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私の存在意義

アリア視点。

 パーティーから戻った私は、親や使用人にセルダ侯爵家について尋ねた。そして、その結果に再び愕然とした。

 正妻の娘であり、とぅるらぶの悪役令嬢であるイザベルは、何と修道院に入っていた。

 最初、側室達に追い出されたのかと思ったが一応、亡き母に祈りを捧げる為という理由らしい。更に生活魔法というものを生み出して、幼いながらも聖女と呼ばれているそうだ。


(乙女ゲームと、全然違う……もしかしてイザベルも、あとエマも転生者?)


 エマもと思ったのはパーティーで見た彼女もまた、乙女ゲームと別人だったからだ。とは言え、今は私も伯爵令嬢なのでいくら半分平民の血を引いていても、ゲームのように良くて天真爛漫、悪く言えば傍若無人な態度はマズいと解る。そんな私同様に、マズいと解ってキャラ変したのならネット小説で見たような、性格ブスなお花畑タイプではないのだろう。


(逆ハーレムを狙うような、ガッツリ肉食女子だと困るから……良かった、のかな?)


 そう思っているうちに件のエマが王子の学友になり、翌年のパーティーでは早々に婚約が発表された。更にイザベルが生活魔法の他、寄り添いという活動を認められて招待されたと両親から聞いた。

 話自体は喜ばしいことだが、その話を聞いて私は思った。 


(あれ、私、やることなくない?)


 私はとぅるらぶが好きだったので、サポートキャラである自分の役割を果たす気満々だった。

 しかし、エマは既に王子を攻略済である。更に、ゲームでは敵対していたイザベルとも仲が良いらしい。結果、私がサポートする余地はない。

 齢八つで、私は己の存在意義を見失った。しかししばらくするうちに、私は新たな存在意義を見つけ出した。

 年齢的には子供だが、やはり言動の端々で私に大人びた感じや、頼もしさを感じるのか――同年代の令嬢達から悩みごとを相談されるようになったのだ。

 この世界では自分で解決出来なければ相談する代わりに、言われたことには最大限従わなければならないという考え方がある。

 しかし私には前世の記憶があるので、話は聞くがこちらの気持ちを押しつけたりはしない。しかも(私からすると当然だが)聞いた悩みごとを周りにバラしたりもしない。あと悩みや愚痴を聞いて貰うだけではなく、何らかの回答を求める場合は寄り添いより、私に聞いて貰う方が良いらしい。

 結果、私は一部の令嬢達から頼られるようになった。そして、私は決心した。

 

「よし! 皆のサポートキャラに、私はなる!」


 そんな訳で、私は全方向でサポート出来るように勉強も武術も頑張った。更に、万が一でも令嬢達からライバル扱いされないように、男装するようになった。幸い我が家には兄も姉もいて、しかも皆私に甘かったので娘の奇行も「似合っている」と笑って許してくれた。

 ……しかしそのせいで令嬢達から惚れられるようになり、私は頭を抱えることになる。

あと一話、アリア視点続きます。

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