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幕間③

 ここはとある部屋の中。執務室のように本や机が備え付けられており、正体不明の黒ずくめの者が机に向かって作業をしていた。


「ご報告があります」

「どうした? 今日は報告日ではなかったはずだが」


 急に部屋の中に仮面を着けた者が現れたが、黒ずくめの者は動じることなく淡々と話しをしていた。だが、仮面の者が焦っている事を感じ取ったようで、作業の手を止めて向き直る。


「…タカミの街のダンジョンで人狩りをしていた者と邪竜、それとキーノが倒されました」


 仮面の者がそう口にした瞬間。強烈なオーラが黒ずくめから発せられて部屋の中が酷い有様に変わる。


「誰がやったのだ?」

「ジュンとシェリルという者が邪竜を倒したと街では広まっております。また、シェリルは人狩りの者が昔攫うのに失敗した者です」

「実力はどうなのだ?」

「遠くから見た感じですが、シェリルは元々Aランクという事もあり確かな実力者です。ジュンの方は良くてBランクですかね。ただ防具は一級品です。…シェリルは呪われており当時は実力を出せなかった状況ですが、人狩りならば十分に倒せる可能性はあります」


 黒ずくめの者は仮面の者の説明を聞いて頭を悩ませる。


「すると、邪竜やキーノを倒す実力は無いという事か」

「はい。邪竜は怯むことがなければ倒せる可能性がありますが、キーノはどう考えてもあり得ません。遊びすぎて一発もらう事は考えられますが、その一発でキーノを殺せるならば見ればわかります」

「そうか。人狩りはどうとでもなるし、邪竜はただの実験体だ。面白いから自由にさせていただけだから死んでも構わん。だが、キーノは別だ。あれの素体は苦労して手に入れた物なのだ。それを失ったのは痛いな。…せっかく渡り人の魂も使ったのだが」


 黒ずくめの者は考え始める。その間仮面の者はジッと黒ずくめの者が動くのを待っていた。


「近いうちに幹部を全員集めろ。キーノが倒された事は見過ごせん。このままでは我々の計画に支障が出るからな」

「は」


 仮面の者は煙のようにその場から消えていった。

 黒ずくめの者が指を鳴らすと部屋は元の戻る。そのまま黒ずくめの者は作業を再開し始めた。ただしその胸中は穏やかでない。


「まったく面倒な事になったな。ボスも怒るのは分かるけど部屋を散らかすのは止めてほしいな。自分で片づければいいけどしないもんな。しかし、どこのだれか分からないがこんな事が起きたら楽に死なせてもらえないだろうな。せいぜい上質な素体である事だけは祈りたいものだ」


 そう言いながら仮面の者は部屋の片づけを始めるのだった。



 それぞれの休日


 基本的にジュン達は誰かと一緒にいることが多く、一人で行動することは少ない。だがそれでも一人で過ごす事もある。


 今回はそんなジュン達の休日の過ごし方を見てみよう。


 ①ジュンの場合


 普段のジュンは修練場での訓練や、描写は無いがシェリルから魔法や魔物の生態について教わっていることが多い。


 そして、空いている時間でベル達と遊んでいるのだ。意外に忙しく過ごしているジュンだが、一人の時間は専ら昼寝である。


「さてと、今日はあそこにでも行くとするかな」


 開放感があり、セラピードルフィン達の声が程よく聞こえる海がジュンの休憩場所だ。時折セラピードルフィン達が癒してくれるのも理由の一つだ。


「風が気持ちいいな」


 ジュンはそのまま夢の中に誘われる。こんな生活もたまにはいいだろう。


 ②シェリルの場合


 シェリルは訓練とジュン達の指導をしていることが多い。そんな彼女は一人で過ごすときは、のんびりと読書をしている。


 シェリルのアイテムボックスには結構な書物が入っており、本は暇を潰すのには丁度良かった。


 ついでに美味い酒やつまみに欠くことはない。以前はリビングだったが、今は可愛らしいハニーベア達が生息している花畑で穏やかな時間を過ごすのだった。


 ③ベルの場合


 皆は食事が大好きというイメージをベルに持っている。だから休日も何か食べているのだろうと思っていた。


 しかし一人になるとベルは大人しかった。日課である月光樹と不老長樹の世話を終えると、樹の上で丸くなっている。


「キュ~」


 そして昔を懐かしむ。元々は樹の上で生活していたベルにとっては慣れた光景でもある。


 ジュン達は一番大切な家族だが、それでもかつての仲間達を忘れる事は無かった。


 樹の上で目を閉じて、楽しかった仲間との日々を夢の中で見るのであった。


 ④コタロウの場合


 コタロウは基本的に誰かと一緒にいたい性格だ。しかし、皆が一人でゆっくりしたい気持ちも理解している。そんな時コタロウは一人別室へと向かうのだった。


「たぬ!」


 そしてアイテムボックスに入れている食材を取り出すと、気合を入れて料理を始める。


 難しい料理を作れるわけではないが、皆が美味しいと言って食べる姿を想像するだけで元気が出てくる。


「たぬぬ♪ たぬぬ♪」


 皆の好物を用意しながら、美味しくなるように心を込めて作るのであった。


 ⑤リッカの場合


 リッカは別室に向かうと、糸や綿などの素材を用意して、一人黙々と編み物を始める。


 部屋の中には完成図も書かれており、そこには皆の絵が書かれていた。そう。リッカは皆の人形を作るつもりなのだ。


「ベア、ベア」


 一針一針、丁寧に紡いでいく。特殊な素材もあるため進行ペースは遅い。それでもリッカは一日中、ジックリと人形を作り続けるのであった。


 ⑥ムギの場合


 ムギは寝室の布団の上で一人立っていた。そして、近くにラジカセを置いてジュンの適当に詰め合わせたCDをかける。


「♪」


 音に合わせて体を動かす。邦楽・洋楽・民謡・国歌・アニソンなど様々な曲が流れるが、どれを聞いてもムギは楽しそうにしている。ある意味休日も訓練を欠かさないムギだった。

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