいだったが、3往復もすると日が傾いてしまい翌日にまた物色することにして皆は山荘へ引き返していった。
「先輩、あの集落ってまだまだ奥がありましたよね?何だか、ゾンビが居ない理由ってそっちにある気がするんですけど。」
真澄は帰りの車の中で光に意見を求める。
「そうかもしれないわね。でも今は深く考えることは止しましょう。どう見たってあそこは絶好の狩場よ。物資はあるだけいいわ。あとは車や船の燃料を出来るだけ確保したいところね。今日はもう帰って寝たいわ。疲れちゃった。」
その後、少女2人は食事の準備をし、真澄と光は朝にフッコの切れ端を入れて遊覧船から沈めていた大きな籠を回収する。中には蟹や海老、蛸や小魚など様々な獲物が入っており、夜の食卓で皆を満足させた。
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また翌日、5人は山荘を後にする。前日の罠に味をしめて、今日は籠を2つ沈めていく。
「さぁ、ゾンビが居ないのは分かったけど、皆油断しないようにしてねっ!今日も元気に死なないように行動しましょう。」
光の号令で皆が車に乗り込む。四駆のほうの燃料計が大きく傾いて、給油が近いことを示していたが、銭形は放置車両からガソリンを抜くことを提案していたため、あまり気にしていなかった。ガソリンを入れる容器が無いためその場しのぎにしかならないが、満タンにしておけば問題ない。昨日と同じ交差点に車を停め、近くの放置車両のガソリン注入口をこじ開けると、簡易ポンプでガソリンを抜き四駆、軽トラックに移していく。30分もすると、2台とも燃料が満タンになった。銭形の知るスタンドはこの集落を抜けた先にあるとのことで、放置車両を避けながら先に進む。集落を抜けて3分ほどで小さなガソリンスタンドに到着した。空のドラム缶が何本かあり、ガソリンの給油車両もそのまま放置されている。銭形がスタンドの中からキーを入手して、満タンにした給油車をそのまま山荘に移動させた。これでしばらくは燃料の心配は無い。次は軽油を空のドラム缶に移して持っていくことにしたが、これは大変な作業だった。満タンまで入れると重くて軽トラックに乗せられないのだ。ユニック車と呼ばれる荷物を吊る車があれば楽なのだそうだが、そんな車両は無い。仕方なく小分けにしてドラム缶2本分を運ぶことで満足するしかなかった。ここはゾンビが居ないので、いつでも取りに来れると皆が高を括っていた。しかし、再度交差点付近の店や民家を物色しようとした時、真澄が異変を感じ取った。どこか遠くで、唸り声や怒号が聞こえる。どこかは分からないが、何者かが騒いでいた。それもかなりの数だ。真澄は、交差点にある一際高い3階建てのビルの屋上に駆け上がり、昨日から気になっていた集落の奥を双眼鏡で眺める。そして、地獄を目にすることになった。
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集落の奥にあったのは、多分小学校と思われるコンクリート製の大きな建物だ。そこに、数百のゾンビが犇いていた。これと同じ光景を真澄は見たことがあった。河川を下っている時に見捨てた避難所だ。あそこには生きた人間が大勢いたようだが、避難所の周辺にはゾンビが押し寄せていた。奴らは生きた人間を嗅ぎ分けて集まってくる。今まで集落が無人だと感じていたのは、あの小学校が周辺全てのゾンビを集めていたせいだった。すでにグラウンドまで入り込んだゾンビに、皆が成す術も無く殺されている。校舎内に居た人間はすでに全滅しているだろう。残りは体育館であろう大きなドーム屋根の建物に群がっている。あの数のゾンビに攻められたら破壊されるのも時間の問題だった。真澄はすぐに光と銭形を呼び、事の次第を伝えた。
「どうしようもないぜあんなの・・・。」
「桜井、無理よ。すぐにここを離れた方がいいわ。」
2人は思った通りの反応を示す。分かっていたが、やはり救えないのは心が痛かった。その時、ついに体育館の扉が破られ、中にゾンビが雪崩れ込む。グラウンドに居た数百のゾンビが見る見る内に体育館に吸い込まれていった。屋上に居た3人はただ息を飲みながらその光景を見守っていたが、不意に体育館の裏手からスクールバスが出てきた。まだ生き残りが居たようだ。
「おいおいっ!まだ生きてるのがいるぜっ!どうする?」
「ゾンビがたくさん追ってきてるし、あのスクールバスじゃ放置車両を抜けるのは無理ね。しばらく交差点で待ってみましょう。もし数が少なければ、軽トラックの後ろに乗せられるかもしれない。多かったら見捨てるわよ。文句は無いわね桜井?」
光はそう言って下へ降りていった。最近は前の様に冷たい雰囲気を出さなくなっていたが、いつの間にか助けられる範囲は助ける考えに変化したようだった。真澄は意外な言葉に驚きながらも、2人を追って下へ降りていった。
話が煮詰められませんね。とりあえず続きを書いたと言った感じです。次話でちゃんと光姉さんが変化しているところを描写したいですね。
前書きに書いた通り、仕事漬けの毎日で睡眠時間も5~6時間に減っています。ちょっとしんどいですが、ちゃんと更新だけはしたいので気長に待ってください。