# エピソード8 ## 「村を壊しに来た貴族」
# エピソード8
## 「村を壊しに来た貴族」
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ローデ村に活気が戻り始めていた。
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畑では笑い声。
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鍛冶場では金属を打つ音。
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子供たちは走り回る。
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以前の暗い空気は少しずつ消えていた。
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「いい感じですね。」
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リリアが笑う。
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「まだ始まったばかりだけどな。」
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シンも笑う。
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その時だった。
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ドドドドドドッ!
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村の入口から馬の音が響く。
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全員が振り向いた。
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豪華な馬車。
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武装した兵士たち。
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そして。
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高価な服を着た男。
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「なんだ?」
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レオが眉をひそめる。
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アリシアの表情が曇る。
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「まずいですね……」
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男は馬車から降りた。
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鼻で笑う。
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「ここがローデ村か。」
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村長が前に出る。
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「どちら様で?」
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「私を知らんのか?」
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男は不機嫌そうだった。
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「男爵のベルグ様だぞ!」
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兵士が叫ぶ。
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村人たちがざわつく。
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ベルグ男爵。
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この辺りを支配する貴族だった。
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しかし。
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シンは知らない。
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「へぇ。」
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「へぇじゃない!」
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リリアが慌てる。
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ベルグは村を見回した。
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そして顔をしかめる。
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「なぜ活気がある。」
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村長が困惑する。
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「え?」
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「この村は終わった村だったはずだ。」
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空気が凍る。
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村人たちの顔が曇る。
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ベルグは続ける。
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「失敗者の集まり。」
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「役立たずの村。」
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「それで十分だった。」
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レオが拳を握る。
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ガルドも怒りを抑えていた。
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しかし。
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シンは静かだった。
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ベルグは書類を取り出した。
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「本日をもって税を三倍にする。」
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全員。
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「なっ!?」
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村中が騒然となる。
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「そんな!」
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「払えません!」
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「無理です!」
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ベルグは冷たく笑った。
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「払えないなら土地を没収する。」
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「それがルールだ。」
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村人たちは絶望する。
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せっかく。
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やっと前を向けたのに。
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また奪われる。
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また終わる。
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その時。
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シンが前に出た。
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「なあ。」
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ベルグが見る。
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「なんだ。」
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「一つ聞いていいか?」
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「許可する。」
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「なんでそんなに偉そうなんだ?」
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一同。
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(言ったーーー!!)
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リリアが頭を抱える。
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ガルドが空を見上げる。
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レオが吹き出す。
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ミーナが口を押さえる。
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ベルグの顔が真っ赤になる。
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「私は貴族だぞ!」
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「それは知ってる。」
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「ならば敬え!」
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シンは首を傾げた。
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「なんで?」
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ベルグ。
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「……。」
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シン。
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「偉いのは地位か?」
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「は?」
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「それとも人か?」
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広場が静まり返る。
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ベルグは言葉に詰まった。
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シンは続ける。
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「俺は人を見てる。」
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「肩書きじゃない。」
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「この村の人たちは頑張ってる。」
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「だから尊敬してる。」
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村人たちが驚く。
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シンは振り返った。
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村長を見る。
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鍛冶屋を見る。
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子供たちを見る。
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「この人たちは役立たずじゃない。」
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「才能がある。」
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「価値がある。」
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「誇っていい人たちだ。」
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静寂。
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村人たちの目が潤む。
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まただ。
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またこの人は。
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自分たちを信じてくれる。
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ベルグは怒鳴った。
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「黙れ!」
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「綺麗事だ!」
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「世の中は力だ!」
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「地位だ!」
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「金だ!」
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シンは笑った。
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「じゃあ勝負しよう。」
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全員。
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「え?」
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ベルグ。
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「勝負だと?」
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「一年。」
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シンは言った。
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「一年後。」
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「この村を誰より豊かにしてみせる。」
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ベルグが笑う。
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「無理だ。」
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「そう思うなら受けろ。」
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ベルグは鼻で笑った。
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「面白い。」
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「負けたら?」
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「俺たちは村を出る。」
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ざわつく。
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大きな賭けだった。
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ベルグは聞く。
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「勝ったら?」
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シンは答える。
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「税を元に戻せ。」
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「そして。」
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村人たちを見る。
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「この村を認めろ。」
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静寂。
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ベルグは少し考えた。
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そして笑う。
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「いいだろう。」
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兵士たちも笑う。
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勝てるわけがない。
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そう思っていた。
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だが。
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彼らは知らない。
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この村には。
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まだ誰も気付いていない才能が眠っていることを。
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そして。
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その才能を見つける男がいることを。
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その夜。
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村の集会所。
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みんな不安そうだった。
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「本当に大丈夫なのか?」
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村長が聞く。
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シンは笑う。
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「大丈夫。」
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「根拠は?」
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シンは村人たちを見る。
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そして言った。
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「みんながいるから。」
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その言葉に。
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村人たちの背筋が伸びた。
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一年。
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この村の運命を賭けた挑戦が始まる。
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そしてここから、
シンの「人を見る力」が本当の意味で世界を動かし始めるのだった。
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## 次回
### エピソード9
**「才能の地図」**
シンは村人全員の長所を調べ始める。
すると、誰も気付いていなかった天才たちが次々と見つかる。
ローデ村大改革編、開幕――。




