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魔法適性0の守り人  作者: まとい
~守り人就任編~
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寂れた街を歩く女性

 大陸エルーノス。ここは魔法が日常生活に欠かせないものとなっている世界。

 人々は物心ついたときには、すでに魔法を扱えるようになっている。幼い子供達は、お互いに親などに教えてもらった魔法を使い、友達と遊んでいる姿も珍しいものでもない。

 また、暮らしに役立つものは魔道具と呼ばれていて、使用者が己の魔力をつぎ込むことにより、動く仕組みとなっている。

 魔法が全てにおいて必要になってくる。そんな世界。


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::


 ある街を一人の女性が歩いていた。

 女性はどこか学者然とした風貌で、長いつややかな黒髪を後ろで一つに結んでいる。すらっとした体格で、眼鏡の奥に見える目は、自信に満ち溢れた印象を与える。

 そんな彼女が歩いているのは、舗装もされていない道。周りにある家屋や商店はすべてが木で作られており、全体的に寂れている。

 この街で、女性はある一つの建物を目指して歩いていた。

 女性は少し前に立ち寄った場所でもらった、メモ用紙を懐から取り出す。


(ギルド会館を過ぎてすぐを左か……)


 目の前に現れたのは、これまで見てきた建物よりも、大きく頑丈なつくりをした建造物。

 この街、この国の特徴ともいえるギルド。その大本となる建物だ。

 女性の目に中の様子が映った。

 屈強な男どもが椅子に座り、酒を飲む姿が見える。カウンターらしきものも見え、そこで何やら話し込んでいる者もいた。特に男が多いが、ちらほらと女性の姿も見て取れる。

 共通しているのは、そこにいるすべての人が何かしらの武器を持っていることだ。大剣を背負っている者もいれば、小さな短剣を腰につけている者など様々。

 女性はそれを見ると、メモ通りに左に曲がった。

 建物と建物の間をすり抜けるように、小さな道となっている。


「本当にこの先にあるのか?」


 女性は少し疑いの目で、もう一度もらったメモを見る。

 メモにはしっかりとこの道を行くように書かれていた。


(まぁ、身を隠すのにはうってつけの場所ではあるか)


 納得するように、女性はその道に入っていった。

 果たして、女性の通った道の先には一軒の建物があった。

 女性はそれを確認すると不敵に笑う。

 そして、迷うことなく扉に手をかける。

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