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15‐イチゴ‐

作者: Me
掲載日:2026/05/10

私は私が分からない

15歳になってからそう思うことが増えた

私が何をしたいのか何ができるのかそれすらも

周りが輝いて見える

そんなことをずっと考えては考えないようにしてる

今日も朝が来た

「いちご〜!おはよ!」

「ゆめおはよ

ゆめは高校決めた?」

「うん!女子校で可愛い制服のところがいいから、川

学!」

「いいね

私はどうしようかな」

「まだ時間あるからゆっくり決めなよ」

「そだね

まだ大丈夫だもんね」

「じゃあまたね!」

「うん、またね!」

なんか暗い雰囲気になっちゃったかな

いい加減高校決めないとな

「おはよぉいちご!」

「光おはよ!」

「いちご!私高校決めたの!」

「えっ……」

ダメだダメだ

光が決められたのはいいことなのにガッカリなんてしたらダメだ

「よかったね…ずっと悩んでたもんね!」

「うん!説明会行ってココだ!ってなったの!

もうここしかないって!」

「そっか」

「うん!いちごもきまるといいね!」

「うん」

やっと帰る時間だ

高校の会話ばっかり嫌になる

みんな次々と進路が決まるのに私だけ決まらない

昔から将来の夢を書く欄が嫌いだ

どうすればいいの?

何が正解なの?

分からない

何を見ても感じてもピンとこない

やめよう

漫画のことでも考えていればいいんだ

「ただいま」

「おかえり

ご飯食べたら塾だからね」

「うん

分かった」

誰か気づいてよ助けてよ

そう思う自分が大嫌いだ本当に

悲劇のヒロインずらなんてしたくない

私は何も才能がないただの15歳の中学3年生なのに

「じゃあ、いってきます」

「いってらっしゃい」

もう勉強もなんのためにやっているのか分からない

何も求めているのかも分からない

「君、大丈夫?」

「えっ?」

「あぁごめん

怪しいものじゃないよ」

「怪しいでしょ

塾帰りにこんなよく分かんない和服着てる人に話し

かけられたら…」

「たしかに

怪しいかー」

「変なの」

「あっ今笑ったね!

そっちの方がいいじゃん!」

「なにその定番なセリフ…寒いよ」

「はぁ…?!あったまるとこだろそこは!」

「あなた、私と同じくらいだよね?名前は?」

「名前?アンセル?」

「なんで疑問形なの」

「変?名前っぽくない?」

「いや悪くないと思うけど

てか名前っぽくない?って何?名前じゃないの?」

「君が名前だと思うなら正解だ!」

「何言ってんの?」

「ひどいなぁ

僕のこと君が呼んだんでしょ」

「はぁ?!本当に頭ぶっけた?」

「いいえ、一回も

今来たばっかだしー」

「もういいや

私、帰るから着いてこないでね」

「いやぁーそれは無理かな」

「警察呼ぶよ?」

「別にいいよー

僕のこと君以外見えないし」

「それこそ嘘でしょ」

「ほんとだって!試す?」

「試す

人通り多いとこ行くよ」

「はぁーい!」

「ねぇ私が呼んだってどういうこと?」

「言ったまんまだよ」

「聞いた私がバカだった」

「それより、ほらみてー」

「あんたって幽霊?!」

「違う違う

あとそれ、周りから見たらひとりで大声で叫んでる

人だから、やめた方がいいよ」

「あっ……」

恥ずかしすぎる……ってまじでコイツ何?

「コイツ何者?みたいな顔だね

なんでも良くない?君さぁ、出会いよりいい顔して

るしさ」

「もぉいいや

危害なさそうだし」

「これからよろしくね!い〜ちご!」

「私、名前言ってないよね……?!」

なんやかんやアンセルとかいう変人と過ごすように

なって数ヶ月経つ

やっぱりコイツはようわからん

「ねーいちごー

聞こえてる?」

「うるっさい!

なんで、私連れてきたんだろ」

「おい、聞こえてるぞ」

「学校行ってきますー」

「置いてくな」

「ゆめおはよ!」

「いちごおはよ!」

「コイツ誰だ?ねーねー

あっ今返事したら変人か」

なんだコイツまじで

「いちごどしたん?」

「なんでもない」

「いちごさん

ちょっといいですか?」

「はい」

「進路希望調査書いちごさんだけ出ていなくて、明日

出してくださいね」

「……はい

さようなら」

「さようなら」

「いちご?大丈夫か?」

「うん…大丈夫」

「消えていいか分からないけど、進路って何?」

「うーん

将来の方向性というか生き方というか」

「難しいね」

「アンセルもそう思う!」

「そだね

なんか人間は生き急いでるね」

「生き急いでるか……」

「まぁ、高校とかいうのでさ

確かに、人生は変わるけど、そこまで重く捉えなく

ていいんじゃない」

「えっ……」

「その選択を後悔しないような行動をすればいいだけ

じゃん」

「そんな風に考えるんだね

アンセルは」

「だって、人生ってのは短いんだろ」

「そうね」

「ここまで笑ってるとこ初めて見た!」

「アンセルがいいこと言うからさ」

「だろw」

「頭ポンポンしないでよ」

「わりぃw」

「まったく」

「なぁいちご

こちらこそいつもありがと!」

「急にどうしたのさ

まぁありがと」

「本当にありがと!

僕、、そばにいるからね」

「本当にどしたw

また明日アンセル!」

「おやすみいちご」

まぶしい朝かな

「おはよーアンセル」

あれ、いつもはすぐに返事があるのに……

「アンセル?」

どうして?どこにいるの?

アンセルは私から離れられないって言ってた

つまり、アンセルは……

「そばにいるって……そばにいるって言ったじゃん…」

「いちごどうしたの?」

「ママ」

「大丈夫?」

「相棒みたいなやつが突然いなくなったらどうすれば

いいの?

どうやって立ち直ればいいの?」

「全部が、戻ることはないと思う

でもね、その相棒もいちごが泣くのはのぞんでない

んじゃない

それにそんなに大切な相棒ならまたいつかまた会え

るかもよ」

「そうだね」

「ちょっとずつでいいの

ただ、忘れないでそれをふまえて進みなさい」

「うん…」

「いちご朝ごはんあるよー」

「ありがとー

あのね、ママ」

「どうしたの」

「覚えてる?

私が相棒がって泣いてたの」

「覚えてるも何も忘れられないよ」

「久しぶりにその時の夢見たんだよね」

「そうって遅刻するよ」

「やっば

いってきまふ」

「口に入れたままは危ないよ」

「食べ終わったー!

いってきます!」

「いってらっしゃい」

今思えば、アンセルは悩みすぎた私が作り出した幻だったのかもしれない

でも、私はアンセルがあの時一緒話した、あの時間を幻だなんて思いたくない

だから、私はあの時のアンセルの言葉を忘れずに、また会えると信じて進みます

これからも、文理選択、大学選び、学部選び、学科選び、仕事選び……いろいろな選択があるけど、私は多分もう大丈夫

あの時の思い出が私を前にすすめてくれるから

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