23話 連れ去られるもの
夕食を終えて、外に出てみると大通りには無数の屋台が並んでいた。
毎年この時期になると、収穫祭と共に祭りがあるそうで、大通りはいつも以上の活気を見せている。
以前とは違い、夜更かしをしても次の日にあまり差し支えないことや、何より、女子と一緒にいると言う点から今夜はこの屋台を回ってみるのも一興だろうと考えている時、それは突然として起こった。
「失礼、そこの君。Bランク冒険者の優花さんですか?」
「あ、はい。そうですけど。どうされました?」
「貴方に先代領主暗殺の容疑がかけられています。今すぐご同行願います」
それを聞くと、優花は嫌な顔をした。
「えっと、すみません。どう言うことですか?」
話についていけないため、衛兵の人に聞いてみる。
「優花さんのお連れの方ですか?」
「その人は私の雇い主です。出会ったのは3日ほど前です」
「…なるほど。残念ですが、この場では優花さんに関することは説明できません。冒険者の方でしたら、名前とランクを教えていただければ、後日詳細な情報をお送りいたします」
「その人の名前は和樹。ランクはEです」
優花は俺が言葉を発する前に、遮るように言葉をかさねる。その声は関わらないで欲しいと言わんばかりに冷たく、鋭いものだった。
「和樹さんで間違い無いですか?」
「…はい」
俺が答えると、衛兵は優花を連れてどこかへ行ってしまった。
なんかよく分からんが、何かあったのは確かだ。しかし、連れて行かれる前のあの様子…完全にわかっていたとしか思えない。
これからどうするべきか…ヨグ様にテレパシーは飛ばしてはいるものの、繋がる気配は全くない。
「少年よ。どうかしたのかい?」
気がつくと、目の前に1人の少年が立っていた。容姿は整っているが、身長は140cm程しかなく、正確な年齢は分からない。
「えっと…まあ、色々ありまして…」
「…ふむ。なるほど。自分の従者が突如衛兵に連れて行かれたと。それは災難だったね」
「!?」
「そう驚かんでも良い。まあ、取り敢えずそこのカフェにでもいかないか?私が奢るから」
少年(?)はそう言ってニコッと笑った。
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少年(?)に連れられ、俺は近くのカフェにいた。
大通りから少し外れた場所にあるカフェは、人気がなく、隠れ家的な店だった。
「私にはいつものを。彼には…少年、酒は飲めるか?そうか。彼にはオレンジジュースを」
「かしこまりました。スピリタスとオレンジジュースですね!」
店員は注文を聞くと、厨房の方に行ってしまった。
「さて、まずは自己紹介をしておこう。私の名前は勝仁。君の名前は?ふむ。和樹くんと言うのだね。それで何があった?なるほど」
「えっと、俺何も言ってませんよね?」
「ああ、失礼。私はスキル持ちでね。名前をつけるなら、【尋問神】とでも言ったところかな?【尋問神】は相手に質問をして、相手が拒絶しなければ質問の答えを勝手に読み取ることができると言う能力だ。拒絶と言っても頭の中で意識したり、専用の魔術を使わないと防げないからほぼ不可能なんだがね。まあ、私は相手に質問を投げかけることが出来れば、その質問の答えが分かるということだよ」
「なるほど」
「さて、問おう。君は優花くんを助けたいか?そうか。まずは何故優花が連れて行かれたか話すとしよう」
困惑しながらも、和樹はなぜかこの人が信用できた。それも、以上なほどに。




