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第76話 コスタリア領都の日常5

お忍びといいつつ大所帯で虫歯の治療にやってこられた王妃様。


今回もとんでもない地雷案件だったゴブ。

セレスティア様は争いの少ない平和な世界だって言っていたけどそこらかしこに人生の落とし穴がある世知辛い世の中なのは異世界になっても変わらないゴブな。


ベッドに横になられている王妃様を前にそんなことをぼんやり考えているとアイラお嬢様がコソコソ耳打ちしてきた。


「ミセッティ、他にお体が悪そうなところがあったら治しちゃって、あと見た目が悪いところもついでに見れるようにしてあげて」


「ゴブッッフ」(きゃはは。耳元で話しかけると息がくすぐったいゴブ~)


何だか目をつぶっている王妃様の目元がピクピクと動いたが気のせいゴブ。


「ゴブ~?」(虫歯は歯ごと新品に入れ替えたゴブ、あとは白髪くらいゴブ?)


「確かに白髪は気になるわね・・・あとはお母様の時と同じ首のシワとかお腹のたるみとか・・・一応水虫かどうかも調べてみて。胸は大きくしなくて良いから。王妃様は胸が慎ましいけどそこが王様が気に入っているんじゃないか・・・とかお母様たちがお茶会で噂話をされているのを聞いたことがあるわ」


王妃様の目元と口元がさらにピクピク震えているような気がするゴブ。

近くにいた奥方様とカタリナさんや女騎士さん2人も胸の話題になるといつのまにかいなくなって窓際に集まって外を見ながら談笑している。

まったく・・・治療しない部外者はのん気でいいですな~。


「ゴブー」(分かったゴブ~、あとは任せるゴブ)


つまり満足して帰ってもらえれば良いんでしょ。

短い間だったがサラリーマンとして社会生活を送った経験を舐めるなゴブ。


偉い人が査察に来た時は説明はそこそこにして、さっさと地元のおいしい料理を食べにいって綺麗なお姉さんのいる店に連れて行った方が評価が高くなるって支店長も言っていたしな。


[神界]


スキャンしたが大きな病気や(水虫にも)呪いにもかかっておられないようだ。

それでは見た目の方の施術に入りましょうかね。

王妃様だけあって普段から磨かれているゴブな~。

まずは年齢からくる劣化を手っ取り早く処置するために年齢を10歳程戻すか。

これで白髪やシワ、くすみ関係はほぼ解決ゴブ。

あとはお腹まわり、二の腕、太ももまわりの脂肪を減らして・・・

胸は慎ましいのが相手の好みにあっていたとか言っていたけど少し小さすぎるな。

ここは大事だろうし胸付近だけ20歳ぐらいまで年齢を戻しておこう。


「ゴブ」(こんなもんだゴブ~)


「よくやったわ、ミセッティ。お姉さまたちと並ばれても遜色無いぐらい若々しくなられて別人のようですわ」


「すごい・・・これが噂の敬虔な信徒への女神の祝福ですか」


鏡の前で王妃様が自身の状態をチェックしておられる。

満足いただいて何よりゴブ。

これでコスタリア家が潰される心配は無くなったゴブな。

めでたし、めでたし。


「しかし!大きかった胸が他の部分と一緒に《《少しだけ》》小さくなってしまっています!せっかく20年掛けて育てた・・・ごほん、いいえ大きく張りがあった元の状態に戻してちょうだい」


「王妃様は20年かかさず胸を大きくする体操をしてミルクを飲んで湯浴みの時も入念にマッサージをされていたのです。そのかいもあって最近は1サイズ上がりました。嬉しさのあまりドレスを全て新調するだとか王様に相談されたり・・・結局は少ない調整で着れると却下されましたが」


う~ん、しまったゴブ、若い時のサイズにしてあげれば問題ないと思ったんだが

20年掛けて育ててきて先程が全盛期だったとは盲点だったゴブ。


「ゴブ~」(申し訳ない、元の大きさに戻すゴブ)


もう一度[神界]を発動し胸だけ元の大きさに戻してあげた。


「ゴブ」(完璧ゴブ。寸分の狂いなく元に戻せたゴブ)


「完璧に元の大きさに戻しました、とのことです。大変失礼いたしました。これでもう大丈夫です。その他も病気や呪いなども無いようですわ」


アイラお嬢様が施術の内容を説明してくれた。


「ゴブ~」(終わった、終わった~。疲れたゴブ、ご褒美お菓子でも食べるゴブ)


「アイラ嬢。まだ終わっていませんよ、つい先程までもっともっと大きかったです、きちんと元の大きさに戻すようにゴブリンちゃんに言ってちょうだい」


「・・・ミセッティ、王妃様の胸を元の大きさまで戻してちょうだい」


「ゴブ~!」(え~、完璧な仕事にケチをつけてひどいゴブ~)


「アナスタシア様、普段から肩がこらなくて楽でいいわ~とか、こんなの戦いに邪魔になるだけの無駄な肉だとか、よくおっしゃっていたじゃないですか。今ぐらいがちょうどいい大きさなんじゃ・・・げふっ」


女騎士さんが全て言い終わる前に意識が飛んだようだ。

王妃様は笑顔のままだ。

おそろしく速い手刀・・・ゴブリンでなきゃ見逃しちゃうね。

どこの家にも空気を読めないぽんこつはいるもんだゴブ。


「ゴ、ゴブ~」(も、もう一度よく思い出してやり直すゴブ~)


「ミセッティガ、モウイチド、ヨクオモイダシテ、ナオストイッテイマス」


アイラお嬢様や・・・めんどくささが表情に出てしまっていますよ。

こういう面倒なお客様にこそ大人として我慢して笑顔で対応するべきなのです。

わたしは満面のゴブリンスマイルでうなずいてみた。


「あなた達・・・私がめんどくさい人間だと思っているでしょう・・・まぁその辺りはどうでもいいです。元の大きさですよ、元の、あのくっきりと谷間が出来ていたあの頃のようにね!」


「そうですよ、もうドレスを着る時に30分かけて寄せなくてもいいようにお願いします~。侍女さんたちも大変そうですし~」


ヒュッ


「ちぃ!避けられましたか。腕が上がりましたねリディア」


「それはもう、ここ最近の鬼ごっこの成果ですよ」


ぽんこつ女騎士がどや顔で勝ち誇っている。仲が良いですね。


他に王妃様の手刀に気付いているのは奥方様とカタリナさんとわたしぐらいだな。

常人に反応できない手刀を打ってくる王妃様とかこの国はどうなっているゴブ・・・


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