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榊と生田目3

生田目は深呼吸してもう一度『何か』があった場所に触れてみた。



「あったよ、本当に……」



信じられなかったが、現実に自分の手に透明なノートが触れている。



「おい、あったぞ、ノート」



生田目は榊を呼び寄せる。



「な!やっぱりあっただろ!」



「……信じられないが実際にこうやって手に取っているんだ。もう信じるしかない。


しかしこれで今後の方針を一から考え直さなくちゃならない」



「方針って、このノートを捜査本部に持っていけばいいだろ」




「まぁちょっと待てよ。

俺はお前が記憶を無くしたのをこの目で見ているし、今ならお前が話した事が全部本当だって言うのは分かる。

だが他の奴らはこのノートを見ても、ただの不思議なノートというだけで、行方不明事件とは関連付けてくれないかもしれない」



確かに透明なノートがあることは証明されたが、これが行方不明の原因であることはまだ証明できていないのだ。



「まぁそうかもな」



榊は渋々生田目に従う。




「とりあえずもう少し俺たちでこのノートを検証するとして……厄介なこのノートの記憶を消す効力をどうにかしないとな。


俺たちも明日にはこのノートのことなんておぼえていないかも」


榊はそうだったという風にその場でうな垂れた。


「まぁ記憶が無くなる事に関しては、気が進まない方法だが、一応一つアイディアがあるから最悪大丈夫なんだが……なんか引っかかるんだよな……」



そう言って生田目は考え込む。



「ノート。行方不明。学校…………。


榊、もしかして今この町では、白紙の大学ノートを残して行方不明になる案件が多発してるんじゃないのか?」



榊は捜査機密であるはずの内容を生田目がずばり言い当てた事に動揺した。




「ど、どうしてそれを?」



「やっぱりか……お前らはその件で捜査本部を立ち上げた訳だ」



「……その通りだ。その不思議なノート、一度使うと白紙になるらしい」



榊がそう言うと、生田目はにやりと笑い言った。



「ふむ……良かったな榊。


おそらくその行方不明事件の犯人はこの町にいるぞ」



「どういうことだ?」



「白紙の大学ノートを残した不可解な失踪。

そんなのが頻発しているのは日本中でこの町だけだ。マスコミ関係の俺が言うんだから間違いない。


発生がここでしか無い理由は簡単だ。


行方不明の原因であるノートがこの町にしかないからだ」



榊はやっと合点がいったようで目を見開く。



「なるほど!


つまりこのノートをこの町の至る所に置いているやつがいるってことか!」



「その通り。たぶんこの町に住んでいるやつだろう。


しかもそいつは、市内全ての高校の図書室に出入りできる人物だ。


そいつを探せ、それが犯人だ」

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