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美人成分
桜の樹の下には美人の死体があるっていうのは聞いたことある？そんな与太話を、あるいは信じてしまうほどに満開の桜は無比の美しさを誇っているよね。
でも夏にはすっかり葉桜になっちゃって、陳腐な美しさに成り下がってしまう。なんでだと思う？私は、満開の桜が散るころには美人の美しい成分が吸い尽くされてしまったからじゃないかなって思うんだ。花が散る頃にはもう皮も肉も失って、骨ぐらいしか残ってないからじゃないかなって。
私は満開の桜みたいな無比の美しさがほしい。葉桜みたいな陳腐な美しさなんかじゃない。だから、あなたの骨はいらないわ。どこかの桜の樹の下に埋めてあげる。そうして次の夏にでも、拝みに行ってあげるわ。
テーマ『骨』『葉』
誰に話しかけているのんでしょうね。
次話も読んでくれると嬉しいです。
