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バミトントン 君と世界1周
こんなに暑いからだろうかー。
せみの声はときに悲鳴にもとって聞こえてくる。
そのうるさ過ぎる悲鳴は鼓膜だけではなく心までも蝕んでいくよう。
せみの悲鳴に混じって聞こえてくるすすり泣く様な声が空を占拠した。
「もう少しだけ…もう少しだけでいい。生きててよ…」
か細い声がしだいに大きくなるにつれ、声も途切れ途切れになっていく。
「これ…からおれは…おれは…」
男は最後の力を振り絞りながら、冷たくなったものに精一杯の思いを精一杯に打ち明けた。
「おれはどう生きればいい……?」