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—/2\—『私、男の子…不安です』

お久しぶりです。

皆さん、最近気温の上下が激しい今日この頃。

如何お過ごしでしょうか。


「準備も出来てないのに召喚魔法が発動するってどういうことなのよ!」


「申し訳ありませんが原因不明です」


わたし双葉響ふたばひびき――――あ、男だよ私――――に、学校帰りの最中で起きた珍事件(…?)。

今日はカツ丼食べようかと考えていた矢先に、体が四方八方に落ちるよう感覚と共に眼前で起きた黒い光。

そして気付けばこの状況。


周囲の感じは慌しい。

壁は石レンガ造りで私の乗っている台のようなものも石レンガ造り。

そして全体的に円形だ。

石レンガの台には白いチョークで書かれたような幾学模様の魔方陣。


 

―――んでもって私の目の前には冷静な表情のメイドさん。

メイドさんと言っても、ロングスカートのメイド服の上に黒いローブ(マント?)を羽織っている。


それに相対するのは凄い勢いで百面相する煌びやかなドレスの女の子。

ドレスの色は漆黒でありながら威圧感というか…言葉に出来ない洗練さを感じる。


そしてその周囲を慌しく動き回る魔法使いのようなローブを着た人たち。


そんな人々の中心で呆然としている私。


 

・・・・・。


 

「あの、ここどこ――」

「――うっさい!」


ドレスの子に何故か怒られた。

最後まで言わせてよ。

いいじゃない。


・・・・・・・くそう。(・ω・` )


「セレス様。理由はどうあれ、召喚された以上、彼は『勇者』と扱うべきかと」


「うぬぬ…仕方ないわね。コホン————始めまして、勇者様♪(わたくし)は『黒の王女』、『セレスティア・ダークブラック』ですわ。勇者様のお名前を聞いても——」

「——先程、お言葉を遮断し、尚且(なおか)つ演技同然な口調を、今更するのはどうかと思いますが」


「どうしてそう貴女は一言遅いのかしらねぇ!!?」


「そして再び私は蚊帳の外、と……」


「あ」



うん。まぁ…ね?


「いやさ、良いよ?別に。そりゃあ話を阻害されりゃ怒るさ、誰だって。でもさ、四文字で片付けられるってどうなのさ。人が頑張って現実逃避して、『よーしめげずに頑張るぞー』な決意を込めた一言目を、四文字だよ?四文字。四文字でパァですよ。四文字熟語より単純明快な意味が込められた四文字で私の頑張りクラッシャーですよ。ゴルディオンな四文字で光にされちゃいましたよ。私が最初っからクライマックスにされちゃいましたよ。……泣くよ泣くぞ泣いちゃうぞの三段活用。十七の男の子が子どもみたいに泣くぞ。結構辛いんだからな?問答無用で遮られるのって。あーもう世界が滅べば良いのに」


(((なんかえらく物騒な事言った!)))



長々と呟いていたら、頭が暖かい何かに包まれる。



「泣かなくても大丈夫です」



声からしてメイドローブの人が、私の頭を抱きしめている。

抑揚の少ない声だが、その僅かな声色から、(小さな子ども)をあやす様な心地良さを感じた。



「誰も貴方を泣かせません。だから、大丈夫です」



事務的で淡々、ほぼ抑揚の無い声色でありながら、それを感じさせない包容力が…そこにはあった。


「……うん」

「理解していただけた様で、何よりです」




背景、母さん父さん。

心のオアシスが、見つかりました。






「————え、ちょ、ナニコレ」


メイドローブさんの向こう側の声はスルーで。

作者のイメージ


・主人公、双葉響

ネガティブ思考の自称「私」


・黒の王女、セレスティア・ダークブラック

ツンデレ努力家、くろいあくま


・メイドローブの人

ぶっちゃけ境ホラの"武蔵"さん

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