第6話『変化』
ダンスター:「しかし、これは『WGC』の一部のメンバーしか知らないはず…、なぜ神谷くんが!?」
アルベルト:「まあ、そんなことはどうでもよい。神谷くん、この図を他に知ってる人はいるかね?」
神谷:「いますよ。あそこにいる3人です」
アルベルト:「ちょっと、あの3人をここに呼んでもらえないか?」
神谷:「かまいませんよ」
アルベルト:「じゃあ、頼む」
神谷は響たちのほうへ近づいていった。
少し離れたところから見ていた3人は、
向井:「おい!あいつ、こっちに向かってくるぞ」
天道:「どうせ教授に、みんなで協力してやりなさいとか言われたんでしょう」
神谷は3人の目の前まで行き、
神谷:「博士と教授が呼んでいる…。」
響:「なんで?」
神谷:「行けばわかる」
3人は神谷と共に教授と博士のところへ向かった。
教授と博士の目の前に着くと、
アルベルト:「ありがとう。神谷くん」
神谷:「いえ」
アルベルトは一回咳ばらいをし、
アルベルト:「せっかく、集中して研究をしている中、呼び出してすまない。しかし、今から話すことは君達3人にもきいておいて欲しい」
響:「アルベルト、それはあの図と記号のことか?」
アルベルト:「ああ、そのことも話すが、あと、お前にとってとても重要な話もする」
ダンスター:「博士、まさかこの子達にあの話を!?」
アルベルト:「そうだ。もう話してもいい時期だろう?それに彼らは『あの男』がだした答えに気づきかけている」
ダンスター:「…確かにそうですが…。」
アルベルト:「では、話そう。この図は31年前に突如あるWGCの研究員のもとに送られてきた手紙に書いてあった定理のようなものに使われていたものだ。手紙の送り主はキャプテン・J・Lという正体不明の人物で何者なのかは今だにわかっていない。当時、誰もこの記述を解読できる研究員はいなく、私たちはJ・Lを探した。しかし、彼は全く見つからず、なんの手掛かりも出て来なかった。それから15年たって私たちがあきらめかけていた時、ある一人の研究員があの記述の解読に成功したのだった。その研究員の名前は舞川仁。響!お前の父親だ!」
響:「俺の父さん?…」
アルベルト:「ああ、そうだ!しかし、彼は解読をしたということだけを私たちに伝え、消えてしまった」
響:「…消えた?父さんは事故で死んだじゃ!?」
アルベルト:「今まで嘘をついていてすまない。君の父親は事故で死んではいない」
響:「じゃあ、父さんはどこへ!?」
アルベルト:「おそらく、異次元か未来だろう…」
響:「そんなところへいくことなんかできるのかよ!?」
アルベルト:「…わからない。しかし、私は信じている!そのようなところへいけるということを!」
ダンスター:「そうだ!君達はその入口を開くところまで来ている!不可能なことなんて世の中にはないんだ!」
アルベルト:「ダンスターくんの言う通りだ!君達はあと少しで答えへたどり着く。これからは私達も少し手を貸そう!」
響:「もし、この記述を全て解読できたら父さんに会えるのか?」
アルベルト:「もちろんだ!私も彼との再会を楽しみにしている。響、そして向井くん、神谷くん、天道くん!この記述を全て解読し、歴史に名を刻もうではないか!頑張ろう!」
これを合図にチーム9とアルベルトとダンスターはお互いの意見を出し合い、日が暮れるまで話し合っていた。
ダンスター:「博士、時間も遅くなってきたことですし、この続きは明日にしませんか?」
アルベルト:「ああ、そうだな。今日はこの辺にしておこう。…ではまた明日」
響:「じゃあな!アルベルト!さようならダンスター教授」
ダンスター:「さようなら」
その後、4人は特に何も口にせず、それぞれの家に帰っていった。
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