意地とプライド
「あの……」と僕が言い終わる前に彼女は「無理」と答えた。
「いや、まだ何も言ってないんだけど……」
「だから無理よ」
そう言いと彼女はスタスタと歩いていく。僕は彼女を追いかけた。
3日徹夜して書いた手紙を、4日かけて彼女に渡した。
そして今日に至る。
「『無理』って言うけど、俺が何言おうとしてるか分かってるの?」
「どうせあれでしょ、『好きです』みたいなこと。私そういうの嫌なんだよね。鬱陶しいっていうか、とにかく嫌なの。だから無理」
放課後の校舎裏、ベタというならベタ中のベタだ。
「はぁ? 何言ってんの?!
心拍が早くなっていく。脇汗が止まらない。
勝手に決めんなって、俺がお前のこと好きだなんて」
彼女の言ったことは正しい。俺は彼女に告白しようと思って呼び出した。
「そんなんじゃねーよ。だからあれだよ、天気がいいなっていうこと」
意味の分からない会話。背中は汗でもうびしょびしょ。
「―――バカじゃない」と言い残すと彼女は去って行った。
意地とプライド。
これまでの告白成功率、0勝12敗。
大きく負け越し。
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