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恒例長ったらしい人物紹介は、もう出番がないだろうキャラも含めてまだ大台に乗ってはいない七十四人。こちらは大台に乗った笑える文字数で、今までのネタバレとほんの少しのここだけの暴露話をお送りしております。

 もちろん今回のサブタイも百文字です!


 人物(人外含む)紹介です。

 初出時に【】のついているものは、次の用語説明内に説明があります。

 各町村などの位置は用語説明にて。


●名前(あれば別名 髪色/目の色 実年齢もしくは換算や外見上の年齢)

 年始を迎え、皆ひとつ年を取りました。




〈シリーズメインと今作メイン〉


●リー(本名リーシュ 茶/金茶 二十三歳)

 シリーズを通してのメイン。魔物絡みの依頼を受ける【請負人(コート)】組織の組織員で、一番人数の多い中級請負人(コート)。童顔小柄な上に女の子っぽい本名がコンプレックスな酒好きの高所恐怖症。肩越しに抜けない大剣を使っていたが、普通に抜ける長さのものに変えた。

 メルシナ村の【護り龍】であるウェルトナックと知り合ったことで、現在は同期の親友アーキスとともに【龍】絡みの依頼である百番案件を担当することになった。本部協力員の所属証に加え、【保安(セリド)協同団】との協力許可証も持つ。

 人の身体に龍の魂を持つとされる【龍の愛子(いとしご)】で、幸運をもたらすといわれる彼を見るために龍からの依頼が殺到していた。その特性上、龍に好かれ、一度出逢えば半区画先でも居場所を悟られ、【エルフ】や【ハーフエルフ】に絆されない。

 ウェルトナックの娘の黄金龍アディーリアの【片割れ】でもあり、久し振りに逢う際には激突されるほど懐かれている。防具は服の下に着ている組織開発の薄手の防刃素材のもののみであるため、毎回身構え必須である。レジストとフィエルカームの様子から片割れの可能性を知ったものの、自分たちにはまだ無理だと自覚している。

 物心つく前に両親を亡くしたため、兄姉(きょうだい)と村の住人たちに育てられたようなもの。恩を返そうにも村では己のできることは少なく、村を出て請負人(コート)になることを決めた。兄姉(きょうだい)たちにはとても感謝しているのだが、素直にそれを見せることは滅多にない。

 口はあまりよくもなくツッコミ気質。常識のない某エルフや龍たちを怒鳴り飛ばすことは日常風景。ただ種族を問わず子どもには優しい。

 鈍感奥手であるのだが、恋人であるエルフのラミエとは上手くやっている様子。生きる長さが違うことを気にはしているが、それでも自分を選んでくれたラミエのために精一杯報いるつもりでいる。最近は慣れてきたのか、恋人らしさも増した。

 同期の喧嘩相手とは顔を合わせると憎まれ口を叩き合う程度に仲良くなった。バカ正直で真っ直ぐなところは嫌いじゃない、とお互いに思っている。


●ギル(龍の名ギルスレイド 少し暗めの金/金 請負人(コート)ギルとしての年齢は二十九歳)

 今作のメイン。リーの同期の中級請負人(コート)。リーは知らないが、ウェルトナックやフェイ、チェドラームトとも旧知の、かつて龍であったもの。人の身体にくすんだ金の鱗を持つ。

 時とともに剥がれていく鱗は残すところ僅かとなっており、すべて剥がれ落ちるとどうなるかは本人もよくわかっている。

 残る僅かな時間を恩人との約束とともに過ごしたいと願って請負人(コート)になったという、最古の記憶を持つもの。

 飽きるほど飲んだという酒の量は、おそらく人が一生では飲めぬほどの量であると推測できる。

 性格はとても穏やか。目立ったことはしないが、気付けば周りを落ち着かせている。




〈主要登場人物〉


●アディーリア(人の姿時アリア 金/金 十歳前くらいの外見)

 メルシナ村の護り龍、ウェルトナックの末子の水龍。その鱗を持つと幸せになるといわれる、龍の中でも珍しい黄金龍。愛子(いとしご)であるリーの片割れで、今はアディーリアからリーへの絆だけを結んでいる状態。リーのことは『大好きで大切』だが、リーからの絆を結べば変わってしまうと自覚している。

 まだ幼く、龍として成熟する前に得た片割れが生涯で唯一の愛子(いとしご)であったため、この『大好き』が龍である範疇からはみ出す想いとなってしまっている様子。

 性格は明るく素直。

 以前に巻き込まれた【反組合】が関わる誘拐事件は、逃亡中であった首謀者二名の死亡(見込み)を以て一応の解決となった。


●ラミエ(本名ラミエ・ワクラー・アス・ロットシェル 金/青 エルフ年齢三十三歳 二十歳くらい)

 恋愛ごとはマイナスに振り切るつもりの作者を押し切ってとうとうメインヒロインの座に登りつめたエルフ。作者にとっては圧強めの自由気ままなキャラであるが、作中の本人は肝心なところで勇気のでない、ちょっと自信の足りない女の子。ようやくリーと恋仲になり、今は残し残されることと向き合う日々。

 請負人(コート)組織の事務員で、紫三番の宿場町の食堂に派遣されていた。

 新年からは【同行員】として働くものの、請負人(コート)と旅をするには体力と魔法攻撃力にまだ不安がある。補助は得意。

 人を絆すエルフであることを気にしてもいたが、以前よりは吹っ切れた様子。というより今はリーとのことで頭がいっぱい。

 リーもそうだが、悩みが既に恋人の範疇からはみ出していることに気付いていない生真面目カップル。


●アーキス(調合師アクス・レーヴェ 銀/藍色 二十三歳)

 リーの同期で親友の中級請負人(コート)かつ【技師連盟】に所属する調合師。リーとともに百番案件の担当をする本部協力員。

 色々とハイスペックな双剣持ちだが、料理だけは残念な結果しか生み出せない。

 多くの弟子名を持つ技師であったが、調合師以外は返還した。

 元々は家族との行き違いから家を出て請負人(コート)となった。今は家族との確執もすっかり解消し、里帰りもできるようになっている。

 リーにとってのアーキスが請負人(コート)としての立ち方を教えてくれた恩人であるように、アーキスにとってのリーは生きる楽しさを教えてくれた恩人である。

 レーヴェのことは弟のように大事に思っている。今度こそ兄として、悲しい思いをさせないようにと決めた。

 実家でエレンの言いなりながら焼き菓子を作ることができたので、もうひとりでも作れるのではないかと思っている。もちろんリーが聞いたら全力で止めるだろうと思われる。


●フェイ(龍の名エルトジェフ 真紅/真紅 二十代真ん中くらい)

 幼い頃はウェルトナックと人の世を旅していたが、その後ドマーノ山で引きこもっていたところをリーと出逢う。

 今は請負人(コート)組織同行員。これからもリーと旅歩くために選んだ道であるが、現状はほぼ事務員としてこき使われる毎日。

 龍には足りず人には過ぎるからだけでなく、生来どこか抜けていて、リーにはよくツッコまれる。しかし自由であるがゆえの言葉は、時にリーの背を押すこともある。

 リー以外の知り合いも増えてきた中でも、変わらずマイペース。食堂では毎回美女たちを侍らせている男として有名だが、本人の容姿がいいことに加え、リーとは違い陰口すら言いにくい圧があるらしい。もちろん本人は何も意識していないが、龍なので当然といえば当然。


●エリア(本名エリア・シェーザ・アス・ミオライト 赤/赤 エルフ年齢二十一歳 人換算十六歳)

【シングラリア】騒動でリーと知り合い、そのまま請負人(コート)組織の同行員になることを決めた双子のエルフの妹。

 常識外れのエルフ理論と独自の双子理論を繰り広げるため、リーにツッコまれる日々。定番は食べながら喋る。

 リーへの想いは恋愛感情であるとの自覚はあるが、それを告げるつもりはなく、今はリーがいなくなってからラミエたちと語り合う思い出を集めている最中。

 請負人(コート)組織の事務員、かつティナとふたり一組での同行員。ヴォーディスではティナの充電池として活躍し、内緒の思い出も少し増えた。

 稀な事例だが、中の下だった魔力量、技術、威力も伸びてきている。


●ティナ(本名ティナ・シェーザ・アス・ミオライト 金/金 エルフ年齢二十一歳 人換算十六歳)

 シングラリア騒動でリーと知り合い、そのまま請負人(コート)組織の同行員になることを決めた双子のエルフの姉。

 碌に喋らず黙々と食べていることが多く、事務員として働けるのかとリーには疑問に思われているが、本人は問題ないと言い切る。同行員としてエリアとふたりで一人前扱いであるのは、ティナが補助魔法を使えないことが主な理由。攻撃魔法も初級魔法しか使えないが、規格外の高威力。

 伐採機代わりに日々限界まで魔力を使ったお陰か、今は三発撃っても昏倒しなくなった。しかし再び加減ができなくなり、現在は訓練中。




請負人(コート)組織と関連〉


●レジスト(金/赤褐色 四十四歳)

 第十代請負人(コート)組織長。上級請負人(コート)でもある。

 事務的なことは副長のマルクに丸投げして、自分は現役として外に出ていることが多い。組織長室もすっかりマルクの執務室となっている。

 風龍フィエルカームの片割れで、長年の研鑽からフィエルカームとの距離や方向を測る事ができる。出逢いが少年の頃だったせいもあり、フィエルカームに未だ子ども扱いされるところは不服でもあり、嬉しくもあり。

 上級請負人(コート)としての実力はもちろん、長としての求心力も兼ね備える。


●マルク(龍の名フィエルカーム 銀灰/銀 本来は銀/銀 二十代半ばの外見だが普段は五十歳くらい)

 請負人(コート)組織副長かつ上級請負人(コート)の風龍。レジストの片割れで隠れ甘いもの好き。

 机仕事はさっぱりなレジストに代わり、組織の事務を切り盛りする。レジストの甘さを埋めるかのように効率主義なところもあるが、本人(本龍)も芯の部分ではレジストにも負けず強情で無鉄砲なところも。

 本来はまだ青年の姿だが、レジストに合わせて外見を変えている。

 保安(セリド)協同団幹部のジャイルこと風龍のハリスガジェックと同行員のネルとは兄妹同然に育った。


●グレイル(焦げ茶/砂色 四十四歳)

 レジストの理解者である上級請負人(コート)

 これぞ大剣持ちという体格の妻帯者。

 森の中での方向感覚に優れているのは、本人曰く山育ちゆえ。

 基本世話焼きでお人好し、かつ常識人なので、同期三人の中では一番話が通じると思われる。

 不在も多いが、家族の理解とマメな埋め合わせで事なきを得ている。おそらくセーヴルが見習うべきはこの家庭だろう。


●デイン(暗緑/山吹色 四十六歳)

 レジストの理解者である上級請負人(コート)。童顔ではないが年齢より若く見える。

 同行員のイアンのことを「アニキ」と慕う。

 浅く広いお付き合いの相手の中には、浅く長いお付き合いの女性もいる。長期不在のあとに縁が切れる相手も多いが、彼女だけはどれだけ間が空いても同じように迎えてくれる。


●ミゼット(紫銀/金 エルフ年齢を記そうとすると某かの妨害にあう 見た目は二十代後半くらい)

 請負人(コート)組織同行員のエルフ。上級請負人(コート)でもある。

 表向きは一同行員であるが、初代組織長の妻で現在は裏ボス。夫が残した組織を守ることを生きる支えとしてきた。子どもはいない。

 実力者であるがゆえの大胆な行動をとっては、幼馴染のヴィズや理解者のクフトに窘められている。優しく穏やかな物腰だが、リーは本能的に逆らってはいけないと感じている。

 ラミエとは旧知であることや自身の経験から、リーとラミエの将来を一番心配しているかもしれない存在。


●ヴィズ(蜜柑色/黄緑 エルフ年齢はミゼットよりひとつ上 二十代後半くらい)

 請負人(コート)組織同行員のエルフ。上級請負人(コート)でもある。

 ミゼットと同郷で、彼女とともに村を出てきた。初代組織長とは友人。裏ボス補助。

 穏やかで気遣いに長けている一方で、少々意地の悪い一面も持つ様子も。ミゼット絡みの話題でネルとマウント合戦を繰り広げるが、傍目にはただのじゃれ合いにしか見えない。

 年季の入ったこじらせ先輩なので、今更嫉妬も何もない。勝ち逃げの永遠の恋敵(ライバル)に、彼の代わりに守り抜くからと一方的に誓っている。


●クフト(深緑/金 エルフ年齢は二百歳を超えている 三十代真ん中くらい)

 請負人(コート)組織同行員のエルフ。上級請負人(コート)でもある。

 組織内ではトップクラスの常識人、もとい常識エルフ。それゆえ苦労人と思われるが、そんな様子は窺えない穏やかな人物。

 だと思われていたが、どうやら沸点を超えると容赦がなくなる様子。ヴォーディスではティナに豪快に森を焼き払わせる一面も。

 現在のリーの認識は「怒らせてはいけないエルフ(ひと)


●セイン(本名セイン・ワクラー・アド・ロットシェル  金/青 エルフ年齢百五十歳くらい 二十代後半くらい)

請負人(コート)養成所】の教師のエルフ。同行員かつ上級請負人(コート)でもある。ラミエとカレナの父親。

 リーとアーキスは養成所時代に対魔法の授業を受けた。

 教え子のリーに釘を刺しまくるなど、年頃の娘を持つ苦悩が行き過ぎている様子。

 ラミエがバドックへ発ったあと、カレナと妻からやりすぎだと怒られた。


●カレナ(本名カレナ・ワクラー・アス・ロットシェル 金/青 エルフ年齢四十歳くらい 二十代前半くらい)

 請負人(コート)組織の事務員。今はラミエに代わって紫三番の食堂へ派遣されている。

 煮えきらないリーを焚き付けながらも立ちはだかりもする、かわいい妹のために手を尽くす姉。

 自身は色恋にはまだ興味はないらしく、言い寄る請負人(コート)たちを上手くあしらっている。


●トマル(龍の名チェドラームト 濃茶/黄土 五十歳くらい)

 請負人(コート)組織の職員で百番案件担当の地龍。普段は庭師として敷地内の植物の手入れをしているが、敷地内の移動の補助や各支部への連絡なども行う。

 ウェルトナックとフェイ、リーの故郷の護り龍ネイエフィールと旧知。リーとは養成所時代に知り合った。

 アリュート川でのアリアの様子から、その気持ちが龍のそれを逸脱していると気付いている。

 ギルことギルスレイドとも旧知で、彼の過去やここへ来た理由を知っている模様。


●ネル(紫銀/金 本来は銀/銀 二十歳くらい)

 請負人(コート)組織の同行員の風龍。ミゼットのことは尊敬を通り越しており、ヴィズには内緒でふたりで無茶をしたりもする。

 実兄のハリスガジェックのことはおにい、兄同然のフィエルカームのことは兄さんと呼んでいる。おにいほど強くないネルだが、龍としては普通。


●リリック(白金/蜂蜜 二十代くらい)

 請負人(コート)組織事務員で、受付棟常勤のハーフエルフ。耳は長くないので人と変わらぬ外見。ハーフエルフであることには思うところもある様子。

 双子やフェイの先輩として、少し勤務に対する姿勢が前向きになった。


●コルン(赤銅/碧 二十代くらい)

 請負人(コート)組織事務員で、受付棟常勤のハーフエルフ。耳は長くないので人と変わらぬ外見。リリック同様自身の境遇には思うところがある。

 フェイやリーと知り合ってから、紫三番の食堂でご飯を食べられるようになって嬉しく思っている。


●イアン(白髪交じりの濃灰/栗色 四十九歳)

 引退した元請負人(コート)。現在は職員。引退理由は家庭の事情なので、本人はまだ現役並みのスペックのまま。

 レジストたち三人とマルク、保安員(セリド)のモートンとは旧知。色々やらかす四人プラス一匹を先輩としてフォローしていた。


●タフル

 請負人(コート)組織職員で上級請負人(コート)でもある。

 少し前までは普通に請負人(コート)をしていたのだが、シングラリア騒動以後、自由に動ける人員をということで職員に引き抜かれた。


●ソジェッツ

 請負人(コート)組織職員で上級請負人(コート)でもある。

 職員になった理由はタフル同様。龍の存在を知ることも、引き抜かれた理由のひとつ。


●ヨナリー

 同行員のハーフエルフ。同行員に女性が少ないために、ラミエたちの教育係として抜擢された。


●レーヴェ(白銀/緑がかった青 十五歳くらい)

 ヴォーディスにいたハーフエルフの少年。名も年齢もわからないので、アーキスに「レーヴェ」と名付けられた。唯一アーキスに懐いており、ほかにはまだ一歩引いた様子。今は請負人(コート)組織の敷地内にある第三【研究所】で保護されている。


●べムス(栗色/金褐色 ハーフエルフ年齢百歳ちょっと)

 請負人(コート)組織職員で、研究所に在籍のハーフエルフ。現在は第三研究所で防具の開発に携わっている。

 組織に辿り着くまでは色々とあったが、過去は過去と割り切っている。今は仲間たちと好きなことが好きなだけできて楽しくて仕方ない。

 アーキスからレーヴェを任されているが、まだ今ひとつ懐いてもらえない。


●レブル 

 紫三番の宿屋の主人。リーとはすっかり顔見知り。メナードがハーフエルフと知っている。


●メナード

 紫三番の食堂の店主。ハーフエルフ。少し魔法が使えるので火種いらず。


●ドーザ

 請負人(コート)。組織敷地内の鍛冶屋街、バラスに店を構える【ドワーフ】。気さくで商売っ気はないが、造ること、そして造ったものに誇りを持つ。リーの剣を鍛えた。

 二の月も過ぎ、また六の月まで制作に重点を置こうと思っている。


●ハシェク

 請負人(コート)組織敷地内の鍛冶屋街、バラスに店を構える。アーキスの剣を鍛えた。バラスはドワーフの方が多いが、彼は人。


●セーヴル(濃灰/灰 三十六歳)

 リーの同期の中級請負人(コート)

 赤の三番の近く、ツヴェルトの町の日用品店の店主であったが、今は妻のレベッカに任せている。商才はレベッカの方があったようで、自分が店主の時よりも繁盛している。

 本部に帰るリーと赤の三番でばったり会ったので、久し振りに故郷に連れていった。


●レベッカ(赤/茶 三十五歳)

 セーヴルの妻。日用品店を営む。身重であるにも拘らず子の父親に夢を追えと言って家を追い出せるできた人。


●セロ(赤/茶 七歳)

 セーヴルの息子。生まれてこのかた年に数度しか帰ってこない父親だが、母親が本人のいないところではベタ褒めなので、特に悪い印象は持っていない。




〈メルシナ村〉


●ウェルトナック(人の姿時カナート 本来は水色/青だが、フェイとともにいるときは髪、瞳とも煤けた赤 四十代くらい)

 メルシナ村の護り龍。妻と五匹の子どもと森の中の池に棲む。

 かつて人の世を旅していたこともあり、龍にしては俗っぽい。特に酒や食べ物など、嗜好品が好きな様子。

 アディーリアのリーに対する感情には気付いているが、避けようのなかったこととして受け入れている。


●メルティリア(人の姿時アイリス 水色/青 二十代にも三十代に見えない)

 ウェルトナックの妻で家庭内トップに君臨する。普段は恥ずかしがって姿を見せないが、ミゼット同様逆らってはいけない雰囲気を醸し出している。

 元々はウェルトナックよりも強い。五匹という子どもの数は、龍としても異例。


●シェルバルク(人の姿時クレイ 水色/青 二十代前半)

 長男。ウェルトナックに代わり請負人(コート)組織へ赴くこともよくある。

 穏やかに弟妹たちを見守る兄。魔力操作に長けており、相手に合わせることも得意。

 少し落ち着いたので、時々人の姿で旅をしている。前回はアーキスから聞いたオススメの菓子屋に。早く食べたいので、帰りは龍の姿で文字通り飛んで帰ってきた。


●オートヴィリス(人の姿時シルヴァ 水色/青 二十歳くらい)

 次男。シェルバルクの一歩うしろから見守っているような、控えめな性格。

 カルフシャークもユーディラルももう大丈夫だろうと感じ取っている。シェルバルク共々独り立ちしてもいい頃だが、自分はもう少し見守るつもりでいる。


●カルフシャーク(人の姿時ケルト 水色/青 十五歳くらい)

 三男。母譲りである兄弟妹(きょうだい)一の魔力量を誇る。人懐こく好奇心旺盛な性格に隠れがちだが、本来は生真面目で努力家。

 約束通りフェイから戦うことを学んだ。魔力の扱い、剣の扱いと合わせ、研鑽の日々。


●ユーディラル(人の姿時ライル 水色/青 十二〜三歳くらい)

 四男。器用で知識があることが行動することには結びつかないと知ったことで、その差を埋めるべく少しずつ学んでいる。また、己にとっての人というものに向き合っている最中でもある。

 カルフシャークとともに戦うことを学び、前回発端の誘拐事件にも向き合ったことで、ひとつ壁を越えた模様。


●ザイシェ

 メルシナ村の村長。リーの次に登場の古株なのにようやく名がお披露目となった。




〈バドック村と関連〉


●ジーク(金細工師ジーク・フェルズ 茶/金茶 三十歳)

 リーの兄で金細工師。父親代わりでもある。

 前回リーがラミエを連れてきたことで、もうすぐ自分の役目も終わるのかと感じている。仕事が楽しいので、恋愛に対しては縁があればくらいの認識。


●シエラ(茶/金茶 二十八歳)

 リーの姉。夫のナバルは幼馴染。

 リーの母親代わりで叱り役。いつも言い合いになるが、互いを大事に思っていることもわかっている。

 リーがラミエと上手くいけば、今度こそ自分もお役御免かな、と思っている。


●ナバル(濃茶/黒 二十九歳)

 シエラの夫でリーにとっても幼馴染。橙三番の菓子店に務めている。リーがぞろぞろと女子を連れてきても笑って家を明け渡す。

 店にも時々「リーの知り合い」だという人物が複数買いに来るようになった。なかなかの上客。


●ネイエフィール

 バドック村の護り龍である地龍。村の裏手の山中に棲む。

 チェドラームトとは旧知。まだまだその辺の若造には負けない。

 龍としては高齢だが、それでもリーはもちろんラミエたちをも見送る立場。リーがいなくなってから、ラミエや双子とゆっくりと思い出を語る約束をしている。


●メイスン(細工師メイスン・フォードナー)

 ジークの師匠。バドックから徒歩で半時間ほど離れたニキールスの町で工房を構えるほか、橙三番に弟子たちも出品できる店を持つ。


●アクス(銀細工師アクス・オルファード)

 アクス・オルナートを騙り詐欺行為をしていた男。




保安(セリド)協同団と関連〉


●ジャイル(龍の名ハリスガジェック 銀/銀 五十歳くらい  保安員(セリド)セルジュ 飴色/灰 十七歳の姿を取るときもある)

 保安(セリド)協同団幹部の風龍。団内に龍は彼のみ。

 ネルの実兄で、フィエルカームとは兄弟同然。喧嘩するほど仲がいい(二組目)。

 大柄な姿に反してかわいいものに目がなく、団で連絡用に飼われている【リルダヴ】という鳥型の魔物の世話が楽しみで仕方ない。アリアとライルのこともあの状況でなければもっと構いたかった。

 ノッツ曰く「おっさん小僧」の姿はまだアーキスには知られていない。ちなみにノッツの毒舌は全く気にもしていない。

 ソリッドの片割れだが、まだ絆は結んでいない。


●ソリッド(黒/黒 二十一歳)

 アリアとライルを拐った元反組合集団の一員だが、改心し酌量された。ふたりの龍の名も知らされている。

 元々は請負人(コート)になりたかったのだが、今は保安員(セリド)見習いとなり、南本部でジャイルにしごかれる日々を送っている。

 ジャイルの片割れだが、片割れとは『大好きで大切』なものだとアディーリアから聞き、絆を結ぶことを躊躇している。 

 リーを想うアリアの様子には、少し感じるところがあった模様。


●モートン(朽葉/深緑 四十二歳)

 本来は幹部の保安員(セリド)でありながら隊長クラスに籍を置くのは、もちろんジャイルが理由。セルジュがジャイルだと知りつつ若手隊員として扱わねばならない苦労人。

 レジストたち三人とフィエルカームとは、互いに新人の頃からの腐れ縁。昔は一緒に無茶をやってはイアンに大目玉を食らっていた。


●ノッツ(紫黒/淡い紫 二十八歳)

 モートンの部下だったが、龍の存在を知るために、まだ年若いながらジャイルの補佐に引き抜かれた保安員(セリド)。普段、仕事関係、龍、ジャイル、保安員(セリド)たち、それぞれに対する態度を上手く使い分けている。ジャイルに対しては非常に口が悪い。


●ヤト(暗青/濃紺 二十一歳)

 アリアとライルを拐った元反組合集団の一員だが、改心し酌量された。ふたりの龍の名も知らされている。

 元々料理人を目指しており、今は青の五番の食堂で働いている。

 ソリッド同様龍の片割れになり得る存在ではあるが、相手はまだ見つかっていない。


●サーシャ(青/濃紺 二十四歳)

 ヤトの姉。ヤトとともに青の五番の食堂で働く。恋人だと思っていたテレスに騙されたことで男性恐怖症に。店にテレスが訪れたことで悪化したが、少しずつ快方に向かっている。


●ジグ

 ヤトが勤める青五番の食堂店主。リゼリアの祖父。暫く前に妻を亡くしてから、リゼリアとふたりで店を守ってきた。


●リゼリア

 ヤトが勤める食堂の孫娘。両親を早くに亡くし、祖父母に育てられた。年頃になり客に声をかけられることが増えてきたが、大抵は上手くあしらうことができる。




〈アリュート〉


●ヤシューエント

 アリュート川上流にあるレジア村の護り龍である水龍。川のワンドに棲む番の雄。

 アリュート山から流れ込む汚染水に困り果て、原因究明を請負人(コート)組織に依頼した。

 世話になった礼をメルシナ村まで言いに来た。


●サルフィエール

 アリュート川上流にあるレジア村の護り龍の水龍。川のワンドに棲む番の雌。

 子どもを育てるための殻を作ったばかりのところに水質が悪くなり弱っていたが、今は回復。本来の(?)強さを発揮しつつある様子。




〈商業組合と技師連盟関連〉


●フォード(赤銅/藍 四十八歳)

 ソリングに住む、アーキスの父親で商業【組合】幹部。お互い言葉が足りないまま、アーキスを家から出すことになったことを後悔していた。三姉妹には頭が上がらない。


●リド(銀/藍 二十一歳)

 アーキスの弟で双子の兄。おとなしいカルフォと周りとの間に立つことが多い。昔はアーキスのように万能ではないことを気にしていたが、家を出たことで兄の負担に気付いた。


●カルフォ(銀/藍 二十一歳)

 アーキスの弟で双子の弟。おとなしいが気が弱いというわけでもない。アーキスが家を出たのは自分の不用意なひと言のせいだと思い込み、自責していた。


●エレン(胡桃色/水色 六十歳)

 アーキスの乳母で親戚。三姉妹の長女。

 アーキスにとっては母親同然。彼の性格もよくわかっているので、おそらく一番上手く扱える。


●クラリス(薄茶/水色 五十歳)

 リドとカルフォの乳母で親戚。三姉妹の次女。エレンとは母親が違うが関係は良好。


●レシェア(薄茶/水色 四十六歳)

 リドとカルフォの乳母で親戚。三姉妹の三女。ふたりにとっては本来の意味での乳母でもあった。


●スフィア(薄茶/水色 二十二歳)

 レシェアの娘。アーキスたちとは兄妹弟(きょうだい)同然に育った。結婚後は町を去ることが決まっている。


●ハーバル(銀/水色)

 アーキスたちの母親。双子を生んですぐ亡くなる。フォード曰く子どもたちの酒豪振りは母譲りらしい。


●ルゼック

 ハウアーンに本部がある技師連盟の幹部でフォードと友人。アーキスたちのこともよく知る。

 交渉場に立つことも多いからか、場のあしらいや人を見る目に長ける。


●ミルコ(細工師ミルコ・ツァーリ)

 アーキスの細工の師匠。マリツェ地区に大きな工房を構える。

 弟子名返還の手続きの際ルゼックが預かった手紙には、いつでも顔を見せに来るようにと書かれていた。




〈反組合と関連〉


●ロードム(濃紺/琥珀  イグニス 金/琥珀  テレス 茶/琥珀 二十代後半くらい)

 反組合組織の中心人物のひとり。踏み外しハーフエルフ。絆す力が強い。

 アリアやエルメたちの誘拐事件にも関わっていた。

 アドの裏切りにより死亡。


●アド(白(元は白銀)/黒  エイラン 紺/黒 三十代くらい)

 反組合組織の中心人物のひとり。闇深ハーフエルフ。少し攻撃魔法が使える。

 誘拐事件や詐欺行為に加担していたと見られる。ヴォーディスにて北へ逃走し、死亡見込みとされた。


●シエスタ(栗色/深緑 二十七歳)

 ソリッドとヤトのボスで誘拐事件に関わっていたが、結局はロードムたちに騙されていた。ユーディラルに負わされた怪我により足に後遺症が残る。


●テスラ(白金/紺)

 ヨゼリス町長宅で働くハーフエルフの男。アリュート山で金属の再製に関わっていたが、捕まる。


●ニック(黒/緑 十三歳)

 誘拐され、アリュート山で強制労働させられていた子ども。今は故郷ダドリアムで両親と穏やかに暮らす。

 リーたちの来訪後は本人も両親も少し落ち着き、外でも遊べるようになった。


●エルメ(ラック 金/金 十四歳)

 誘拐され、アリュート山で強制労働させられていた子ども。幼い頃に拐われたようで、自分のことは覚えておらず、言葉もまだ拙い。ニックの両親に引き取られたが、その後家族が見つかりダドリアムで暮らす。少しずつ感情が出るようになってきた。


●レックス(金茶/淡い緑 十歳)

 アリアたちと一緒に誘拐されたひとり。ライルを龍と気付きながらも心配していた。

 いずれ会いに行くという約束をライルと交わし、その証としてユーディラルの名を教えられている。

 今は目標に向け頑張る日々。



●小池ともか

 再開八月と書いたはずなのに、結局こんな体たらくなやるやる詐欺作者。主にやらかした時に前書きか後書きに出没。

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シリーズへのリンクです 2i2d78wocscr68qx4ksgdsjlhwr2_tos_dw_dw_1hfi.png 代表作へのリンクです バナー
両バナー作 冬野ほたる様
― 新着の感想 ―
サブタイトル100文字、そして74人に上る登場人物の紹介、本当に凄いですね。 一人ひとりの紹介がとても面白く、それぞれの特徴や個性、考えていることなどがきめ細かに綴られているので、これを読ませていた…
>口はあまりよくもなくツッコミ気質 回りが先にボケるので致し方ないですね。ただ心労が祟りそうです。 >恋人であるエルフのラミエとは上手くやっている様子 な、な、なんですと(;゜Д゜)! わたしのリー…
まだ、番外編を拝読していないのですが、こちらを覗きにきてしまいました! 74人!! ふふふっ(๑´ꇴ`๑) あれ? となったときにこちらがあると助かります♡ 黄金龍。彼のことですね。 あらすじの冒…
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