19話 平安の国の政治
もしかしたら、少し内容を変更するかもしれません。
後半の国の政治についての部分は読み飛ばし可です。
「こんな邪悪な生物がいたとは思いもしませんでした。この件に関しては私からギルドマスターに報告しておきますので、追加報酬に関しては明日またお越しください」
ギルドの受付に依頼の達成報告をしていた。
『この後はどちらに行かれますか?』
『この後の予定は特にないね。この世界の情報をもう少し集めたいとは思っているけど…』
『でしたら、図書館に行ってみるのはどうでしょうか?私がご案内させていただきますよ?』
『それじゃあ、お願いしようかな』
『かしこまりました。人目のつかないところが近くにありますので、そこに移動しようと思います』
優花からのテレパシーが切断されると、ギルドを出て少しした場所の路地裏から優花が出てきた。
先ほどまでヨグ様の空間で、空間干渉の特訓をしていたのだ。その過程で、テレパシーも使えるようになっている。
俺と優花の服や装備はヨグ様が用意してくれていたのでそれを使っている。なんでも魔術や加護がついた特別な装備らしい。
魔術を中心に戦う魔術師は、短剣やナイフと言ったかさばらず素早く移動できる武器を中心に使うらしい。
杖を持つものもいるが、だいたいの杖は15cmの小さなもので、1m以上の杖は儀式を行う時や、要塞の防衛などのその場から動かない時にしか使わないらしい。
ヨグ様いわく、旧支配者を含む神と戦うなら身軽な方がいいそうだ(要塞に引きこもっても地震起こしたり、レーザービーム飛ばしてきたり、都市ごと焼き払われたりするからでかい武器は攻撃をくらうだけで意味がない)
ちなみに優花はぶかぶか黒いパーカーにスカートを履いている。なんでも、見えそうで絶対に見えないスカートなんだとか。
俺は優花に連れられ、図書館に来た。町に1つしかないだけあって、かなり大きく立派な建物だ。
図書館は誰でも利用可能で、本の貸し出しも行なっているそうだ。本を借りる場合は、その本の定価の10〜25%の金額を預けた上で、身分を証明できる魔道具(例:ギルドカード)が必要らしい。
「図書館があるってことは、この国結構ちゃんとしてるんだな」
「この国ではほとんどの公共事業が領主の仕事となってます。その町によって領主が違うので、図書館の利用にお金がかかるところや、本がほとんどないところとかもありますよ」
「領主の負担でかくね?」
「まあ、領主はその分いろいろ出来ますからね。税の徴収方法も決めれますし、町の近くの川などは領主が自由に使えたりします。兵も持ってますし、朝廷法に反しない限りなら、新たにその領内限定の条例も作れます」
「それ独裁政治にならないの?」
「基本は冒険者がいるので大丈夫ですね。やりすぎた政治の場合、冒険者が襲撃したりします(冒険者ギルドの権力で揉み消せたりする)。領主が持つ兵士の質なんてたかが知れているので。それに、法に反してめちゃくちゃやってると朝廷が動きますからね。朝廷が持つ国宝級魔道具は破格の力を持っているので、そこらの領主が逆らってきたら一晩で消されますよ。先代領主がいい例です」
「そうなのか。それにしてもやけに詳しいな」
「父が以前この町の役人をしていまして…その時に色々教えてもらってたんです。まあ、役人と言っても領主の部下ですから、末端なんですけどね」
その後、図書館で優花の補足説明を聞きながらこの世界について調べていて、いくつかわかった事があった。
まず、この国は4人の王がいて、この4人を中心とした政府が政治をしているらしい。
4人の内2人は選挙で選ばれ、一般市民から王を決める一般選挙と、領主などの権力者たちから王を決める貴族選挙があるらしい。残りの2人は、血縁で引き継がれている王家の人間だそうだ。
4人の王の中でも、王家の人間の方が決定権が強く存在し、軍を動かす権利を持つのはこの2人だけだそうだ。
王以外の政府の人間は、王家と貴族(領主家庭)が3割を占めており、残りの7割は選挙によって決定するらしい。
王の選挙は王がなんらかの事態で死亡した場合か、王が辞任した場合のみ行われるそうだ。
政治家の選挙は、5〜20年ごとに行われ1〜3割が入れ替えられる。この時に政治家ではなくなった人間は、政府関係の仕事に回されるようで、何かしらの仕事はあるらしい。
そんな政府だが、直接的な統治は王都しか行っておらず、その他の町の統治は領主に任せる形になっている。
そんな4王とは別に1人だけ帝王が存在し、帝王は朝廷のトップという扱いになっている。
政府が可決した法律も、朝廷が否決すれば通らない仕組みになっており、2院制みたいな感じだ。もちろん、朝廷が提案した法も政府によって否決されることがある(無理やり法律を通すことができる法もある)。
朝廷は立法権以外に、国宝を使う権利を持っており、朝廷が持つ軍も存在する。朝廷の役人の7割は帝王が決めることができ、残り3割が推薦になっているようだ。朝廷関係者はほとんど王家で…
とまあ、かなりややこしいが、要するに衆議院と参議院みたいな感じになっているそうだ。
朝廷は帝王1人に権力が集中しているが、政府は4つに分裂しているため、朝廷の方が権力が高かったりする。
ちなみに、国宝について書いてある本はほとんどなかった。




