# エピソード4 ## 「問題児の奴隷少年」
# エピソード4
## 「問題児の奴隷少年」
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「次の町まであと半日だな。」
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ガルドが地図を見ながら言う。
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「やっとベッドで寝られますね!」
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リリアが嬉しそうに跳ねる。
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「野宿も悪くなかったぞ。」
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「虫がいました!」
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「森だからな。」
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「虫がいました!」
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「二回言ったな。」
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ミーナが小さく笑う。
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最近、彼女も少しずつ表情を見せるようになっていた。
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シンはそんな仲間たちを見ながら思う。
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(いい仲間が集まってきたな。)
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その時だった。
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「泥棒だ!!」
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遠くから怒鳴り声。
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「捕まえろ!」
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人々が走っている。
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何かを追いかけているらしい。
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すると。
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ドンッ!
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誰かがシンにぶつかった。
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「うおっ!」
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転びそうになる。
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ぶつかった相手は少年だった。
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十五歳くらい。
ボサボサの黒髪。
細身。
目つきだけは鋭い。
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「ちっ。」
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少年は舌打ちした。
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そのまま走ろうとする。
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しかし。
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ガルドが腕を掴んだ。
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「待て。」
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「離せ!」
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暴れる少年。
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そこへ町人たちが追いつく。
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「いたぞ!」
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「またお前か!」
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「問題児!」
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「奴隷のくせに!」
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少年は睨み返した。
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「うるせぇ!」
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「どうせ俺なんか信用してねぇだろ!」
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町人たちはさらに怒る。
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「開き直るな!」
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「最低な奴だ!」
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「こいつは何度も騒ぎを起こしてる!」
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リリアが小声で聞く。
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「何を盗んだんですか?」
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町人は答えた。
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「パンだ。」
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「パン?」
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「店のパンを盗んだ!」
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少年は黙る。
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シンは少年を見る。
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すると。
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能力が発動した。
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【レオ】
長所:統率力
長所:行動力
長所:決断力
長所:共感能力
才能:指揮官
才能:政治
才能:交渉
潜在能力:SSS+
王の資質:極大
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シン。
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「は?」
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ガルド。
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「またその顔だな。」
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リリア。
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「才能ありました?」
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「ありすぎる。」
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「え?」
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「なんだこいつ。」
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シンは思わずレオを見る。
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王の資質。
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しかも極大。
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今までで最高だった。
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レオが睨む。
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「なんだよ。」
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「いや。」
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「文句あるなら言え。」
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「お前。」
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「は?」
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「リーダー向いてるぞ。」
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全員。
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「え?」
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レオも固まった。
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「……は?」
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「リーダーだ。」
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「俺が?」
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「うん。」
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レオは大笑いした。
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「ははははは!」
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「馬鹿じゃねぇの!」
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「みんな俺を嫌ってるぞ!」
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「そうだな。」
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「奴隷だぞ!」
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「そうだな。」
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「問題児だぞ!」
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「そうだな。」
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「じゃあなんでだよ!」
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シンは笑った。
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「人を放っておけないだろ。」
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レオが止まる。
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「……。」
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「盗んだパン。」
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「……。」
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「自分で食べるつもりじゃなかったな?」
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レオの目が揺れた。
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図星だった。
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実は。
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孤児院の子供たちのためだった。
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食べ物が足りなかった。
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だから盗んだ。
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もちろん褒められることじゃない。
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だが。
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誰も理由なんて聞かなかった。
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みんな最初から。
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「問題児」
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そう決めつけた。
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「どうして分かる。」
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レオが呟く。
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「分かるんだよ。」
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シンは笑う。
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「お前は優しい。」
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レオの顔が歪む。
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「ふざけんな。」
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「ふざけてない。」
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「俺は優しくねぇ。」
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「優しい。」
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「違う!」
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「優しい。」
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「違う!!」
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レオは叫んだ。
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その声は怒りじゃなかった。
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悲鳴だった。
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ずっと否定され続けた少年の。
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悲しい叫びだった。
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「俺は……」
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「……。」
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「誰にも必要とされてねぇんだ。」
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静かになる。
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シンは一歩近づいた。
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「俺は必要だと思う。」
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レオが顔を上げる。
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「え?」
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「俺の仲間になれ。」
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「……。」
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「お前みたいな奴が必要なんだ。」
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レオの瞳から涙が零れた。
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慌てて拭う。
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「くそ……。」
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「泣いてる。」
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リリアが言う。
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「うるせぇ!」
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「泣いてる。」
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「うるせぇ!!」
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ミーナが小さく呟く。
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「泣いてる。」
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「お前まで!?」
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その場に笑いが起きた。
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久しぶりだった。
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レオが笑ったのは。
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心から笑ったのは。
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夕方。
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パン屋には代金を払った。
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孤児院にも食料を届けた。
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そして。
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レオはシンたちの前に立つ。
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「一つ聞いていいか。」
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「なんだ?」
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「なんでそんなに人を信じるんだ?」
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シンは少し考えた。
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そして答えた。
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「だって。」
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仲間たちを見る。
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リリア。
ガルド。
ミーナ。
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「みんな良い奴だから。」
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「それだけ?」
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「それだけ。」
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レオは呆れたように笑った。
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「変な奴だな。」
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「よく言われる。」
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「でも。」
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レオは手を差し出した。
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「悪くねぇ。」
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シンはその手を握る。
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こうして四人目の仲間。
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未来の英雄王と呼ばれる少年、
レオが仲間になった。
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そしてその夜。
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王都の貴族会議。
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ある報告が届けられる。
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「落ちこぼれたちが集まり始めています。」
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「中心人物は転移者シン。」
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貴族たちは笑った。
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「好きにさせておけ。」
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「どうせ長続きせん。」
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しかし。
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会議の隅で。
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ただ一人だけ。
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一人の若い女性が興味深そうに報告書を見つめていた。
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「シン……。」
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「面白い人ね。」
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彼女との出会いが。
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後に世界を揺るがすことになる。
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## 次回
### エピソード5
**「王女は落ちこぼれたちの国を見た」**
貴族社会に疑問を抱く王女アリシア登場。
彼女はシンたちと出会い、自分の常識が崩れ始める――。




