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闇に浮かぶ業火と光  作者: 源蔵
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一章 人食い

 人里離れた森の中、うっそうと生い茂る深い森は人の侵入を容易に拒む。

 しかし、それでも人間が迷い込んでくることが極々たまにある。

 大抵、そういう者は狩人や冒険者の場合が多い。

 しかし、多くの森とは違いこの地域では獣どころか魔物が非常に多い。ほとんどの者がそいつ等に喰われてしまって、生きて帰れる事は実に稀だった。


 そのような場所にもかかわらず、ここに人影が一つゆっくりと森の中を移動している。


 その動きはよたよたしていて、今にも倒れそうな勢いだった。

 その者の息遣いはとても荒く、身なりはボロボロだ。

 元の色すら分からないくらいに変色してしまった外套にズボン。もっとも、ズボンなど膝から下はとうになくなっている。履いているのは頑丈に作られた皮のブーツか何かだったのだろうが、今ではサンダルと見間違えるほどに原型をとどめていない。

 顔色は青白く、精気はない。目元を覆うクマはもはや化粧の部類に入るだろう。しかし、ドロなどで顔は汚れ、それすらも見えやしない。ただよく分かるのは汚れきった髪の奥にある朧気に光る左目だけだった。

 そいつは背格好、顔つきからして青年と言っていい部類に入るだろう。

 青年は絶え間なく襲う飢えと渇きに喘いでいた。

 もうどれだけの間、まともな食事にありつけていないだろうか? 思い出すだけで億劫だった。さらにずっと歩き続けているために疲れと眠気がピークに達している。

 このまま行けば、そのうち歩くことも出来なくなるだろう。

 記憶がまた混濁する。


 なぜ……


 なぜ歩いているんだっけ……?


 なにも……


 なにも思い出せない……


 ふらつく足取りがついに木の根をまたぎきれずに躓いた。

 「彼」は受け身を取ることも出来ずに正面から倒れ込んだ。


 もはや痛みすら感じない……


 とりあえず、なにか口にしなきゃ……


 そう思った瞬間、「彼」は頭を振り一瞬だけ我に返った。


 なぜ食べることを考える?


 なぜ生きようと考えるのか……


 意識が少しだけ覚醒する。

 ゆっくりとよろめきながら立ち上がりぼんやりと天井を見上げる。

 木々のカーテンは深く空が見えることはなかった。


 最後の街を離れてもう一ヶ月くらいになるだろうか……


 また間違って街に近づき、騒ぎになりたくはない。


 では、何処に行けばいいのか?


 ……わからない。


 なにもわからない。


 でも、歩き続ける。

 何処に行きたいのか、なにをしたいのかわからない。

 でも歩く。

 しかし、いい加減もういろんな意味で限界が近付いてきている。

 どれだけ永い刻を歩き続けてきたのか、もはやわからない。

 意識などいつあるのかすら定かではない。

 記憶もその間のはなにもわからない。

 自分がどういう状況に置かれているのかも把握できない。

 いつ終わりが来るのだろうか? 

 別にいつ来ても困ることはない気がした。

 むしろ、全てから解放される。


 そう、死んでおわれるならば、それで……終わるなら、それでいい。


 しかし、終わり方を一歩踏み外せばどうなる?


 終わり方を間違えては自身の存在はどうなってしまうのだろうか?


 考えたくはない。


 が、おそらくその踏み外したほうが一番簡単で手っ取り早く全てを……


 文字通り、全てに決着がつくことも理解も出来る。


 それはそれは、魅力的なほどに理解できる。


 苦しみもなく、ただ開放的で快感に満ちた終わりになろう。


 だからこそ一番簡単で、一番恐ろしい終わり方。


 それを回避するための旅だというのに……そう考えると、もはや感情の表し方を忘れたと思っていた表情筋が笑みを浮かべるように引きつる。

 だが、それにすら今の彼は気付かない。

 それほどまでに疲弊し、疲弊し、疲弊しきっていた。

 少し前から、近くに何かいるのを感じる。

 おおかた、獣かなにかだろう。「彼」が死ぬのを待っているのだろうか? なら当てははずれだ。「彼」は死なない。この程度では死ねない。

 「彼」がこの程度で死ぬのならば、彼はずっと昔にボロ雑巾のように死んでいる。

 だから、これでは死ねない。まだ死するには足りやしない。

 むしろ、どこまで行けば死ぬのだろうか? 過去の記憶はなく、意識は常に混濁している。眠れば、いつもの悪夢が待っている。それはまるで今目の前で起こったかのように鮮明で、恐ろしい黒い黒い夢。その夢だけは忘れようと努力しても忘れることが出来ない。


 悲劇……その夢を一言で言い表せばそんな陳腐なものになるのだろうか。


 意識が混濁していても忘れようがないくらいに瞼に焼き付いてしまっていた。あの光景、あの音、あの臭い……そして味。寝ればまたあの悪夢がやってくる。気が狂いそうなほどの悪夢と……悦楽……


 だからこそ眠りとは怖い。


 怖すぎて眠ることを全神経が拒絶する。


 あの夢はなんなのだろうか? そんな疑問さえ怖くて考えたくもない。あれが何だったのか想像するだけで恐怖に打ち震える。意味を知る? そんなこと想像しただけで吐き気を催すだろう。

 そして……その悪夢を思い出す。

 ただそれだけの行為なのに、なぜかいつも、いつも……飢えと渇きがゆっくりと首をもたげる。


 まずい……


 様子をうかがっていたなにかが「彼」近付いてきていた。

 それは逆にエモノが近くにいると言う事実……

 その事がゆっくりと、ゆっくりと肉体を覚醒させる。


 呼吸が知らず知らずのうちに荒くなり、覚醒に合わせるかのように全身が痙攣し始める。

 それに感応するように森がざわめきだした。そこに生けるもの全てが恐怖におののく。

 そして次の瞬間……「彼」の目の前になにかが降り落ち立ちふさがった。


 異形


 まず出てくるのはそんな単語だ。

 頭の半分は変な突起が無数に出ていて後頭部にそれが伸びている。

 不自然に太く長い片腕、肩はまるで鎧を着ているかのように出っ張り、その体は巨木のように大きい。


 魔物


 この世で跋扈し、人間を狩り喰らう者。

 人にとっての不可侵にして、災い。それが「彼」の目の前に立ちふさがった。

「あぁあぁぁ………」

 声ともとれないうめき声が「彼」の口から漏れる。

「はら………へっ……たな………」

 姿勢を正すようにゆっくりと上体を持ち上げる。

「なに……おまえ…………?」

 虚ろな言葉とともに魔物が一歩「彼」に向かって踏み出していった。


                ・


 その娘の生活は実に簡単にして質素なものだった。

 家を出るのは食料がなくなったときくらいで、必要がない時はずっと家に籠もっている。やることと言えば、たまに家にやってくる客の相手くらいなものだった。

 友と呼べる人はほとんどいない。家族はずいぶんと前に他界してしまっていた。

 彼女はその活動時間のほとんどを一人で過ごした。


 そうすることが当たり前だった。


 しかし、それを寂しいと感じたことはない。自分を不幸と考えたこともなかった。仕事はあるし、食べるに困ることもない。生活が質素であるのは彼女が望まないからだ。


 彼女はなにも望まない。


 恐らく彼女がその気になれば、金などいくらでも稼げるだろう。

 それだけの能力は十二分に備わっている。


 しかし、なにもしない。


 刻の流れに身を乗せるだけ………

 彼女は、まわりの人達がなぜ必死なのかがわからない。

 一切理解することが出来なかった。


 なぜわからないか。


 彼女は空っぽだからだ。

 それほど、必死になるまでの生きる目的がない。

 何かを心の底から欲したことがない。


 ただ生きている。


 なにもない……

 なにもないから、何が欲しいかも分からない。

 目的もなく、無為に時を過ごしていく………

 そして刻の流れが……運命が捕まえてくれるまで、彼女は眠り続けるだろう。


           ・


 その日は珍しく、朝早くから家の扉が叩かれた。

 朝食を取ったばかりの彼女は少し訝しみながらゆっくりと扉に近付いていく。

 こんな朝早くから客なのか?

 特に店として家を開ける時間は決めていない。そのため、気が向いたら店として粗末で小さな看板を出すには出す。基本的に、皆それを守ってはくれる人ばかりな印象だった。もっとも、店に人が来ること自体はそんな珍しいこと……な気もする。しかし、こんな朝早くからというのは本当に珍しい事だった。ゆえに、あまり良い予感というのはしない。

 それでも、彼女は無警戒に扉を開けた。すると、外にいたのは初老の男性だった。

 口に白い髭を蓄え、威厳に満ちた面持ちで彼女を見下ろしている。

「……ラロウド先生?」

 まだぼんやりとした思考が反射的に昔の呼び方で彼を呼んでしまった。

「おはよう、エルシャ。それと先生はやめなさいと言っているだろう」

「は、はい。すみません。マスター」

 彼女は自らに術や、生活に不可欠な(すべ)を教えてくれた師を見上げた。

「……それで、どうなされたんです?」

「ん? あぁ、少しお前に頼みたいことがあってな。朝早くで悪いんだが宮殿まで来てくれないか?」

 いつもの通りだが、聞いてきてはいるがそれに拒否という選択肢は存在しない。

 宮殿というのは王宮の横にある魔術や精霊術を研究する場所を指している。

 この国の術師集団は古くからの伝統があり、大仰しいほどのプライドをもっている。肥大化したプライドほど邪魔な物はないとエルシャはぼんやりとそんなことを思っていた。結局は自らの行動に制限がかかり、プライドに振り回される。

 なぜそんな物を大事にするのか彼女には全く理解できなかった。

「……はい。わかりました」

 エルシャは食器を片付けるとそのまま外套を着込んだ。

「仕事があるのに、すまないな」

「いえ……」

 仕事と言っても、この家で誰かが来るのを待つだけのこと、そんな仕事とも取れないような程度のものだ。


 とくに出来る仕事がないからやっているだけのこと……


 家の扉に【休業】の立て札をぶら下げると、二人はゆっくりと歩き出た。

 王宮の横に位置する宮殿とエルシャの家は王都の中心である市場を挟んで存在している。

 市場は朝早くからその賑わいを見せていた。皆、仕入れたばかりの品を並べたり現金の確認を行っている。その中には気の早い主婦達が食材を買い求めて殺到しているところもあった。

 活気ある人混みをすり抜けるように二人は歩く。と言っても、二人を見たとたんに人通りは自然と別れていく。それをエルシャは感じつつ、普段と変わらない日常を冷淡に感じていた。

「マスター。今日はどうしたのですか?」

「ん? うむ。年頃の娘であるお前に見せるのは少々気が引けるものなのだが……見せたいものがあるのだ」

 その声にはめずらしいことに若干の躊躇いが見える。

 どうやら、今回はいつもとは少しちがった用向きらしいというのだけは朧気に分かった。

 しかし、内容がいつもと違ったとしても、さして彼女にとっては関係のないことだった。

 彼女の都合関係なく、いつも通りに呼ばれ……ついて行く。


 ただ、それだけのことだ。


「まぁ、それよりも……いい加減、宮殿に入ることを決心してはどうかね?」

「……マスター。その話は」

 聞くのもうんざりとまではいかないが、少し困ったような感じでエルシャが遮った。

 それが今日始めてみせる感情の変化でもあった。

 そうか、と唸るように老人は言い、ほんの少しだけ落胆の色を見せる。老人の言葉によればエルシャはこの国でも術の扱いに関して言えばかなり優秀な部類に入ると言う。術だけでなく、術式を刻み込み、魔力によって動かす魔具と呼ばれる道具を作り出すことも出来る。これはよほどの術者か素質がある者でないと出来はしないのだ。

 そんな希有な力を持っているにもかかわらず、彼女は下町で暮らしている。

 だからこそ、ラロウドは彼女に宮殿で暮らし国の仕事を手伝ってくれないかと誘ってくれるのだ。一介の術師が聞けば即座に食い付いて当たり前の非常に名誉な誘いだった。


 しかし、彼女は望まない。


 それでも……老人は諦めていなかった。

 いつだってこの老人はエルシャのことを気にかけてくれる。友人や知り合いがほとんどいない彼女に取っては他人との交流がラロウドのみと言うわけではないが彼が比較的多いのは事実だ。それでも寂しいと感じたことはなかった。


 二人はいつの間にか市場を抜け宮殿へと入っていった。

 いつも宮殿に入ると空気が変わる気がする。

 おそらくは宮殿中に張られている魔の侵入を防ぐ結界が空気を浄化しているのだろうとエルシャはいつも思う。汚れがなくて、とてもつまらなく傲慢な空気……彼女はこの空気がなぜか少し嫌いだった。

 宮殿に戻ってきたラロウドを見て術師達が頭を下げるのが感じられた。しかし、それは老人にだけであってエルシャにはいつも、なぜ一緒にいる、という敵意とも取れない疑問が投げかけられる。彼女はそれを無視してラロウドのあとに続く。

 彼に案内され、一室に二人は入った。そこはなぜか厳重な警備がついている部屋だった。彼女の中にある微かな記憶だと、このエリアにはそれほど重要な区画はなかった気がするのだが……? 中に入るとさらに奥に部屋があった。入る度に結界が張られ、その場自体が清められていた。

 一瞬なんだろうと思ったが、その一番奥の部屋へ入ると答えが分かった。部屋の中心から漂う空気を……それを感じ彼女は顔をしかめた。


 これほどの結界でも清めきれないほど……歪んだ空気。


「な、なんですか?」

 歪んだ空気のおかげでそこにあるモノがなんなのか、いまいちはっきりと判別出来ない。

 このような経験はあまりしたことがない。

「目の見えないというのが幸いではないが、年頃の娘に見せるものでもなくてな。少しつらいだろうが、これが見てもらいたかったのだ」


 そう、彼女は生まれついての盲目だった。


 目は開けられていても、その視線は何処にも向かない。それでも生活には不自由していなかった。宮殿一の魔術師であるラロウドから術を習い、それをさらに自分独自で組み上げた。それを使うことにより、一応彼女は景色らしきものが分かる。目が見えないから……というわけではないと思うが、彼女の五感は元々優れていた。その五感をさらに術式で強化した結果、まるでレーダーの様にその空間をより詳しく把握する事が出来るようになったのだ。

 それはある意味で視ているとも取れるのかもしれない。


 淀んだ空気は腐臭が混じっている。


 なにかの死骸があるのだろうか?


 近づき手をかざしてみると、それが人に近い形をしていることがわかった。いや、人の形をしていたものなのだろうか?

「これは昨晩、北の森で見つかった遺体だ。身なりから察すると旅人だったようだな。さて、お前はどうこれを見る……?」

 体の半分が剔られるようになくなった遺体。その肉体からは強い魔の残滓と瘴気が残る。

「他の者達では瘴気が強すぎてな。ここに運んできた者達は今、瘴気に当てられすぎたために入院してしまっているほどだ。こう毒素をはき出し続けられると詳しく調べることが困難なのだよ」

 確かにここまで強力なのはエルシャにとっても初めてのものだ。かざす手がぴりぴりと痛む。

「……マスターの考えている通りなのではないですか?」

 彼女の解答にラロウドは深くため息をついた。

「やはり、そうなるか」

 二人の頭には一つの単語がよぎる。


 魔物。


 それも強力な個体がここ王都に近付いている。いや、遺体の状況からすでに二日以上経っている。距離を考えればすでに王都の中にまで入り込んでいるという、最悪の事態も想定できる。

 エルシャはもう一度遺体を見下ろした。強く意識を集中させて残滓を感じ取ってみる。すると、この遺体の最後の情景がちらりと脳裏を駆け抜けた。


 一瞬の出来事……


 他者の感覚、死者の感覚……一瞬なのに、あまりに鮮明な感覚が彼女襲った。

 彼女は頭を振るい、起きかけためまいを吹き飛ばそうとした。


 そうか……この人は喰われたのだ。


 己が欲のため、己の空腹のため、己の悦楽を満たしたいがために。しかし、生きたまま喰われていったにもかかわらず、そいつはつまらないとばかりにこの人物を投げ捨てた。この人は絶え間ない苦しみと魔の浸食を受けながら世を運命を魔物を呪い、死んでいった。

「最近、北の街々で人食いが現れていたらしい。おそらくは同じ類やもしれん」

 エルシャはなにも答えずに遺体から離れた。

 そして、ゆっくりと部屋をでる。

 ラロウドが怪訝気に目を細めているが、彼女はそんな視線にも気付いてはいないだろう。

 急に出てきた彼女に見張りの兵は驚き、一歩退いた。

 なにか本能的にただならぬ気配を感じたのかもしれない。

 彼女は通路の真ん中まで行き、手を大きく広げた。目を閉じ聴覚、嗅覚、触覚を切り意識を集中させる。そして、今記憶した魔の波動を追った。

 エルシャのまわりに風が取り巻き、淡い光が包み込む。それはまさに神々しいまでの姿をその場に顕現させていた。

 その姿を見たラロウドは唸るように歯を食いしばっていた。

 彼女の感覚が広がり、街の中まで広がっていく。それはまるで、両手で街を覆うかのように入り込んだかもしれない魔物の気配を追っていく。

 ラロウドが彼女を宮殿へと薦めるのもムリはない。これほどまでの力を扱える術師など何処にいようか?

 彼女自身、その力に何の価値も見出していないがそれが希有なもので、ほかのなによりも優秀なこと、そして他の者から見れば妬みすら浮かばないような代物だと言うことがわからない。

 国家にとって優秀な術師ほど、貴重でいつでも熱望しているものはない。だからこそ、どんなに断られようがラロウドは彼女を手放したくはない。しかし、無理に事を運ぶのも怖い。彼女が愛想を尽かせて、他の国に行ってしまわないか。それだけが怖い。もしも、そうなるならば………彼はなにをしなければいけなくなる?

 エルシャは自らの感覚のなかに奇妙なものを感じ取った。


 なんだろうこれは?


 その気配は街の外側から感じ取れた。


 禍々しい気を発している。


 が、禍々しいが……どこか、か細く虚ろな気配。


 これが人のはずはない。


 魔物……?


 しかし……


 彼女はそれに意識を集中させた。


 悲壮感、喪失感、恨み、憎しみ………負の感情が入り乱れ渾沌としている。こんな寂しい気配は感じたことがない。


 いや、もう一つ、巨大すぎて気がつかなかった感情があった。


 それは……孤独だった。


 それに気付いたとき彼女は一瞬、動揺し気を緩めてしまった。


 "ダ…レ……?"


 その瞬間、それは彼女に気付いた。

 それまで散漫としていた気配がこちらを観察するかのように感覚を広げる。すぐさま意識を切り離そうとするが、一瞬だけこちらの感覚に触れるようにそれが接触してきた。そして、それが抱えている負が一気に流れ込んできた。

 エルシャはたまらず悲鳴をあげた。

 何事かとラロウド達は驚き、彼女に近寄ろうとした。が、その時にはエルシャは崩れ落ち意識は渾沌に飲まれていた。


                ・


 次に彼女が目を覚ましたのはそれから三日経ったあとだった。

 エルシャは立ち上がると空気の違いで、ここが宮殿の一室であるとなんとなく悟った。

 普段使えるわけがないフカフカなベッドの生地が心地よい。が、逆に心地よすぎて気持ちが悪いとも感じれた。

「目が覚めましたか?」

 声がした。

 まだ目覚めたばかりで五感が冴えない。ぼんやりする頭を振りながら、彼女は声のするほうを探した。

「私はこちらですよ?」

 声は彼女が向いていた逆のほうから聞こえた。

 どうやら、かなり感覚がずれているらしい。

「ここは宮殿ですよね?」

「ええ、そうですよ。客人の間です」

 若い男の声だ。

「ラロウド師も心配しておられました。もう三日も目覚めなかったんですからね」

「三日……そうですか」

 なるほど、それほど長く眠っていれば少し感覚がぼけていても納得できる。

「今何時ですか?」

「そうですねぇ、そろそろ日が沈み出すところです」

「わかりました。なら帰ります」

 ベッドから降り立ち上がろうとした。すると慌てたように男性が止めてきた。

「ちょっと、お待ちください。ラロウド師を呼んできますので」

 そう言うと走るように部屋から出て行ってしまった。

 このまま抜け出そうかとも考えたが、思いのほか体が気怠かったのでやめた。

 しばらくして、ラロウドが駆け込むように部屋に入ってきた。

「おお、やっと気がついたか。心配していたぞ」

 その様子にエルシャは内心冷めたように彼のほうをみた。

「……その様子ではなにかあったのですか?」

「ああ、その通りだ。お前が倒れたあの日の夜から人喰いがこの王都で活動を始めた。すでに犠牲者は五人も出ている」

 それ程までに被害が出ているのならば、恐らく街は……

「街は厳戒態勢だ。急遽、戒厳令が引かれ、今では夜をうろつく者など誰もいない」

 人が出歩かない街など廃墟と同じだろう。

 エルシャはそう……なんの感慨もなく思ってしまった。

「あの……そろそろ帰りたいんですが」

「ん? 今の話を聞いていなかったのか? 今街にでたら、それこそ人喰いと疑われて捕まってしまうぞ。それに………」

 ラロウドの言葉を彼女は遮り、ゆっくりと立ち上がった。先程よりも、気分はいい。随分と肉体が起きてきたようだ。

「私なら平気です。それより、マスターなら通行許可書くらいすぐに手配出来るのではないですか?」

「し、しかし」

「マスターは私の読むという力をかっているからこそ、私を手元に置きたがっているのでしょう? なら、信じてください」

 その言葉にラロウドは沈黙した。

 そして、後ろに控えていた部下に小さく指示を出す。

「相変わらず、わしにはお前が何を考えているのかが理解できんよ」

 力なく出た言葉に思わず反応してしまう。

「他者から見れば、お前に提示されたものは喉から手が出るほどほしいものだろう。なのに、お前はそれを受け取らない。なぜだろうなぁ………」

 そう言い、ラロウドは部屋を出ていった。

 彼が投げかけた言葉に彼女は答えを返すことはなかった。それは彼女自身ずっと考えている事でもあるからだ。

 小さなため息が部屋の中で木霊していた。

 窓が開いているのか、風が吹き込んでくる。

 冬が終わり、暖かくなってきているというのに風は冷たい。それはまるで彼女の心を現しているかのように寒いものだった。


              ・


 宮殿を出て帰路へ着くと、所々検問が存在していた。それに何回か引っかかりながら、ようやく住み慣れた下町へともどってきた。

 空は暗くなってまだ時間が経っていない。普段ならば、繁華街などを中心に通りは人でまだごった返している。しかし、戒厳令のおかげでさながらゴーストタウンのような有様となっていた。生ある者がひっそりと息を殺し、まるで死者がよみがえるのをじっと待つかのように不気味な静けさが漂う。

 市場を抜けたあたりから、治安騎士の気配を多く感じた。彼女はなるべく彼らと交差しないように先を読みながら家路についていた。

 人の気配がしない大通り、いつも人の気配など気にしないエルシャだが、こうも全くいないと不気味に感じてしまう。それが分かったとき、彼女自身意外だったのだろう。首をかしげながら、辺りを見渡した。

 それまで、人など邪魔なだけとしか感じたことはないのに………

 自分でもそういう感情があるのだと、他人事のように確認した。


 と、そんな時だった。


 何を思ったか、彼女は急に足を止めた。


 後ろ……


 後ろで、なにかを感じる。


 それもかなり近い距離。


 目が見えるのならば、おそらく振り返ればそこにいる……


 今の今まで、気配を感じなかった。

 治安騎士ならば、声をかけてくるはずだ。しかし、なにもリアクションがない。ではなんだろう? 例の人喰いだろうか? ならば、もっと禍々しい気配を感じていいはずだ。感じられるのは弱々しい気配だけだ。

 か細くて、貧弱でいて……とても不吉な気配。ここまで弱っている気配は……そうだ、あの時以来感じてこなかった。

 それは自分自身の父を看取った時に感じた気配だ。


 死者の気配……?


 彼女は怖くなった。

 恐怖心を抱くなど、いつぶりだろうか?

 それすらも思い出せない。

 本能的に歩く速度が早まっていく。

 みるみるうちにその気配は遠ざかっていく。どうやら、それが現れたのは偶然だったらしい。何だったのかはこの際考えないことにする。

 すぐそこが家のはず、今日ほどはやく帰りたいと思ったことはない。

 しかし、角を曲がると同時に予期せぬ声が掛かった。

「おい、そこのお前! 何者だ」

 前のほうから急に声がかかった。

 今更のように目の前に二人の治安騎士が近付いていることに気がついた。

「戒厳令が引かれていることは知っているだろう。なのに、なぜ出歩いているか! なにか身分を証明するものを見せよ」

 高圧的な言い方をする騎士だった。さらに、若いエルシャを上から下まで品定めをするかのように見てきた。体をなめ回すような視線を感じ、エルシャの顔が反射敵に少し強ばる。

 一方、もう片方の騎士は絶えず帯剣に手をかけ油断なくこちらを観察していた。

「すみません。宮殿から帰ってきたところなので……」

「なに? 宮殿だと、術師の使いの者か?」

 騎士の言葉にエルシャはムッとした。しかし、騎士達が言った事は実にふつうのことだ。本当に、宮殿に住む術師ならば街になど滅多に出てくることはない。必要な物が出てきても、彼らは自らの足で下町に買い物をしには行かない。なぜ自分が自ら行かねばならないのだ?

 そのようなことは使いの者がやればいい。そう言った傲慢な考えを持つのが宮殿で暮らす術師達だった。

「わ、私はラロウド先生から教えを受けている者です」

 エルシャはそう言うと、ラロウドから受け取った通行許可書を見せた。

 彼女の言葉にさらに騎士達の目つきが鋭くなるが書面に目を通していくころには……

「……なるほど、これはとんだご無礼を」

 暗がりの中でざっと目を通した騎士は態度だけを改めた。仰々しく礼をし、口先だけの謝罪をした。その口調からは階級意識を過敏に反応させるものがあった。庶民はどこまでいっても所詮庶民といった風情だろうか、一部の上級騎士などは民をバカにしている者もいると聞いたことがある。

 もっとも、上級騎士というのは貴族の出くらいしかなることができない地位でもあるのだが。それでも、あまりに国というものを理解していないと思う。

 片方の騎士は、まだ疑っているように帯剣からは手を放してはいない。

「しかし、今は人喰いが出没しているかもしれない。とっとと、家にもどってほしいものですな。そうすれば、こちらでなんの犠牲もなく人喰いなど簡単に仕留めてごらんにいれましょう」

 尊大な物言いに、エルシャは少し目を細めた。

「ええ、そうしてもらえればこちらも面倒な呼び出しなどなくなるのでしょうけどね」

 そう言い捨て、彼女は二人から離れようとした。

 二人の騎士も、もういいだろうと見回りを再開した。両者はそのまま離れていくはずだった。


 が、それは蛙が潰れるような悲鳴で時が止まった。


 彼女は驚き振り返れば、騎士のうち片方の気配が消えかかり打ちのめされているのが分かった。

 瞬間、生臭く鉄錆の香りが辺りに漂いだしていた。

「な!? オルラド!? まさか、こ、こいつが!?」

 もう片方の騎士が泡を食ったように抜刀し、一連の動作で斬りつける。動揺しておきながらも、見事な体捌きを見せる。さすがに今回の人喰いが大物と見越してか、かなり使える人材を見回りとして出しているらしい。しかしそんなことは関係なく、彼女の耳に聞こえてくるのは肉と鉄がひしゃげる音だけだった。

「ぶぐぇ………」

 衝撃で甲冑が陥没し、その下にある肋骨を粉砕、そのまま内蔵を押しつぶしミックスさせる。騎士はエルシャの近くまで吹き飛ばされ、目を大きく見開いて事切れた。

 その場に降り立ち、瞬く間に騎士を撲殺した魔物は悠然と最初に仕留めた騎士の肉体を片腕で持ち上げる。そして、そのまま頭から食らいついた。頭の半分が食いちぎられ、丸見えになった脳漿がぼたぼたとこぼれ落ちる。喰いちぎられた衝撃で脊髄反射を起こしたのか、死したはずの肉体がビクンッ! ビクンッ! と痙攣していた。

 人喰いはまるで脳を吟味するかのようにゆっくりと咀嚼し、飲み込む。エルシャはその音を鮮明に聞いていた。そして二口目、残った頭と首の根本まで一気に喰いちぎる。骨を豪快にかみ砕く乾いた音が鈍く木霊する。首まで飲み込んだ人食いは最後とばかりに死体を逆さに持ち上げ、その首から滴る血をまるでジュースのように飲み込む。さらには体を握りしめまるで搾り取るかのように締め上げていった。

 エルシャは動くことが出来ず、ただその存在に圧倒された。目が見えていなくとも音が、臭いが、気配が、なにが今目の前で起こっているのかを雄弁に語ってくれていた。

 間近に迫る初めての死の気配に、彼女はただただ震えるしかなかった。彼女や、市民を守るはずの騎士はこの人喰いの前ではなんの役にも立たなかった。それどころか、さらに力をやるためのエサでしかなかった。

 人食いは掴んでいた騎士の体を投げ捨てた。

 そうして、まるで今気付いたかのようにエルシャを見た。

 数瞬の間の後に、人食いの舌なめずりが聞こえてくる。その白く大きな瞳が爛々と輝く。まるで御馳走を目の前にした犬のようだ。

 エルシャは動けない。人喰いから沸き上がる濃厚な魔と瘴気に飲まれる。感覚を頼りに生活している彼女にとって、人喰いが発する魔は強大すぎるものだった。すぐそこが家のはずなのに位置がまるでつかめない。


 死ぬのかな?


 さっきの騎士のように自分も人喰いに喰いちぎられるのかな?


 次第に感覚が麻痺してきた。


 怖い?


 なにに?


 怖い……


 何に対して?


 怖い……怖い……


 目の前のあれに対して?


 ……怖い……怖い……


 あの人喰いに対して?


 体中が震え、体が自由を失ったかのようにすくむ。


 ……タス…ケテ……


 何に対してそれを言う?


 やっと体が自分の意志を持ったかのように一歩だけ後ろに下がった。

 しかし、それ以上進めなかった。なぜなら、彼女はなにかにぶつかったからだった。

 そこでようやく気がついた……

 何者かが自分の真後ろに立っている。

 エルシャはパニックになるかける頭を必死に抑えた。そして、後ろに立つなにかの気配を探る。だが、真後ろにいるはずなのにそいつの気配は弱々しくどこかつかみ所がない。そして、これは……?

 彼女は震えだした。悲鳴を上げることが出来るのならそうしたい。しかし、声すらも出ない。心の蔵を鷲掴みにされたような凶悪的な恐怖が彼女の空っぽのはずの心を押しつぶそうと圧迫する。

 後ろに立っているそれ……


 これは覚えがある。


 それこそが彼女の周囲を読む力に引っかかった、あの気配の持ち主だった。

「み………つ…け………た………………」

 弱々しく、今にも消え入りそうな声が耳元に微かに聞こえる。それよりもはっきり聞こえるのが病的なまでに荒い息づかい。まるで空気に溺れているかのように荒く、喘いでいるように感じられた。

 彼女は次の瞬間、自分の意識……いや、自分の存在がなくなるだろうと思った。

 しかし、いつになってもその時が訪れない。


 そして……


 なぜ……?


 なぜ後ろにいたはずの人影が……


 自分の前に立っているのだろうか……?


 彼女は驚き呆然と感じていた。

 それは正面にいた人喰いも同じだった。


 突然の乱入者。しかも尋常ではない気配を携え、幽鬼のように自らのエモノの後ろ……いや、前に立っている。

 これは一体何だ?

 いつ現れた?

 今まで感じたことのない気配を持つ人影。

 人間……?

 いや、同類?

 分からない。

 こんな曖昧な気配は知らない。


 一瞬の躊躇、それが大きな致命となった。

 突然の衝撃人喰いは面食らった。

 視線がいきなり天に向いていたのだ。

 そして、背中に激痛がはしる。

 殴り飛ばされ、地面に叩きつけられたのだと分かるまで数瞬必要だった。

 顔を上げてみれば、まさに死者の様な顔色をした男が立っている。服はボロボロでかろうじて外套が残っている部分は左側くらいだ。左腕だけがすっぽりと隠れていた。髪はまったく手入れをしていないのか好き放題に伸び、わずかに右目だけが見える。

 人喰いは倒れている自分に追撃がないことから反撃にでようとした。このままやられっぱなしなど、人喰いの名折れだ。その首をへし折り、切り裂き脳髄をすすってやる。

 暗い欲望と暗い欲求が思考を埋め尽くす。

 知らず知らずのうちにその口元が三日月に歪んでいた。

 起きあがった反動で一気に襲いかかろうと、人喰いは勢いよく跳ね上がる。そしてそのままの勢いで、人影に襲いかかろうとした。しかし、拳を振り上げて見たものの、いつのまにか正面に人影がいなくなっている。と思った瞬間に振り上げた腕を捕まれた。反射的に振り回し掴んだ相手を叩きつけようとするがびくともしない。


 "ッ!?"


 次の瞬間、腹が突き抜けたんじゃないかというほどの鋭い衝撃に思わず膝を折る。

 先程飲み干した騎士の血と自らの血が大量に逆流し、大地をどす黒く染め上げていった。

 致命傷とまでは行かないが、ダメージで動きが取れない。かろうじて視線を横に向ける。すると、そこには飢えに飢えた幽鬼が口を広げながら近付いてきていた。まず、左腕に食らいつき、腕の付け根を引きちぎるようにして噛みちぎる。

 闇夜に人喰いの絶叫が轟いた。

 さらに外套の下より突き出した異様な左手は、人喰いの左眼をえぐり取り、傷を広げるかのように頬の肉をそのまま削げ落とした。

 人喰いの断末魔が止むことはない。その人ならざる者の叫びにエルシャは思わず耳を塞いでしまった。

 だが、次第に声は聞こえなくなっていく。なぜなら、喉が食い破られてしまったのだ。破られた喉から風の音だけが出てくる。すでに虫の息となった人喰いの肉体からまだ鼓動を続けている心臓を、それは左手でいとも簡単にえぐり出した。そして鼓動を続けるそれを躊躇なく食らいついていく。次の瞬間、ぶちゅっと言う音と共に心臓ははじけ、その顔をどす黒く染め上げる。

 人影は人喰いを貪るように食らいついていく。体をさらに切り裂き、その臓物に牙を立てる。

 ぐちゃっ、ぐちゃっ、という湿気った音が辺りを満たす。

 エルシャの感覚からは、人喰いの力がまるで人影に吸われるように見えていた。弱々しかった人影の肉体に力が宿る。

 むせ返るような臭気を当てられエルシャはよろめいた。

 すでにこの場所は人界ではないと感じられる。ここは人がいるべき場所ではない。

 逃げなければ……


 なにから?


 人喰いは死んだ。


 どこからともなくやってきた人影に喰われてしまった。


 人影とはなんだ?


 彼も人喰いなのか?


 ならば、なぜエルシャを喰わなかった?


 それよりも……


 この感覚はなんだろうか……


「あなたは誰ですか?」

 その言葉に人影の動きが変わった。

 人影はそのボロボロの衣服を真っ赤に染めながら人喰いを喰らっていた。

 だが、その手が止まる。

 その様子はまさに我が返ったかのように呆然と自分の手を見ている。

 それどころか、ここは何処だかすらも、分かっていないように辺りを見回しだした。

 困惑している様子が感じられる。

 人影は手に持っていた肉片を取り落とし、ふと彼女のほうを見た。

「あ……」

 それまで人影に取り巻いていた負の波動が揺らぐように薄れていく。

「あなたは……」

 逃げるという選択肢を採らず、エルシャはためらいがちにだが真っ直ぐと人影をみた。


「あなたは、なんですか?」


 その問に人影は答えることはなかった。

 しかし、言葉の意味が分からないと言うわけではないようだ。

 人影はなにが怖いのか、じりじりと後退っている。

 エルシャもまた、極度の緊張状態からなのかその場から全く動くことができずに、じっと彼を見ているしか出来なかった。


 そんな時だった。


 彼女の後ろから、人が走る音が多数聞こえてくる。

 それに合わせ、複数の甲冑が擦れ合うやかましい音が木霊してくる。

 聞こえた瞬間、慌てたように人影が急激に動き出した。

 背を向け、脱兎のごとく逃げ出す。

「ま、まって! 逃げないで……」

 その声が聞き入れてくれるとは思っていなかったのか……最後の言葉には力がなかった。

 程なくしてエルシャは騒ぎを聞きつけた治安騎士に保護され、事情聴取の名目の元また宮殿へと戻ることになった。

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