ビビるな根性見せろ勇気を出せよ爆発しろ
閉塞した社会に息苦しさを感じる。自由で開かれたウェブだったのに、いつしか検索履歴で雁字搦めになる網となった。ちょっとした落書きも特定されるインターネット空間はディストピア小説に描かれる相互監視社会を実現させた。これが望んでいた未来なのか? 違うだろ、絶対に違うだろ!
世知辛い時代に背を向けようとも、どこを向こうが目の前にあるのは汚い世界、それだけだ。仕方がないから狭い部屋に引きこもり窓を閉め切って目を瞑る。そうしていれば気分が楽になる……かと思ったら、そうでもなかった。
エアコンのない部屋にこもっていたら暑くなってきたのだ。換気していないので酸素が足りないのか呼吸が苦しくなってきた。窓を開けるか部屋から出たくなる……けれど、外の世界とは触れ合いたくない。
要するに怖いのだ。外が怖くてたまらないのだ。
だが、次第にそんなことを言っていられなくなった。暑さは耐えられないほどになり、閉鎖された空間にいることで閉所恐怖症的な呼吸苦が悪化した。この圧力のせいで、どうにかなりそうだった。
どうにかなったら、何がどうなるというのか? 爆発だ。この世の中に対するありとあらゆる不満を爆発させるのだ。その結果がどうなろうと、構いはしない。そうさ、何の関係もありゃしねえ。何がどうなろうが、知ったこっちゃねえンだよ!
まさに暴発寸前だ。一体こいつは何者か? こいつが誰であれ、通報した方がいいかもしれない――とお考えの方がいたら、残念な報告をしなければならない。こいつの正体が何なのか、分からないからだ。こいつは謎の存在なのだ。
暑さと圧迫感に苦しむ謎めいた存在の正体を知っているのは、このローファンタジー世界を創り上げた存在だけである。このローファンタジー世界の神である創造主の被創造物であることは確かなのだ。逆を言うと、それしか分からない。
この創造主は自らの被創造物に試練を課している。凄まじいストレスを、あえて与えることで、なにがしかの変化を促しているのである。
それが何なのか……誰にも分からない……と書いているうちに、変化が起きた。
超高圧・超高温状態となった被創造物が突然、大爆発したのだ。大爆発によって被創造物が、外の世界――そこには『なろう系』と呼ばれる創造的空間が存在した――へと猛スピードで拡散していく。新しく広がった創造的空間は新しい宇宙体系となった。従来までの宇宙体系つまり『なろう系』が終わり、新たなる創造世界『何がどうなろう系』が爆誕したのである。
そんなわけで「小説家になろう」20周年おめでとうございます(←どんなわけよ? わけがわからない!)。