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掌編小説

意地とプライド

作者: 斎藤康介

「あの……」と僕が言い終わる前に彼女は「無理」と答えた。


「いや、まだ何も言ってないんだけど……」


「だから無理よ」


 そう言いと彼女はスタスタと歩いていく。僕は彼女を追いかけた。

 3日徹夜して書いた手紙を、4日かけて彼女に渡した。

 そして今日に至る。


「『無理』って言うけど、俺が何言おうとしてるか分かってるの?」


「どうせあれでしょ、『好きです』みたいなこと。私そういうの嫌なんだよね。鬱陶しいっていうか、とにかく嫌なの。だから無理」


 放課後の校舎裏、ベタというならベタ中のベタだ。


「はぁ? 何言ってんの?!


 心拍が早くなっていく。脇汗が止まらない。


 勝手に決めんなって、俺がお前のこと好きだなんて」


 彼女の言ったことは正しい。俺は彼女に告白しようと思って呼び出した。


「そんなんじゃねーよ。だからあれだよ、天気がいいなっていうこと」


 意味の分からない会話。背中は汗でもうびしょびしょ。


「―――バカじゃない」と言い残すと彼女は去って行った。


 意地とプライド。

 これまでの告白成功率、0勝12敗。

 大きく負け越し。

9/21 誤字修正

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