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厄日

私は……夢を見ているのだろうか?




(うん。きっとそう!それ以外考えられない!!)




だって……今日始めて会ったものっそいイケメンに突然キス&抱擁させたら誰だって「夢だ!!」って思うでしょ?


***********************


私は藍塚(あいづか)奈乃芭(なのは)中学3年生だ。私は今日卒業式です。ですが馬鹿な私は今日に限って寝坊してしまった…

お母さんとかに起こして貰えばよかったのに!とお思いでしょう。ですがこれまた今日に限って父も母も仕事で朝4時に家を出て行った…らしい。





あ〜ヤバイヤバイと思いながら学校に行く準備を整えるとダッシュで家を出た。私はとある理由で中学3年生になったすぐに引っ越したのだが残り少ない中学校生活なので今まで通り引っ越す前通っていた中学校に通ったほうがいいだろうということで、今すんでいる家から片道40分ほどかかるド田舎の学校に通っている。





(今日はお母さんもお父さんもいないからバスで行かなきゃな。バスで行ってもギリギリ間に合うかな…?)



などと時間計算しながら走っていた…。今思えばそれがいけなかったんだ…

前を…前をきちんと見ていれば…



「あ〜ヤバイヤバイバス間に合うかな?

バスが来るまであと15分ちょい…か。走って行けば余裕かぶフ!!」



馬鹿な私は前をしっかり見ておらず何かに鼻をぶつけてしまった…



しかも、ぶつかったのが この世の物とは思えぬ程に綺麗な顔をした背の高いイケメンだった…


余りに神々しいので直視出来なかったよ…しかも、イケメンの側ってなんか落ち着かないもんなんだね…初めて知ったよ…



だから私は「すみませんでした。」と言いながらイケメンから離れようと思ったのに…思ったのに!







ガシッと肩を掴まれたと思ったら…

「えっ!?なに?えっ!?いったいなんン!!」




いきなり…キス…されました…

そうして、今に至るということです…





************************


「んん!!…ン…」



(く…苦しい!!酸素が欲しい!酸素が私を欲している!…否!私が酸素を欲している!)



私は余りにも苦しいので少しでも酸素を得られるようにキスの合間に口を開けた…いや…正確に言うならば【開けてしまった】だ…



「……っ!!むぅ…ん!!」


な…なんか口の中にナメクジ的な物が入って来たんですけど!(泣)


「んんっ!!むぅ……」


く…苦しい!!(泣)さっきの倍の倍苦しい!!マジで苦しい!!死ぬ!!死ぬ!!マジで死ぬ!!ギブ!!ギブ〜!!





(あ〜もう私死ぬは…)


私はそう思い心の中でみんなにお別れを告げていると…




パンパンッ!! 「は〜いストップ、ストップ〜」



と、手を叩く音と陽気(呑気)な声が聞こえてきた。




「も〜駄目じゃないか蒼龍!!嬉しい気持ちも分かるけど〜奈乃ちゃん困って(死にそうになって)るからね〜いい加減止めなさ〜い」

と、また声が聞こえてくると、この変態は、ちっ!! と舌打ちを一つすると私を解放してくれた。


(た…助かった!…生きてる!私生きてるよ!(泣))


(いったいなんなんだこの人達は!新手の殺人鬼か?←)


などと失礼←なことを考えながらブスッとしているイケメン変態野郎とそれをへらへら笑いながら見ているこれまた凄いイケメン君をじーーーーと見ていると…

「ひぃっっ!!」





私は運悪くあのイケメン変態野郎と目があってしまった…



すると…その男はずんずんとそのなが〜い足を使ってあっという間に私に近づいてくるとガシッと捕まえられこれまたあっという間にギュッと後ろから抱き締められた…。

「うぎゃーーーーー!!いったいなんなんですか!いきなりキスしてきたり、いきなり抱きついてきたり!これセクハラですよ!セクハラ!セクシャルハラスメントですよ!離して下さい!」


「………やだ」



むきーーー!

なんだ『やだ』って!お前は駄々っ子か!

しかもなんだその声は!むだにフェロモン含んでんぞ!!しかも、突然の行動だったので反応し遅れた自分に腹が立つ!

いくら暴れても緩むことのない…否暴れると逆にギュッともっと強く抱き締めてくるこの男の子にしては少しだけ細い腕にも腹が立つ!てか、この変態男自体に腹が立つ!

「はーなーしーてーくーだーさい!大声出しますよ!叫びますよ!」


「………駄目」


「じゃぁ離して下さい。早く!私遅刻しそうなんで!今日卒業式なんで!」


「………やだ」



こ…こいつ!!呪うぞ!早く離せ!!


「蒼龍〜いい加減離しなさ〜い。奈乃ちゃんが卒業式に遅刻しちゃったら大変だからね〜そんな呑気に奈乃ちゃん抱き締めてるけど〜俺らも今日卒業式だからね〜。遅刻したらあいつらウザイよ〜」


「ちっ!!」



やっと解放させた!

(これ以上ここに長居は危険だ!)

そう考えをまとめると私はバス停まで全力疾走しました…………









だから私には彼らが呟いた恐ろしい言葉は聞こえなかった……


************************

「ククッ!俺から逃げられると思うなよ藍塚奈乃芭。おまえは生まれ変わろうとも俺の物だ。」


「わ〜奈乃ちゃん可哀想ーこんな執着心の塊みたいなのに産まれる前からロックオンされてるなんてね〜でもこれで俺らの日常もやっと面白くなるね〜退屈しないと思うよ〜俺らも奈乃ちゃんも〜」


「ククッそうだな。高校生活が楽しみだ。」


「蒼龍ニヤニヤしてて気持ち悪いよ〜」


「………うるせーよ」


「じゃぁ俺らも学校行こうか〜」


「あぁ」

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