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2.並ぶ
「ねぇ、ちょっと座っていこ?」
「だねぇ。待ち行列長すぎ」
内股で座った絢音がベンチをぽんぽんと叩く。千夏は脇に荷物を置いて隣に座った。すぐに絢音の方を向いてスマホを取り出す。
「ポップコーンゲットって送っておこう」
絢音がすかさず頬にポップコーンをつけたり、食べる真似をするので千夏は連写した。今日は遊園地への校外遠足だ。4人班での行動で、じゃんけんに負けた絢音と千夏が買い出し担当になっていた。
「ん、いい感じじゃん」
絢音が髪をかきあげてスマホを覗き込んできた。絢音の了解を得て送信する。そのままお互いスマホを眺めながらポップコーンを摘んでいく。ジェットコースターの歓声に絢音が顔を上げた。
「そういえばさ、若菜が隼人の班に誘われてWデート状態だってよ」
「えー、まじで。くっつくかなー」
「いや隼人に若菜姐さんは御しきれないでしょ」
お互いのポップコーンを好き勝手に食べながら、ひとしきり若菜と隼人をネタに楽しむ。
「やばい、もう行かなくちゃじゃない?」
「結構時間経ってるね。……絢音、口ついてるよ」
千夏はスマホの黒いロック画面を鏡のように絢音に向けた。
「うぁ、ありがと」
急いで立ち上がると、2人は並んで喋りながら、早足で待ち合わせ場所へ向かって行った。




