第47話 ダンドール子爵家ご来訪2
お嬢様からエレノア様の乙女の回復を命令されたゴブ。
「ゴブ!」(任せるゴブ!)
まずはエレノア様の状況を確認する。
少しやつれてはいるが病気では無いゴブ。
婚約解消の危機になっているということで悩んでおられるとか。
つまりその原因を取り除いておげれば解決ということゴブ。
エレノア様の顔をじっと見つめる。
う~ん。美人といえば美人の方になるのかな?
ひとつひとつのパーツはお母さま譲りで良いものをお持ちだが顔の輪郭と骨格はお父様の遺伝が強いのかな?
つまりは何というか・・・面長で馬とかロバのような雰囲気になっているゴブ。
顔の骨格もややごつごつしていて男性よりだな。
目が少し離れているのが余計に馬っぽい顔にみえるのかな。
女騎士として世に出れば結構モテそうなところなんだろうけど、箱入り娘さんで貴族家に嫁ぐのが全てと思って生きてきてそうだからな~。
しかし見た目が気に入らないからといって婚約を解消しようとするのはいただけないゴブな。そんな小さな男はこちらから願い下げだがエレノア様の沽券に関わることだし、婚約解消の理由を失くしてこちらからNoを叩きつけてやればいいゴブ。
「ゴブ!」(それでは始めるので寝室に移動するゴブ!)
「ふふふ、ミセッティも同じ女として許せないと申しております。寝室に移動して施術を行うのでご案内いたします。エレノア様、私たちにお任せください、もう大丈夫ですよ。安心して気を楽にしてください」
カタリナさんの案内によりお嬢様、エレノア様と一緒に寝室へと入っていく。
なんか赤や紫で派手な家具に金の装飾でごてごてしてて落ち着かない部屋だがゆっくりとエレノア嬢をベッドに寝かせて静かに扉を閉めた。
「ゴブ!」(きっちりと整形して乙女としてのプライドを取り戻させてやるゴブ!)
「ふふふ、今回はやけにやる気ですわね。頼みましたよ」
「ゴブ」(聖魔法レベル7[神界]発動)
今回は遠慮なく外見を良くしていいとのことなので全開でいくゴブ。
まずは顔の骨格をいじって鼻やあごを小さく全体的に小顔にしていく。
これでもうすでにかなり美人になったがさらに目と鼻、口のバランスを微調整し、まつ毛を少し増やして長くし、唇をふっくらさせ、目元を柔らかく優しい雰囲気にしてみた。
ダメ押しで眉毛の形をそろえ、歯並びまで矯正してやったゴブ。
さらにやや広めだった肩幅も小さくし華奢な体形にして、胸も少し大きくして左右の大きさもきっちり揃えてやったゴブ。
最後の仕上げとして全身のシミとほくろを全て除去。これでまさにシミひとつない
完璧な乙女として仕上がったゴブ。
「ゴブ~」(終わったゴブ~。結構がんばったゴブ)
「ふ~、いつ見ても不思議な光景ですわね。よくがんばりましたわ」
カタリナさんが扉を開けて奥方様たちを部屋に招き入れる。
「ほほほ、無事に施術が終わったようですね。よくやったわアイラ、ミセッティ」
「・・・・・」
奥方様に褒められたがエレノア様のお母様は娘をじっと見たまま無言になっている。
「エレノア様、もう起き上がってよろしいですわ。全て終わりましたわ」
まるで精巧につくられた人形か絵画の世界の女神かとも思えるほど美しくなったエレノア様がゆっくりと起き上がった。
少し顔色がすぐれない。何かまだ納得できていないようだ。
「それがその・・・ごにょごにょ・・・肝心なあれの復元がまだのようなのです」
エレノア様がアイラお嬢様に何か小声で耳打ちしている。
「ええっ!そうなのですか?もうっ、ミセッティったらダメじゃない。今回は乙女の復活が目的だってお願いしたでしょう」
「ゴブ?」(だから完璧な乙女に仕上げてみたゴブ?)
おそらく人間としてこれ以上ないレベルの美人に仕上がっているはずゴブ。
これ以上は女神か悪魔の領域に入るゴブよ?
「違うわよ、確かに外見の美しさも乙女には重要なことですが。結婚前の乙女がもっと大事にしていることがあるでしょう?」
「ゴブ~?」(なんのことかさっぱり分からないゴブ~)
「もぉぉ~!。結婚前の乙女に一番大事なのは純潔でしょ!私も少し前に知りましたが殿方と交わると失う一部分が乙女にはあるでしょうが!」
アイラお嬢様が部屋中に響く大きな声で叫んだ。
あ~。はいはい、アレですか。人間とモグラにしか無いとかいうあの膜のことだな。
知らね~よ。都市伝説かと思ってたよ。
こっちは前世で先輩に連れていかれたお店でしか経験が無い素人童貞だぞ。
「ぐふっ。乙女に一番大事なものは純潔・・・」
お嬢様の発言を受けてエレノア様がベッドに四つん這いになってしまっているし。
奥方様もカタリナさんも頭を抱えてしまっている。
「え、あ~、ごほん。ミセッテイ、では最後の仕上げをお願いいたしマス・・・」
「ゴブ」(なんか気まずい雰囲気だが了解ゴブ)
聖魔法レベル6 [復活]
四つん這いになっているエレノア様のお尻をぺシンっと軽くはたいてやったゴブ。
これで部位欠損も全て復元できたはずゴブ。
「・・・!お母様、確認してくださいまし。でも確認するまでもなく戻った感覚があります!」
「良かったですわね、エレノア嬢。これであなたとダンドール家に噂された不名誉も払拭されます。早急に貴族院に行って純潔証明を発行してもらってくださいね」
奥方様も満足そうだ。
「・・・・・」
ダンドール夫人はまだ黙ったままエレノア様を凝視している。
「お母様?エレノアはどうやら無事に純潔を取り戻せたようですわ?」
「アイラちゃぁぁん!私にも、私にも施術をしてくださぁぁい!少しだけ、少しだけでもいいですから!こう、ほんのちょっと目元をさわるだけでもいいですからぁ」
ダンドール夫人がアイラお嬢様の肩をつかんで叫びだした。
「やはりそうなりましたか・・・純潔だけ戻せばよかったのに・・」
カタリナさんが小さくつぶやいた。
「ゴブ~」(知らないゴブ。きちんと説明しないのが悪いんだゴブ~)




