野生児の俺はどうやら迷子になったようです
さっき思いついたんで書きました。なんでキャラの名前すら決まってません。
両親が死んだ、なんてのはまあ昔の話だ。
当時はそりゃもうカワイイガキンチョだった(多分)俺は、みんなから相当可愛がられた記憶がある。
俺自身でもそれは理解してたが、それでも俺は無邪気だったと思う。
だがそれも遠い記憶だ。
本当にそうであったかを聞かれたら、さぁと首をかしげるし、実際のところ親の記憶なんてほとんど残っちゃいない。確実なのはマジで死んでるってことぐらいだ。
問題はそのあとで、誰が俺の面倒を見るのかって話になる。
いくら当時の俺が可愛がられたからといって、養う育となると話は変わってくる。
ましてや他人の子、おいそれとは名乗り出るものはいないだろう。
みんな自分が大事、相手が子供でもそれは変わらない。
そんなことを当時も思ってた気がする。
だから俺は、一人で生きることにした。
大人を信用してなかったわけじゃない。
子供心に迷惑をかけまいとした結果だった。
俺、マジ聡い。
そんなわけで今は一匹狼のアウトロー、それが今の俺・・・というわけじゃない。
むしろそうだったら良かったと思う。うん、こころからそう思う。
でもほら、そう思ったのって子供のころの話だぜ?
俺ってば何故か森の中に入っちゃったのよね。
自然の中で一人で生きる!なんて、目を輝かせちゃったりしてさ。
当然危険なのはわかってたし、無理と思ったら直ぐに村に帰るつもりだった。
そして気がついたら月日が経ってました、はい。
というかさっき気づいた。
だって露骨に体が衰えてるんだぜ?
今日に至っては兎にすら逃げられる始末。
なに体が重いって、バカなの?死ぬの?
いやいや、本気で洒落になってねえ。
実は二日ほど何も食べてない、空腹マジヤバイ。
ついでに今道に迷ってるってのもヤバイ。
今の季節が冬だってことも重ねてヤバイ。
ヤバいくらい寒くてヤバイ。
ヤバイって言いすぎてよくわかんないけど取り合えずヤバイ。
つーか何?迷子って何?
この森に住んでなん目だよ、痴呆かよ?
そういやこの冬何回目?思い出せないんだけど・・・。
「もう歳か・・・」
しみじみと独り言なんて言ってみる。
いやそうじゃないだろ。
早く家見つけねえと。
日は完全に落ちてるし、もう指先の感覚もない。
空腹も重なって、体力が減ること減ること。
下手したら俺、今日でしんじゃうかも。
寒すぎて幻覚見えてきたし、なんか森のむこうが光ってる~。
死因自宅の庭にて遭難、虚しい最後だ・・・って、あれ?
「あの光って村か?」
もしかして森抜けちゃったか?家真逆なんだけど、やっぱ痴呆か。
まあこの際だ、村で隠居生活を送るのもありかもな。
まあそんなことより、早く行こう。ここは寒すぎる。
「・・・・」
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
おっ、思わず我を忘れてしまった。
だって道が石でできてるんだぜ?
いや別にそれ自体はおかしくないが。
この石、継ぎ目がない。
まあそれも珍しいってぐらいだ。
だがその道を走る謎の生物。
俺よりも十分に大きな体、そして全身を覆う巨大な甲殻。
そして自分の存在を誇示するかのような刺激色。
しかも光ってる。
全身が、テカテカと。
これほどの刺激色は、天敵がいない証拠。
おそらくこの生き物は、食物連鎖の頂点にいる。
こんな動物、森じゃ見たことない。
いや、・・・虫?
とにかく、この世の者とは思えない。
いくら時間が経ったとしても、生き物は、絶対に、こんなふうには進化しない。
あまりの衝撃に頭がややショート気味。
ただでさえ痴呆かもしれねえってのに、刺激を与えんなっての。
いやこれは夢だろ、あまりにも現実味がない。
というか、明らかに現実じゃない。
だが腕をつねったら痛かった、ということはだ。
ここって、異世界?
キャラクターが足りない、設定も足りない、そしてなにより・・・。
やる気が足りない!!