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天音警視

侘助は次の日早速天音警視にアポを取った。

天音警視は侘助の誘いに快く応じてくれ、2人は一緒に夕食をとることになった。

「お忙しい所すみません。しかも突然」

「気にしなくていいよ。みんなが思っている程私も忙しい訳ではないからね。それで、話とは?」

「実は……」

侘助は有働の話を洗いざらい話した。もちろん井筒と有働の名前は伏せてだ。

「……にわかには信じられんが……。君がそんな冗談を言う人間とも思えん」

「はい、名前は言えませんが信用できる奴からの情報です」

「そういうことか。つまり高雲君は私に情報管理課への口利きを頼みたい訳だ」

確信をついた発言に侘助はたじろいだ。なるべくなら天音警視に迷惑がかからないように行動したいと思う侘助であったが、仮に井筒や情報管理課の誰かが黒だった場合には天音警視にも監察からの聞き取りがあるだろう。

「は、はい……。あの、無理でしたら……」


「うーむ……では、情報管理課の原田警部補という者を紹介しよう」


「ほ、本当ですか!?」


「原田は私の後輩だが今年の私と入れ替わりで情報管理課に入った。信用できる男だと私は思うが、高雲君としては原田も容疑者の1人なのだろ?」

「そ、それは……」

侘助が顔をしかめると天音警視はふっと笑った。

「意地悪な発言だったな。大丈夫だ。原田には上手く話しておく。不正アクセスの話はせずに、高雲君が話を聞けるようにしておくよ。

そうだな、明日という訳にはいかないから、明後日はどうだ?」

侘助にとっては願っても無い話だ。

「あ、ありがとうございます!」

「気にしなくていい。私はね、高雲君には 期待 しているんだよ、 色々 とね」

侘助は言葉も無かった。



「高雲君、話は変わるんだが一ついいかね?」

「は、はい」

「これなんだが……」

そう言って天音警視は一冊の大学ノートを侘助に見せた。

「大学ノート?それは、なんなんですか?」

侘助の言葉に天音警視は一瞬ピクリと反応した。

「いや、やはり大丈夫だ。大した事じゃないんだよ。それより今日は私が奢るから、君も飲もう」

そう言って天音警視は大学ノートをさっとしまった。

「いえ、私からお誘いしたのにそれは……」

「気にするな、私は今日は非常に気分が良い。素直に奢られてくれ」

天音警視は確かに機嫌が良さそうだ。今日というか、急に機嫌が良くなったみたいだ。

侘助は素直に従う事にした。酒は飲めない訳ではないが、筋肉をつけるのに非効率ということで滅多に酒を飲まない侘助は、この日久しぶりに酒を飲んだ。

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