始まり
初投稿です。
まあ拙い文章力と在り来りな作品ですが、よろしければ御覧下さい
俺の人生は、呆気ない程簡単に幕を閉じた。
どこにでもいる会社員、それが俺だった。
普通に地元の一般大学を卒業して、普通に採用された一般会社に就職して、何の面白みも無い普通の生活を送っていた。
夢なんて無かった。
周りの奴らが夢を語っている中で、俺はただただ黙って聞いているだけ。
冷めてる奴、それが周りからの俺に対する認識だったと思う。
まあ最初から、幼い頃からそうだった訳じゃ無い。
夢……そんな大それたものじゃないがファンタジーの世界、所謂〈異世界〉と言われるものに強い憧れがあった。
現実には無い、御伽話の世界。
でもそんなもの存在しない。
だから諦めた。
諦めて、つまらない人生を送っていた。
それが何の前触れも無く終わりを告げた。
会社から帰る途中、雨の降る日だった。
歩道を傘をさして歩いていた俺に、雨でスリップしたトラックが突っ込んできた。
突然のことに避けられなかったし、避けようとも思わなかった。
(あぁ、ここで死ぬんだ……)
我ながら他人事の様に思うが、実際その程度にしか感じなかった。
目の前がトラックのライトの光で埋め尽くされ、凄まじい衝撃を感じたのを最後に意識が途絶えた。