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第8話:不可解な失踪
村の中心、静まり返った石畳の道。
翔子は足元の微細な砂文様と、落ちていた古い布片を確認していた。
「…誰かがここで立ち止まった痕跡がある」
ロンは眉をひそめ、周囲を見渡す。「昨日までいた村人が、今は姿を消している。不可解だ」
翔子は古文書の地図と現地の証拠を重ね合わせる。
「過去事件と同じルート…足跡や砂文様が示す方向も一致している」
森の入り口からかすかに枝が折れる音が聞こえた。
翔子は息を整え、視線を外す。「…また誰かが見ている」
ロンは低い声で言う。「警戒しろ。過去事件に関わる者、あるいはその痕跡を利用する現代の影かもしれない」
二人は砂文様の方向に沿って森へ進む。微細な土の凹凸、葉の散らばり方、金属片の反射――
すべてが失踪者の移動経路を示している。
翔子は巻物と足跡を照合し、深く息を吸う。「この失踪は偶然じゃない。過去事件の影響が現代にも残っている」
ロンも頷き、慎重に進む。「証拠が示す道をたどれば、真相が見えてくるはずだ」
森の奥、微かな光の下で、落ちた帽子と古い印章が見え隠れする。
「…これが手掛かり」翔子の目が鋭く光る。
過去の事件の影が、現代の村で静かに息づき、二人をさらに核心へ導こうとしていた。




