ストレスの擬人化【コント】
漫才の設定を思い付いたので勢いで書いてみた。
前置きは文字数の関係であらすじに載ってます。
青年(ボケ役) ストレスの擬人(ツッコミ役)
「はい、どうもー」
「いや誰!? ここ俺の家だよ? 今すぐ出て行かないと通報するぞ!」
「いやだからさっきも言ったやん、俺はお前のストレスが擬人化した存在だって」
「トゥルルルゥ……あ、もしもし、警察ですか?」
「おい、やめぇや、こんな茶番で警察に電話すな、ポリスメンに迷惑やろが」
「ガチャ、いやだって不法侵入だし、なに堂々と人の家に上がり込んでるの?」
「あー、これはちょっと出て来るタイミングを間違えたな」
「そもそもストレスの擬人化ってなに? 俺はストレスが原因で幻覚が見えるようにでもなったのか?」
「いや、まあそうだな、俺はお前が生み出した妄想の産物、いわゆるイマジナリーフレンドってヤツやな」
「おいおい、マジかよ、俺にもついにスタンド能力が!?」
「スタンドって、どんな能力を期待してんねん、能力どころかこのままじゃお前は大変な事態になるんだぞ」
「え、大変な事態ってなんだよ?」
「せやから俺はお前のストレスが擬人化した存在、つまりはお前の心が生み出した危険信号、いわゆるメッセンジャーってヤツやな」
「いやメッセンジャーて、そんな突然出て来られても、それに何でそんなエセ関西弁みたいな喋り方してんの?」
「あ、それはツッコんだらダメな話題だから気にすんな、そう言う設定やねん」
「設定? それにしても危険信号か、確かに日頃からイライラする事はあるけど、少し大袈裟じゃないか?」
「本人が無自覚なのが何より問題だとは思うが、取り敢えず後頭部を触ってみ」
「え、なになに? 後頭部? ……さわさわ」
「自分、円形脱毛症になっとんで、まだ五円玉くらいだがな」
「えぇ!? 後頭部なんて普段見えないから気付かなかった、うわーマジかよ」
「それにな、最近は胃痛にも悩まされてるんとちゃうか?」
「確かに何か今朝は腹の調子が悪くて、胃がキリキリするような感覚もあるが」
「それに言いずらいんだが自分、血便も出とるからな、思ったより深刻だぞ」
「えぇ!? トイレに行ってもそんなの確認しないで流すから気付かなかった」
「まあそれだけヤバい状態って訳や、理解したか?」
「あわわ、ど、どうしよう」
「まあ待てまだ慌てる時間じゃない、その為に俺が出て来たんだしな」
「何か解決策があるのか?」
「そりゃお前、ストレスの原因を無くせば良いのさ、自分の事なんだし流石に何か心当たりくらいはあるやろ?」
「うーん、特には、強いて言うなら仕事かな? 朝の通勤ラッシュに、現場の無茶な工期のせいで残業続きだし、同期はどんどん辞めていくし、肉体労働だから疲れも溜まってるけど、でもそんなの日常茶飯事だから日頃からイライラはしてるけどそれが原因か?」
「いや随分と悠長やな自分、確かに、仕事や人間関係がストレスの要因になる事が大半だけど、本人がそこまで自覚してないなら違う理由もありそうやな」
「他に、うーん、それならあれかな?」
「お、なんや、心当たりがあるんか?」
「ああ、ここ最近出会って沢山貢いだのに、全く振り向いてくれなくてなぁ」
「何やそっち系の悩みかいな、別に自分で稼いだ金をどう使おうと勝手だがそれをストレスに感じるくらいなら程々にしとけよ?」
「それに頑張って育てたのに、あと一歩のところで勝てなくてなぁ」
「ん? なんや育てたって、それに賭け事か? あまり感心しない趣味やな」
「それと確定ピックアップなら良いのが来ると信じてたのに見事に被ってな、既に完凸してたのに、あれはかなりショックだったなぁ」
「いやそれお前”ガチャ”の話かよ!? そんならあれか、最初のは新キャラに課金して爆死したって事か!? なんや育成や勝敗ってソシャゲの話かい!」
「そうだけど?」
「ハァ、まあ現代人ならそれもあり得るストレスだとは思うが、なんだかなぁ」
「それで俺はどうすればいい? もういっそ天井まで回して新キャラをお迎えした方が良いかな? 正直そこまで欲しいかと聞かれると微妙な性能なんだけど」
「個人的には性能よりも、心の股間に響くかどうかの方が重要だとは思うが、正直どうでもいいから自分の好きにしたらええんちゃうか?」
「なんだよ、頼りにならないなぁ」
「いやだって、身体が危険信号まで出してんのにその原因がソシャゲって」
「昨日なんか給料日だったから思い切って盛大に課金したのに見事に爆死してさ、ムカついたから普段あまり飲まない酒を飲んで、酔った勢いで更に課金したけど、それでも出なくてさ、諦めて締めに激辛ラーメンを食ってからふて寝したわ」
「いや、やけ酒に激辛ラーメンって、ほんなら原因はそれか?」
「二日酔いで胃痛、血便はもしかしてあれか? カプサイシンの影響で持病の痔が悪化したのかも? それによく考えたら頭の円形脱毛症って、子供の頃にやんちゃして怪我した時の古傷じゃん」
「……」
「あれ、ストレスの奴は何処に行った? さっきまで目の前に居たのに!?」
『いや、もう知らんがな、ビシィ!!』
「どうも、ありがとうございましたー」
一発ネタですが、お読みいただきありがとうございました。
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ストレスが消えた後に、追加でガチャ30連を回した青年は
再びストレスの擬人と再会するのだが、それはまた別のお話。
裏設定として、ストレスが具現化した理由は後頭部の古傷が原因。
一定のストレスを感じると出現するので、普段から消えたり現れ
たりする。擬人は青年の気分に振り回されるので苦労が絶えない。
ストレスを増幅させると髪の毛と引き換えに擬人が本領を発揮する。
ストレスのネタは実体験も少し含むけど、当事者からしたら笑い話
では済まないとも思うので、題材にはしましたがもし不快に感じた
場合は軽く読み流してくれると助かります。
また漫才の基礎知識やテンプレには疎いのでこんなの漫才じゃない
とか感じた場合も軽く読み流してくれると助かります。