27話 逆転?
お久しぶりです。リアルの方が忙しくてなかなか投稿できませんでした。これからは多少はマシになるはずなので、今後ともよろしくお願いします。
和樹は気がつくと一面真っ白な世界にいた。
前にも同じようなことがあったが、その時とは決定的に違うことが存在した。自身が消えかかっているのだ。
和樹の体はうっすらと透け始めており、自分自身が死んだと言うことを実感した。
結局、優花を助けることは出来なかった。それどころか最悪の結末と言っても良い終わり方をしてしまった。
ここがどこで、どのような状態なのかは分からないが、もう少しすれば自身の存在は完全に消滅してしまうと言うことを何となく理解できた。
ただ自身の存在がなくなっていくのを待つことしかできず、全てを諦めたその時だった。
『そうやって諦めるのか?』
「…」
『勝仁は君のことを信じていたぞ』
「…」
『優花を助けたいんじゃないのか?』
「助けたかった。でも叶わなかった」
そう言葉を吐き捨てる。
『さて、本当にそうかな?』
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泣き崩れる少女。
それを見て嘲笑う神。
結局、少女はなにもを成し遂げることなく、主人を殺すことになり、絶望していた。
少女は主人に生きて欲しかった。
もともとは、強制的に主従関係を結ばされ、初めのうちは主人に対してなんの感情もなかった。しかし、いつからか、彼女は主人といることに幸福感を覚えていた。
この感情を少女は知らなかった。しかし、それは心地よく、少女の人生で最も高い幸福感を感じさせていた。
それらすべての感情がなんだったのか。確かめることは出来ず、世界はただ理不尽にその死体の身を残す。
少女はどうにでもよくなった。
もはや、怒りはおろか、神への恐怖も感じなくなった。
少女は自身の命を燃やし、最後の魔術を発動する。
少女に残された全ては魔力に変換され、意識が朦朧とする。
全てを魔力にすることで、器から溢れた魔力は暴走し、辺りに壊滅的な被害を与える。
ーーーーーーーはずだった。
少女の最後の自爆は、発動することなく終わる。
『そんな小細工は通用しない。貴様に死なれては困るのだよ』
少女の抵抗はたやすく神に封じられる。
幸い、少女が殺させることはないが、早かれ遅かれ、アイホートの眷属が生まれると、その時に腹を突き破られ、死ぬだろう。
とうとう、打つ手がなくなり、今にも大量破壊が行われるその時だった。
突如として、あたり一帯の雰囲気が豹変する。
一部の空間がねじ曲がり、時間がめちゃくちゃになり、夜になったと思うと、昼になっている。
そして、バリバリとなにかを破壊するかのような音が辺りに響く。
ボロボロの肉体は、時間を遡り、完全に再生する。
ねじ曲がった空間の全ての元凶は、自らが作り出した空間を破壊し、復活を遂げた。
『馬鹿な…』
「…!」
アイホートは驚きのあまり、その場に固まる。
そして、少女は思わず涙を流す。
それを見た主人は、少女に近づく。
「心配かけて悪かった」
そう一声かけると、主人は少女を抱きしめる。
その瞬間、少女の時間は巻き戻り、全てがなかったことになる。
少女の傷ついた体は完治し、魔力も回復する。
『貴様、よくもやってくれたな!』
それを見たアイホートは激怒した。
そして、先程と同様に衝撃波を飛ばすが、それが届くことはなかった。
「その攻撃はもう通じない。これはさっきのお礼だ」
そう言うと、主人は神に向かって拳を突き出す。
その一撃は神にから離れているにもかかわらず命中し、神に致命傷を与える。
『馬鹿な。ありえない。そんな簡単に空間を操れるはずがない!』
アイホートの体が再生仕切る前に、拳を吹き出す。
ぐちゃっという音と共に神の肉片が辺りに飛び散る。
アイホートは再生が追いつかず、あと1撃で確実に死ぬだろう。
「これで終わりだ」
しかし、次の1撃が放たれることはなかった。




