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12話 修行

今回は文字数が多くなってしまったため、誤字・脱字がいつもよりあるかもしれません。もしあったらごめんなさい。

「はぁ…はぁ…はぁ…」


 少女は走る。奴らに囲まれる前に。


 大量の汗を流し、下水道の入り組んだ道をひたすらに走る。


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 宇治の町。豊かな森林に囲まれて、平安の国の中でも栄えている方だろう。だが、この町は他の町と違うところがあった。スラムである。


 先代の領主が無茶苦茶な暴君で、かなりの重税を課したことがきっかけに、過半数の平民が貧困層に該当するようになった。


 先代の領主が何者かに暗殺され、その娘が政治を動かすようになりなんとか持ち直したものの、北区の住人はもともと農家などが多かったため、北区は完全にスラム街になっていた。


 スラム街と化した北区は、治安が悪く借金をして食いつないでいたものもは、やがて返せなくなり奴隷落ちした。

 少女の一家もその内の1つだった。


 領主は何とかしてスラムをなくそうとしているみたいだが、一度落ち切った区画を戻すのは容易なことではないため、現在はスラムが広がらないように抑えているという状況だ。


 そんなスラムには、下水道などに隠れ住んでいる子供が複数いる。

 ところが、最近になって妙な噂を聞くようになった。

 下水道には化物が住みついているとか、邪心を崇拝している魔術師が夜な夜な怪しげな儀式を行なっているとか。


 実際にそこで住んでいる少女はただの噂に過ぎないと考えていた。しかし、ある時いつも住み着いているところとは別の場所、下水道の奥深くを調べに入った時に聞いてしまったのだ。人間の悲鳴と、テケリ・リ、テケリ・リという奇妙な鳴き声を。


 姿は見ていない。が、生物としての直感で理解した。

 こいつはやばいと。


 彼女はかつて冒険者をやっていた時期があった。その時に、自分よりも強い魔物とは戦ったことがある。しかし、奴はレベルが違う。


 身の危険を感じ、全力で逃げる。奴に気づかれないように、音を殺して。

 その時はなんとか逃げ切ることができた。


 しかし、ここ最近になりあの声がどこからか聞こえてくるのだ。


 そして、とうとう奴の姿を見てしまう。

 その姿は、漆黒の粘液状生物で、ねばねばっとした体には無数の目がついている。大きさは4m程度であり、決まった形を持たず、不定形にたえず形を少しずつ変えているように思える。魔物のスライムに似ている部分もあるが、スライムとは比べられない迫力を感じる。


 そのおぞましい姿を見て正気が奪われたが、なんとか正気を保つ。


 恐ろしいそれから逃げようとした少女は、不覚にも物音を立ててしまう。


 すると、奴はそれに反応してテケリ・リ!テケリ・リ!と声を上げた。

 直後後ろの方から複数の同様の生物が現れ少女を追跡するのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「調子いいね〜!そろそろ空間干渉の基本は習得できるかもしれないね〜」


「こんな長時間やってたらそりゃ、出来るようになりますよ…」


 和樹の前には、椅子に座り、脚を組み、紅茶を飲むヨグ=ソトース。


「経過した時間的には0秒だよ〜。私は時間を超越してるからね〜」


 あたり一面に広がる草原は、先ほどまでの草原とは違い草以外なにもない。

 一体どうしてこうなったのか。

 それについては0秒遡ることになる。


 〜0秒前〜

 薬草採取の依頼を受けていた和樹は、森に向かって歩いていた。


『和樹くん。君には強くなってもらわなければいけない。私は君が成長し、私の力を使いこなさるようになった時、君が神と同等の存在になれると確信しているからね。ところが、今の君は私が与えた力を1ナノも使いこなせていない。そこで、私が直々に指導してやろう!』


 突然、頭痛が襲ったかと思うと、目の前には以前会ったヨグ=ソトース(人間バージョン)が椅子に座っていた。


「私の力を使い、新たに世界を作った。ここは時間の狭間に作られていて、外の世界の時間は進んでいない。ついでに言うとここに私がいる限り、この空間は時間を超越する。時間についての説明を始めたら、ビックバンが起きちゃうぐらい時間かかるから、省略するね。さて、じゃあまずは魔術の基本からだ。空間干渉が出来るまでは終わらないから頑張ってね〜」

(以下省略)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そんな訳で、やわやかんやでヨグ=ソトースに力の使い方を教わっていたのだ。


「時間を超越した空間ってなんですか…」


「君には理解できないだろうね。神格ですら理解できないものもいるだろうしね。っあ、そういや時間の謎を科学技術で解き明かした種族が一種だけいたな…」


「えっと、空間干渉ってのが出来るようになったから、もう外の世界に戻ってもいいですか?」


「そうだね。あとは自力で頑張りな」


「…最後に聞きたいんですけど、この修行って現実世界の時間経過速度で表すならどのぐらいの時間が経ってたんですか?」


「だいたい2億8568万1253年と3ヶ月半だね。記憶の固定化、時間巻き戻し、コピー空間の創造、記憶改竄、etc…などを私の力で行っていたから、正気は失わず、ストレスも感じず、ただ極限の集中状態を維持して修行できたはずだ。時間は止まってるからトイレに行かなくてもいいし、食事もしなくていい。便利だよね〜。まあ、人間の精神を持った奴が私の補助なしでこの修行やると、普通は廃人化するけどね〜」


「…」


 色々やばいが、基本を習得するのに2億年って…完全に習得できるのにどれぐらいかかるんだこれ?


「あ、大丈夫だよ。基本さえ抑えれば、後はものすごいスピードで成長するから。はやく外なる神を倒せるようになってね〜」


当たり前のように心を読むヨグ=ソトース。


「………まあ、頑張ります」


 和樹は空間干渉を使い外の世界に戻る。


 ここまでの経過時間は0秒。


 見た目の変化は全くないが、確かに実力は変化していると感じる和樹だった。


 ちなみに和樹が2億年分の授業で習得したのは、魔術基礎、空間干渉基礎、時間干渉基礎の3つのみだ。

 しかも、後ろ2つに関しては干渉するだけなので大した力はない。空間干渉と聞けばなんかすごそうに聞こえるが、空間や世界自体を一瞬すらかからず作り出すヨグ=ソトースの本質と比べれば、全宇宙と1つの原子ぐらい差がある。さらに、ヨグ=ソトースは和樹の修行ためにわざわざ干渉しやすい空間を作った。眷属である和樹は、主人であるヨグ=ソトースの作った空間に干渉しやすい。その干渉しやすい空間をようやく通り抜けられるようになったという段階である。つまり、別世界に行ったり、時間を止めたり、タイムスリップしたりは出来ない。

 ここまでの事だけ聞くと、全く役に立たないように聞こえるが、これは逆に言えばヨグ=ソトースが和樹のために作った空間なら自由に出入りできるということである。ヨグ=ソトースは和樹のためにいくつか空間を作ってくれたので、人間基準で見るなら驚異的な能力を持ったといえる。

 例えば、空間干渉が出来ない生物からは絶対的な安置を獲得できる。他にも、物を収納したりもできるし、なんならその空間内に家を作って住むこともできる。

 神基準ではほとんど成長してないが、生物としては1つ飛び抜けた能力を獲得した和樹だった。

私のモチベーションのためにどうかポイント評価お願いします!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] この時間の謎を科学技術で解き明かした種族ってイスの偉大なる種族ですか?
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