表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/73

第53話 お嬢様誘拐事件

ある日の朝ふと目が覚めるとやけに静かだったゴブ。


いつも起こしに来るマリーも来ないし、何よりお嬢様がベッドから消えている。


「ゴブ~」(みんなどこに行ったゴブ~)


とことこと歩いて廊下に出てもやけに静かで人影がないゴブ。


ふと見ると衣裳部屋の扉が半開きになっていた。


「ゴブ~」(お邪魔するゴブ~、誰かいませんかゴブ~)


「うう~、その声は・・・ミセッティさん?」


衣裳部屋の長椅子にもたれ掛かってうなだれているマリーがいた。


「ゴ、ゴブ!」(どうしたゴブ、大丈夫かゴブ!)


思わず走り寄るとマリーは意識をもうろうとさせたまま机の上を指さした。


机の上には1枚の紙があり汚い字で走り書きがされていた。


<誘拐されそうです でもミセッティとの秘密は守ります>


「ゴブー!」(こ、この汚い字は間違いなくお嬢様の手書き!誘拐だと!)


「お嬢様も私も抵抗はしたのです・・・ですが力およばず・・・」


マリーはもう意識を失う寸前にまでなっている。


「ゴブ」(分かったゴブ。お前はもうこれ以上喋らなくていいゴブ)


わたしはお嬢様からの伝言の紙を持って廊下を走りだした。


カタリナさんもいない。一緒に連れていかれたのか。

何てことが起きてしまったんだゴブ。大変だゴブ。


兵舎の前の訓練場までやってきた、まだ朝が早いせいかあまり人がいない。

奴はどこにいるゴブ。肝心な時に使えないゴブな。


「おーっす。こんな時間にここに来るなんて珍しいっすね~」


いた。相変わらずやる気のかけらも感じない間延びした喋り方ゴブ。


「ゴブゴブ」


わたしはお嬢様の手書きの紙を見せて緊急事態であることを説明した。


「・・・やばいっすね。今は領主様も旦那様も留守だし、奥方様も大事なお茶会に出席されるために早朝に出立されているっす。その隙を狙われたっす」


「ゴブゴブ」(早くお嬢様を探しにいくゴブ)


「う~ん、何て言ってるかお嬢様がいないと分からないっす。お嬢様の連れていかれた方向だけでも分かれば・・・」


誘拐事件は時間との闘いなんだゴブ。時間が経過するほど見つかりにくく取り返しのつかないことになるゴブ。


こうなったらまごまごと手をこまねいている場合ではないゴブな。

本気を出して捜索するゴブ。


聖魔法 レベル4[結界] 敵意広域探知


「ふわっ。急に光ってびっくりしたっす」


結界を薄く大きく広げる探知バージョンに加えて今回は我々に敵意を持つ人間を識別する効果も追加したゴブ。


「ゴブ!」(こっちに悪い奴らがいっぱいいるゴブ)


「こっちの先にお嬢様がいるってのか?やばいな・・・この方向の先は貧民街だ」


貧民街!スラムってところか?行き場を失った犯罪者とかが最終的に集まり非合法な


ことを平気でやる犯罪集団が支配する危険地帯とかゴブ!


これは一刻を争う非常事態ゴブ。


わたしは採集作業用の背負いカゴ(子供用)を持ってきてライアンの背中ではなく胸側に装着させた。


「おっ、おい。なんすかこれは、普通は背中に背負うんじゃないっすか」


「ゴブ」(いいからそのまま立っているゴブ)


そしてわたしはライアンをよじ登りカゴの中へと入った。


聖魔法 レベル2 [強化]


「おおっ。力がみなぎるっす。身体強化の魔法っすね」


「ゴブ」(ライアン号発進ゴブ)


わたしはライアンの胸のカゴから敵意が多くいる方向を指さした。


「分かったっす。こっちの方向っすね。行くっすよ~」


ライアンが走り出す。

速いな。景色が見る見る流れていく。

わたしはカンガルーの子供のようにじっとしているだけで良いので楽ちんだゴブ。

なんかポケモンでもこんなキャラがいたな・・・。


余計なことを考えているうちに貧民街に着いた。

私たちの前には貧民街に似つかわしくない高い塀に囲われた派手な屋敷がある。


「行くっすよ~、おらぁ」


ライアンがノックもせずに門を蹴破った。


「うぉ?なんじゃワレ?」

「こんな朝からカチコミか?」

「てめぇここがどこか分かってんのか!?」


5人のチンピラが絡んできた。


「ふんっ、はっ」


ライアンが2振りで5人を切り飛ばす。


「ぶぇ!」

「ぐはっ?」


いきなり切られて5人は呆気にとられている。

そのうち2人は急所に入って致命傷になっているな・・・。


「お嬢様はどこっす?返してもらうっす」


「何言ってやがる」

「いきなり切り込んできてお嬢様だとぉ?」

「てめぇ、ふざけんなよ」


確かに質問する前に切ったら交渉もなにも無いわな。

とりあえず殺しはいかんゴブ。

こいつらでも一応領民だし。


「ゴブ」(ヒール ×5)


「うぉ?今度はなんだ?」

「俺っちのキズが癒された?」

「ううぅ。キズは治っても痛くて動けないよぉぉ」


「お嬢様はどこっす?返してもらうっす」


「だからてめぇ先刻から何を言ってんだ?ぐぼぉぉ!」


ライアンが容赦なくチンピラさんの腹に剣をぶっ刺した。


「お嬢様はどこと訊いてるっす」


「ぐぉぉ、だから何を言ってんだってこっちも聞いてんだろぉぉ!」


「ゴブ」(ヒール。おい、だから先刻から質問と攻撃が順番が逆だろ)


ダメだ。これじゃお嬢様が見つかるまでに死体の山が出来てしまう。


「ゴブ」(聖魔法 レベル5 祝福)


わたしはライアンの剣に祝福を掛けて聖魔法を定着させた。


祝福されしバーゲンハイム家の剣(レベル7)

・攻撃時に装備者と相手を回復させる。

・アンデッド系に特効

・耐久力強化

・切断力強化


好きだったドラクエからヒントをもらったゴブ。奇跡のつるぎの完成ゴブ。

これでどれだけ切り刻んでも死人がでることが無くなったゴブ。

ひと安心ゴブ。


さっきからライアンが腹に突き刺して質問していたチンピラさんは口から泡を吹いて気絶してしまっている。

キズは回復しても結構痛みはあるみたいゴブな・・・

まぁ命に別状は無さそうだから問題ないゴブ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ