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コーヒーペチカの完全妄想世界短編集  作者: 桐葉のアタマ
1/2

華視点・萌果と華の休日いちゃらぶお家デート

あまあまな珠綺華が見たい。

いちゃらぶした華萌果が見たい。

動機はそれだけです。


※キス描写が濃いめです

※華と萌果が恋人同士設定

※華視点

※互いの呼び方が本編最新話と異なります

※ネタバレあり




OK?

↓↓↓↓↓





今日は日曜日。

大学も休みで、彼女も休み。

だけどどこかに出掛けるでもなく、俺の家で二人のまったりした時間を過ごしていた。


案外、その時間も悪くはなくて、二人でゲームして、ご飯を食べて、ソファでだらだらする。

それだけでも十分幸せだった。


久々に幸せな時間が過ごせて嬉しかったからか、俺は、隣に座ってテレビを見ている彼女を、抱き締めたくなった。

そっと、静かに、華奢で色白な、柔らかい肌に腕をまわす。

腕の中にすっぽりと収まってしまうほど、彼女は小さい。


「あ、た、まきさん……。」


耳元でそんな風に囁かれたら、どうにかおかしくなってしまいそうだった。


「なに。」

「う、ちょっと、強い……です。」

「痛いの。」

「痛くはない、です。」


どのみち、痛いと言われても離すつもりは微塵もなかったけど。

萌果ちゃんは、もぞもぞと動いた後、そっと腰に手を回して来た。


「私も、ぎゅってしたくて。ダメだったら、言ってください。」


尻すぼみに、絞り出すような声。

そんなもの決まっている。


「じゃあ、ダメ。」

「ぇ……。」

「違うでしょ、ほら。もっと上手におねだりして。」


萌果ちゃんは顔を真っ赤に染め上げて、俯いてしまった。

俺も顔赤くて恥ずかしいのを我慢していたのに、そんないじらしい彼女の姿を見ていたら、自分のことはどうでもよくなってくる。


「もう、こっち見て。」

「や……恥ずかしくて……。」


俺はどうしても顔が見たくて、彼女の頬にそっと触れる。

指先が触れると、少しだけビクッと跳ねた萌果ちゃんは、指を滑らせて、顔を優しく包むと、そっとこっちを見てくれた。


「……っ、ずるい、です。」


せがむような声に、潤んだ瞳で必死にしがみつく様子に、俺はもうたまらなくなっていた。


「なにが。」

「珠綺さんの、そういうとこ。」

「んー? ちょっとわかんないな。」


手で頰を優しくむにむにする。

目をつむっては、うー、と眉間にしわを寄せる萌果ちゃん。

その表情がなんだか面白いやら、可愛いやらで自然と口角が上がる。


「はは、可愛い。」

「可愛くないですよっ。絶対変な顔だもん。」

「好きな子ならどんな顔も可愛いよ。」


すると、恥ずかしかったのか、萌果ちゃんが少し離れようとするから、1mmでも離れたくなくてすぐに抱き寄せる。

さっきの仕返しとばかり、彼女の首元に顔を埋める。


「ねぇ、萌果。」

「ひゃっ! な、なんでしょう……。」

「萌果はぎゅうってするの嫌?」

「え、嫌じゃな……ふぁっ?!」


最後まで聞く前に、より一層優しく、強く、抱き締める。

腰だけに回していた手も、彼女の体全部を包み込むように広げる。


「さっきから、逃げようとしたりして。俺じゃ嫌なの?」

「そういうんじゃなくてっ。」

「じゃあ、なぁに。」

「ぅぇっ……。それはっ。」

「俺、わかんないから。」


話すたびに震えるの肩を知っていて、わざと意地悪に聞き続ける。

ごめんね、好きすぎて、可愛すぎて、意地悪したくなっちゃう。


「は、恥ずかしいというか……。」

「俺が?」

「ちがっ、この状況というか……っ! こうっ、あのっ!」

「なぁに。」


聞きながら、優しく髪を撫でる。

すると、荒げていた声も少しずつ震えはじめる。


「だから、その……。た、珠綺さんが……。」

「俺がなに? ねぇ、萌果。」

「〜〜〜〜っっ!」


萌果ちゃんの顔は耳まで真っ赤になっていた。

俺の言葉で、手で、体温で、声で、こんなに幸せそうにしてくれるだなんて。

嬉しい限りでしかない。

今日が命日になるんじゃないかと思ってしまうほど。


そんなことを考えていると、萌果ちゃんがぎゅうっと首に手を回してまで抱きついてきてくれた。


「もう、もうっ。私、珠綺さんが大好きで……ドキドキして、おかしくなりそう……なんです。」

「……うん。それで。」

「ドキドキ、止めてください。珠綺さんのせいなんです。」

「俺のせいにするの?」

「そうです。」


少し離れて、萌果ちゃんと目が合う。

より一層赤らめて潤ませた彼女の瞳には涙さえ浮かんでいた。

唇を尖らせて頬を少し膨らませて、これ以上ないくらい愛しさを感じる。


「珠綺さんの、いじわる。」


精一杯、頑張って伝えてくれた。

それだけでも、幸せだった。


「そうだよ、まさか今気づいたの。」


彼女の涙を拭いながら、優しく問いかける。


「ほんとの珠綺さんは、優しいもん……。」

「じゃあ、俺は優しくない?」

「うん。」

「じゃあ、嫌い?」

「…………いじわる。」


これくらいにしないと、本当に拗ねて怒らせてしまうかと少し焦ってしまった。

我ながら、タガが外れるとは気をつけないと。


「ふふ、ごめんね。萌果ちゃんが可愛くっていじわるしちゃいたくなる。」

「なんで男の人っていじわるなんですか。」

「さあね。俺がしたことでそんなに心かき乱されているって分かって嬉しいんじゃない。」

「珠綺さんも?」

「どうでしょう。」


少し離れてしまった距離を、抱き寄せて、抱き上げて、膝に乗せる。

本当に軽くて驚いてしまう。

俺が、守りたいな、最後まで。


「それに、珠綺さんじゃないでしょ。今は誰もいないのに。ね、萌果。いつもみたいに華って呼んでよ。」

「恥ずかしいから、お断りします。」

「やだ。呼んで。」

「呼ばない。」

「萌果。」

「っ、呼ばないです。」


意地張っちゃった。

でも口元はもごもごしていて、本当に照れているのが分かる。嬉しい。もっと、俺だけに見せてほしい。


「じゃあ、ちゅーして。」

「ーーっ!」

「お願い、萌果。俺もう限界。」


ぎゅうっと抱き締める腕を強めると、萌果ちゃんはまた体を震わせる。

もう、鼓動の音がわからなくなって来た。


「ほら、どっちにする?」

「わ、でも……っ。」


萌果ちゃんは、恥ずかしさと、照れくささに惑わされて、決めかねている様子。

でも俺は、萌果ちゃんが考えるよりもとっくに、限界を超えていた。

悪い子なので、これ以上のお預けは待てない。


「さーん。にーい。」

「ま、待って。う……は、華君……。」

「いーち。」

「ぅぁ、呼んだ、呼んだよ。」

「ダメ。もう遅い。」


茹で上がったような顔をした萌果ちゃんの顔を引き寄せる。

できるだけ優しく、乱暴にならないように、そっと唇を重ねる。

萌果ちゃんの唇は少しだけ震えていたけど、びっくりするほど柔らかかった。


「ーーっ。」


一瞬だけ離して、また重ねる。

ゆっくり、押し付けては離れない程度に緩めて、また優しく押し付ける。


「可愛い、萌果。」

「う、れしいけど。恥ずかしいのが、勝っちゃう……。」

「こっち見てよ。」

「だって……うぅ、近いから。」

「何が近いの。」

「顔、が。」

「誰の。」


そして、黙ってしまった萌果ちゃんは、手で顔を覆ってしまう。

彼女の顔は小さすぎて、小さな手でも隠れてしまう。

そんなの困るよね。


「ね、誰のが近いの。俺じゃないでしょ。」


細い腕を取って、少しだけ手をずらす。

真っ赤な頬と、ため息をついてちょっと開いた口がどうにも色っぽい。


「は、な、くんの顔……。」

「わかんないなぁ。知らない人の顔が近いなんて、嫉妬するからもっかいキスしよっか。」

「そんな……っ。んぅ。」


萌果ちゃんが焦って手を下ろした一瞬は見逃さなかった。

さっきよりも少し強く、撫でるように重ねる。


「んぁ、華君っ、待って。」

「たくさん待ったよ。」


押し除けようとしたのか、俺の腕を掴む萌果ちゃん。

全然力が入ってなくて、震えるばかり。

そうした一つ一つが可愛くて愛おしくて仕方がなかった。


必死に目を閉じる彼女を見つめてみたり、ほんの少し、舌先でも触れてみたり。

俺がする一つ一つに反応を返してくれることが嬉しかった。


「は、ふふっ。可愛い。」

「ふぅ、もう、息できなくて死んじゃうかと思ってた。」

「それは息を止めたりするからだ。」


ちゅ、と頬に軽く口付ける。

萌果ちゃんはまた、唇を尖らせてしまう。

一喜一憂、表情がコロコロと変わる様は見ていて飽きなくて、可愛くって、そろそろ本当に限界だった。


「やっぱりいじわる。」

「俺は優しいよ。」


あははと誤魔化し半分で笑って返す。

すると萌果ちゃんが抱きついて来る。

余りなかったから、つい驚いてしまった。


「萌果ちゃん?」


萌果ちゃんは何も言わずにぎゅっと腕に力を込めるばかり。

その必死さに釣られて、抱き締め返す。

そして、萌果ちゃんは優しく囁いて来た。


「好きすぎて、苦しい、助けて。華君……っ。」


俺は今日、死ぬかもしれない。

ぜひ、罵ってください。

はよ書けや馬鹿野郎と……。

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