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第2話『偉大なる第一歩』

響は授業を終え、一旦、家に帰り、アルベルトの家に向かった。



彼の家は俺の家の隣にあり、すぐに着いた。彼の家はレトロな西洋風の屋敷のような家で現代ではあまり見られない味のある建築だ。俺は小さい頃からこの変わったアルベルトの家に妙に惹かれるところがあった。


響:「アルベルトー。入るぞー」というと響は門を開け、ドアを開き、すぐ入ったところの階段を上がっていった。階段を上がると、右へ曲がり、廊下を少し行くと、研究室があった。扉は無動作にも開いたままになっていた。中に入ると、アルベルト:「やっときたか!今から私の発見を見せてやるから、ちょっとそこにいてくれ!」そういうと、アルベルトは厳重な倉庫のようなところに入り、15センチほどのカプセルのようなものを3つと、一通の手紙を持ってきた。


響:「おい。アルベルト。こんなんでいったい何が起きるっていうんだよ」

アルベルトは手紙をポケットにしまいながら、


アルベルト:「ああ、今から説明しよう。まず、このカプセルに入っているのはお前も知ってると思うが、これが『A』という物質でこっちが『I』という物質だ。」


響:「アルベルト、もしかしてブラックホールでも作るっていうのか!?」


アルベルト:「まあ、確かにこの2つの物質を化学反応させるとブラックホールができる。しかし、私の発見はこの先にあるんだ!」アルベルトはもう1つのカプセルのようなものを取り上げ、こう続けた。


「私はブラックホールを完成させた後、ブラックホールに入ったものはどうなるのか、ふと疑問に思った。本当に別の空間に送られたのか、本当はブラックホールの中に入った瞬間に消滅させられてるのでないかと、そこで私はブラックホールは別の空間への入り口だと、ヤマをはり、研究を始めた。そして、あるときブラックホールができるときの化学反応においての規則性に気がついた!ブラックホールができる際、2つ物質は円を描くように絡み合うんだ。その円が何重にもなるとブラックホールが生まれる。すなわち、ブラックホールはその2つの物質によって形成された円の層によって構成されていることがわかった!そして、さらに研究をすると面白いことがわかった。2つの物質が作りだす円の層のパワーの数値が部分によって異なっているんだ。もし、ブラックホールを別の空間への入り口だとしたら?…」


響:「その層の場所によってパワーが異なるからいろんな空間に行けるってことか?」


アルベルト:「そういうことだ響!」


響:「でも、ブラックホールにどうやって層ごとに入り口を作るんだよ?」

アルベルトは持っていたカプセルを響に見せ、こう言った。


アルベルト:「その問題はこいつが解決してくれるんだ。この物質には磁石のような性質があって、この物質を『A』と『I』にこのように混合させる。それでブラックホールを作る」


アルベルトは2つのカプセルから物質を取り出し、接触させた。すると、その瞬間、勢いよく2つの物質はまるでトルネードのように回転し、あらゆるものを吸収し始めた。


響:「おい!アルベルト!こんなんじゃ入り口なんかわからねぇよ」


アルベルト:「あともう少しだ!もうちょっとブラックホールの中を見ててくれ!」

そういうとアルベルトはさっき持ってきてポケットの中に入れた手紙を取り出した。そして、少しすると、ブラックホールの中心あたりから小さな穴のようなものが開きはじめた。その穴はバチバチと音をたてながら徐々に広がっていった。アルベルトは突然「今だ!!」っと言いその瞬間、その穴に向かって手紙を投げこんだのであった。

それから、少しするとブラックホールは消えていった。

響:「なあ、アルベルト。入り口ができたのはなんとなく磁石の反発し合う性質を利用したっていうのはわかったけど、なんで最後に手紙を入れたんだよ?」


アルベルト:「今にわかるよ」アルベルトはそういうと顔をにやつかせた。響はわけがわからず、困惑したような表情を見せた。


すると、家のチャイムの鳴る音がし、「ホイラーさんお届け物でーす」という声が聞こえてきた。二人は研究室をでて、階段を降り、配達人のところまでいった。


配達人:「ホイラーさん宛てに200年前からずっと保管された手紙が届いてます。送り主はアルベルト・ホイラーという人物とのことであなたと同姓同名らしいですね。こんな手紙を届けたのは私は初めてです。どうぞ、お受け取り下さい。」


アルベルト:「ああ。今まで厳重に保管してくれて感謝してるよ。ありがとう。」


配達人:「はい!それでは失礼します」

配達人はそういうと去っていった。


アルベルト:「ほら、響。こいつを読んでみてくれ。」アルベルトはまたも顔をにやつかせ、響に手紙を渡した。響は戸惑いながらも手紙を受け取り、封を外した。手紙にはこう記されていた。


【響へ この手紙はさっき私が投げこんだ手紙だ。私の計算によると、ちょうど200年前にこの手紙が送られ、届いてるはずだが、実際はどうだったかな?この実験はすでに100年前に送る実験で成功しているから今回の実験が成功していればより確実のものとなるだろう。そうなると、人類のタイムトラベルも夢じゃないだろう。 アルベルトより】


響:「アルベルト!あんたすげえよ!」


アルベルト:「ああ。本当にありがとう!私はこれをより安全なタイムトラベルにできるよう研究を進めることにするよ!」


響:「成功を祈ってる!」


二人は笑顔で抱擁を交わし、それぞれいろんな思いを胸に秘め、何かを確信したのであった。


引き続きまたよろしくお願いします!

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