結婚させるのです!
「やったのです!
前は、65位でしたが、56位に成ったのです!
今回の報酬は……流行している乙女ゲーム風のヤツを選択するのです!」
白髪に黒色の瞳の、雪のような肌の人形のように美しい12歳ほどの少女は
ふわふわと漂いながら、拳を突き挙げて叫ぶ。
目の前には、板状の大型テレビ程のサイズのホログラムが、半円型になって、少女を囲んでいる。
辺りには何もなく、ただただ真っ白で、上下左右が分からなくなりそうだ。
【報酬を承諾しました。次回も更なるご活躍を期待しております】
「言われなくとも、です!
1位になって、主神と結婚して永遠の命を手に入れてやるのです!!
早速、世界を創るのです!」
【初回報酬のため、チュートリアルを開始します。
星の土台を取り出しました。
星を整備するため、光の精霊と闇の精霊を召喚してください。
精霊を一から育てますか?
彷徨える魂を召喚しますか?
現在のポイントでは、魂の指定はできません。】
「1から育てては、上位に上がれない。
これ、鉄則です!
プロなら、まだしも、ワタシには難しいのです!
もちろん、彷徨える魂を召喚するのです!」
【魂の情報の確認と、ゲームシナリオの確認をしてください。
その後、彷徨える魂を召喚します】
「む?そんなのが、あるのですか。………チラ……確認したので、召喚するのです!」
【彷徨える魂を召喚します……】
少女から、少し離れた位置に、虹色に輝く魔法陣が現れ、それは回転しながら、光量を強めていった。
「イケイケ!いくのです!キャラ濃い精霊よ、出てくるのです!
ワタシを結婚させるのです!」
「……あれ」
「…うっ…」
目の前には、とても美しい少女がいた。ただ、一つ可笑しいのは、彼女の髪が白髪なことだ。
肌も白いし、アルビノかとも思ったが、瞳の色は黒色だ。
カラコンをするにしても、するなら、髪だってカツラにするべきだ。
それに、さっきから、私も彼女も宙にふわふわと浮いているのだ。
きっとコレは夢だ。
頭上を見上げると、工場の鉄骨が、私に直撃した様に見えなのも、多分夢だろう。
あと、私の左隣には黒髪ロングの美しい、女の子がいた。多分、10歳くらいかな?
「はじめまして。ワタシはオパール。あなたたちを召喚した女神です。」
女神?う〜ん。
確かに宙に浮いてるし、髪と瞳の色も変わってるし……いや、そもそも
コレは夢だから、考えても仕方ないか。
明らかに幼女だとしても、夢の中なら女神なのだろう。
「えっと、女神、さま?はなんで、私たちを召喚したんですか?」
「世界創造の手助けをして欲しいのです。
あなたは、光の精霊、ベリルとして、月、火、土を創ってもらいます。」
「月、火、土?なら、この女の子は?」
「彼には、闇の精霊、オブ、シディアンとして、闇、風、水を司って貰います」
女神様は、闇の精霊の名前を言うところで、噛んだ。
恥ずかしそうなので、指摘しないでおこう。
「いっぱいあるね。」
「はい。そう言う設定なので」
「神様も設定とか、言うんだ…」
「寧ろ、神だからこそです。」
「あー…それで、まず、私は何すれば良いの?」
「では、共に世界に降り立ちましょう。
その前に…闇の精霊、オブシディアン。
話は聞いていましたね?」
「……」
オブシディアンは、女神を睨んでいる。
女神は、これキャラ濃いヤツだ。と、密かに歓喜していた。
「オブシディアン」
「…オブシディアンじゃない。」
「あなたは、オブシディアンです。それとも、元の名前を覚えているのですか?」
「………!」
オブシディアンは、驚きの表情を浮かべる。
私の名前は………??あれ?なんだっけ?
……まぁ、夢だし。
そう言うこともあるか。
「オブシディアン、あなたの魂は死して彷徨い、それを女神であるワタシが救い上げたのです。」
「嘘だ!僕は、死んでなんかない!」
あら、僕っ娘だ。
まぁ、死んでなんかない!ってのは、私も同意するけどね。
「嘘も何も、感じるそのすべてが事実なのです。」
う〜ん。ややこしい言い方。
「違う!僕は……僕は!…ぐっ…」
あ、泣き出した。
でも、この噛み殺した様な泣き方、子供がする泣き方かな?
言動は子供っぽいけどね。
練習用です。
誤字脱字の指摘、こうしたらもっと面白いのに!など、要望があれば、ドシドシお願いします!