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第44話  戻ってきました侯爵家4

「ふぅ~。午前のお勉強時間も終わりましたし、今日はお父様が屋敷にいらっしゃるからご挨拶にお伺いいたしましょう。何かお土産があるそうですし」


「ゴブ」(新作のお菓子がいいゴブ)


「ミセッティのことも正式に紹介しなければいけませんですし、私のテイマースキルとミセッティの聖魔法のこともお話したいですわ」


「ゴブ~」(そろそろ正直に生きていこうゴブ)


「た、確かにおじい様にはともかくお父様にはミセッティが従魔では無いことを正直に話しておいた方が良いかもしれませんね・・・」


「お嬢様、世の中にはみんなが幸せになる嘘というものもあるのでございます。この国のため、領地に生きる全ての民のために尽くそうとつく嘘であれば貴族の務めの一部ではありませんか」


カタリナさんがお嬢様を優しく諭している。


「そのようなものでしょうか。確かに今のところは誰も不利益は出ていませんが」


「それでよいのです。そして秘密を守る私にもどうかミセッティ様の施術を何卒!」


「ゴブ~」(結局は自分のためゴブ)


最初からも眼光鋭い出来るメイドさんだったけど最近はまた違う感じで眼光に圧を感じるゴブ。


~~~~~~

コンコン。


「お父様、アイラです。午後からお時間いただけると聞いてお伺いいたしました」


お父様は机の前で書類に目を通して何やら書き込んでいる。

たまに帰った休日なのに朝から休まず仕事をしていたようだ。


「やぁアイラ、わざわざすまないね。しばらく留守の間に書類が溜まっていてね。明日には王都に帰らなけらばいけないから急いで確認していたんだよ。部屋に行けなくてごめんよ」


「領地の書類はお母様も毎日見られていますわよ?計算が大変で疲れるといつもおっしゃっておられますわ」


「・・・そちらのかわいい小鬼さんが今回報告にあった従魔なのかい。ずいぶんとかわいくおめかししてアイラに妹ができたようで微笑ましいね」


露骨に話題を変えたな・・・。奥方様は書類仕事が得意ではないようだ。


「ゴブ」


わたしは一歩進んでカーテシーをゆっくりとしながら挨拶した。


「うん、本当にお利巧で行儀がいいね。よく躾がされていてどこに出しても恥ずかしくないりっぱな従魔だね」


「くっ、お父様。申し上げにくいことですが、私に本当にテイマースキルがあるかまだはっきりしていないのです。このミセッティとは言葉が通じるのですが・・・」


お嬢様が少し涙目になりながら不安を口にし始めた。


「アイラ、私たち貴族は様々な義務や責任がたくさんあるけど全て一人で出来るなんて思ってはいけないよ。まわりで支える家族やメイドたち、従魔として仕えてくれるミセッティの好意に甘えてもいい。大切なのはこの与えられた状況に感謝して何をしていくか、、ということだと僕は思うね」


「・・・はい。アイラはこれからも皆のため力を尽くすつもりです。ぐすっ」


お父様はどうやらお嬢様がテイマースキルを持っていないことや聖魔法が使えないことも気づいておられるようだ。

貴族はスキル重視の差別社会と言っていたがここのお館様はきちんと人として大切なものが何かわかってらっしゃる高潔な人間のようだゴブ。


「そうそう、最近王都で流行りだしたものをお土産に買ってきたんだ」


そう言ってきれいな薄い木箱を取り出して机の上に置いた。

フタを開けると碁盤の目のように正方形のマス目があり、表裏で白と黒に色付けされた丸い駒があった。


これは・・・アレですな。オ〇ロ、いや商標登録上その名称を使うのはマズかったか。リバーシだな。仰々しくきれいな木箱になっているから何かと思ったゴブ。


「2人でお互いの盤面の駒数を競い合う白黒大逆転というゲームだそうだよ」


「ゴブッ」(だっさッ。とんでもないネーミングセンスのやつがいたゴブ)


「まぁ、ミスリルとアダマンタイトを張り合わせて裏表が違う色になるように作られているのですね。同じ駒を使ってどう競い合うのかしら」


「ゴブッ?」(ミスリルとアダマンタイトだと?なんて無駄なことをしているゴブ)


「しかも盤はエルダートレントを使っているそうだからね。削ってマス目を作るのも一苦労らしいよ。おかげで1台が金貨50枚したんだよ。とりあえずうちには2台買ってきたから1台はアイラが好きに使いなさい」


金貨50枚!ざっくり500万円だということか!いくら素材にこだわってもリバーシごときで自動車1台分じゃねーか。転生、いや転移者の方か・・早速やってんな。


「説明がフタの裏に刻印してあるけど結構遊び方は簡単みたいだよ。まずは真ん中に2枚づつ置いて、同じ色で挟まれるとひっくり返して最後に多く自分の色があった方が勝ちになるとか」


「なるほど、全て同じ駒なのはそういうことなのですね」


やっぱりそのまんまリバーシだな。お嬢様は何となくルールを理解されたようだ。


「とりあえず貴族の方々には行き渡ったようで、王様の許可しだい領民向けに木材で作った一般向けの製品も作るらしいよ。そっちは大銀貨1枚だというからこれから流行るんじゃないかな。練習して強くなっておくといいよ」


貴族家がほとんど持っているだと?どれだけの貴族がいるか知らんがクッソ儲けてるじゃないか。こっちが腐った肉を食べているうちに勝ち組確定している奴がいるようだゴブ。

しかも庶民用が大銀貨1枚ってこっちの月給と同じじゃないかゴブ!

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